『SAW(ソウ)』シリーズは、密室に閉じ込められた人々が、生き残るための“ゲーム”に挑むホラー映画です。
痛々しい罠の印象が強い一方で、シリーズ全体を通して描かれるのは、ジグソウことジョン・クレイマーの思想と、彼に人生を変えられた人々の物語。
前作の出来事が次の作品で別の意味を持つため、単発のデスゲーム集ではなく、連続ドラマのように楽しめるシリーズでもあります。
この記事では、公開済みの映画全10作品を公開順に紹介し、初めて見る場合のおすすめ順、物語の時系列、Huluの配信状況、小説版までまとめました。
※作品のあらすじは、結末に触れない範囲で紹介しています。
時系列の項目のみ、シリーズの構成に関する軽いネタバレを含みます。
配信状況・最新作情報は2026年10月28日時点のものです。
「SAW(ソウ)」シリーズとは
『ソウ』は、ジェームズ・ワン監督と脚本を担当したリー・ワネルが生み出したソリッド・シチュエーション・スリラーです。
2004年に公開された第1作は、ほとんど動けない密室、限られた道具、正体の分からない犯人という小さな舞台から始まりました。
シリーズの中心にいるジョン・クレイマーは、自分を殺人者とは考えていません。
命を粗末にしていると彼が判断した人間を“ゲーム”に参加させ、極限状態を生き延びることで、命の価値に気づかせようとします。
しかし、その思想は作品が進むほど弟子や後継者に受け継がれ、歪み、別の目的にも利用されていきます。
残酷描写だけでなく「人は苦痛によって変われるのか」「他人の命を試す権利は誰にあるのか」という問いや、警察捜査、人間関係、時間を利用した仕掛けが『ソウ』の面白さです。
2026年10月30日から初代『ソウ』が4Kで劇場上映
シリーズ第1作『ソウ』は、2026年10月30日から2週間限定で、4Kレストア・ディレクターズカット版が全国リバイバル上映されます。
4Kレストアに加え、日本では劇場初公開となるディレクターズカット版です。
シリーズをこれから見る人の入口としてはもちろん、結末を知った状態でもう一度細部を確かめたい人にも、ちょうどよい上映になりそうです。
上映館や上映時間は変更される可能性があるため、鑑賞前に劇場の公式ページをご確認ください。
「SAW(ソウ)」シリーズ全10作品一覧【公開順】
| 公開順 | 邦題 | 原題 | 製作年 | シリーズ内での位置 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ソウ | Saw | 2004 | すべての始まり |
| 2 | ソウ2 | Saw II | 2005 | ジグソウと刑事の対決 |
| 3 | ソウ3 | Saw III | 2006 | ジョンとアマンダの物語が進む |
| 4 | ソウ4 | Saw IV | 2007 | 第3作の裏側でも進んでいた物語 |
| 5 | ソウ5 | Saw V | 2008 | 後継者をめぐる捜査 |
| 6 | ソウ6 | Saw VI | 2009 | 保険制度と命の選別 |
| 7 | ソウ ザ・ファイナル 3D | Saw 3D | 2010 | 旧シリーズの一区切り |
| 8 | ジグソウ:ソウ・レガシー | Jigsaw | 2017 | 7年ぶりの続編 |
| 9 | スパイラル:ソウ オールリセット | Spiral: From the Book of Saw | 2021 | 同じ世界を舞台にした外伝的作品 |
| 10 | ソウX | Saw X | 2023 | 第1作と第2作の間を描く物語 |
各作品のあらすじ【ネタバレなし】
1.『ソウ』(2004年)
老朽化した浴室で目を覚ました、医師のゴードンと写真家のアダム。
二人は足首を鎖でつながれ、部屋の中央には一体の死体が横たわっていました。
残されたテープから課された条件を知った二人は、限られた手がかりを使い、脱出する方法を探します。
残酷な状況を描きながらも、第1作の中心にあるのは会話と推理です。
初見の衝撃はもちろん、結末を知ってから見返すと、台詞や画面の隅にあった情報の意味が変わります。
2.『ソウ2』(2005年)
刑事エリック・マシューズは、ついにジグソウの居場所を突き止めます。
しかし、別の場所ではエリックの息子を含む8人が、神経ガスの満ちる館に監禁されていました。
エリックは目の前のジグソウから息子の居場所を聞き出そうとし、館の参加者たちは解毒剤を求めて罠に挑みます。
閉鎖空間の集団ゲームと、ジグソウとの心理戦が同時に進む作品です。
第1作で示された彼の思想が、本人の言葉によってより明確になります。
3.『ソウ3』(2006年)
重い病によって衰弱したジョンを生かすため、医師のリンが誘拐されます。
一方、息子を失った悲しみと怒りから抜け出せないジェフには、他人を許せるかを試すゲームが用意されていました。
今作では、罠に挑む参加者だけでなく、ジョンとアマンダの師弟関係にも焦点が当たります。
「人は本当に変われるのか」というシリーズの問いが、最も痛ましい形で衝突する作品です。
4.『ソウ4』(2007年)
仲間を救うことに執着するSWAT隊長リッグが、新たなゲームに参加させられます。
限られた時間の中で人々を助けようとする彼に求められるのは、これまでとは異なる選択でした。
第3作と深く結びつき、シリーズの時間構造を大きく広げた作品です。
ジグソウが生まれるまでの過去も描かれ、ジョンの思想の原点が少しずつ見えてきます。
5.『ソウ5』(2008年)
FBI捜査官ストラムは、一連の事件の裏にまだ秘密があると考え、独自に捜査を続けます。
その頃、過去に接点を持つ5人の男女が、協力しなければ進めないゲームに閉じ込められていました。
派手な謎解きよりも、追う側と追われる側の駆け引き、これまで隠されていた事件の舞台裏に重点を置いた一作です。
シリーズ前半の出来事が、別の角度からつながっていきます。
6.『ソウ6』(2009年)
保険会社の幹部ウィリアムは、自社の基準によって治療を受けられる人間を選別してきました。
ゲームの参加者となった彼は、今度は自分自身の手で、誰を救い、誰を見捨てるかを決めさせられます。
医療保険と命の値段を物語に組み込み、ジグソウの個人的な過去とも結びつけた作品です。
同時に、後継者を追う捜査も大きく動きます。
7.『ソウ ザ・ファイナル 3D』(2010年)
ジグソウのゲームから生還したと語り、その体験を本にして成功したボビー・デイゲン。
しかし、彼が隠していた秘密によって、本人と周囲の人々が新たなゲームに巻き込まれます。
第1作から続く人物や因縁を回収し、旧シリーズに一区切りをつける作品です。
邦題に「ファイナル」とありますが、シリーズそのものは本作で完結していません。
8.『ジグソウ:ソウ・レガシー』(2017年)
街で発見された複数の遺体には、すでに死亡したはずのジグソウを思わせる痕跡が残されていました。
模倣犯なのか、過去の協力者なのか、それとも別の可能性があるのか。
捜査が進む一方で、5人の男女を閉じ込めた新たなゲームが始まります。
過去7作を踏まえつつ、新しい観客も入りやすい形に再構成された作品です。
ただし、時間を使ったシリーズらしい仕掛けがあるため、公開順で見たほうが楽しめます。
9.『スパイラル:ソウ オールリセット』(2021年)
刑事ジーク・バンクスは、警察官ばかりを狙う猟奇事件の捜査を担当します。
現場に残される渦巻き模様と映像は、かつてのジグソウ事件を思わせるものでした。
ジョン・クレイマーの本筋から少し離れ、同じ世界で起きた模倣事件を描く外伝的作品です。
警察組織の腐敗を中心にした刑事スリラーとして、ほかの作品とはやや異なる手触りがあります。
10.『ソウX』(2023年)
末期がんの治療法を求めるジョンは、実験的な治療を受けるためメキシコへ向かいます。
しかし、希望を与えた医療チームには、ある秘密がありました。
真実を知ったジョンは、関係者に命の価値を問うゲームを用意します。
物語の時期は第1作と第2作の間です。
ジョンとアマンダを物語の中心に置き、ジグソウを単なる犯人ではなく、矛盾を抱えた一人の人間として描いています。
初めて見るなら公開順がおすすめ
初めて『ソウ』シリーズを見る場合は、上の表のとおり、『ソウ』から『ソウX』まで公開順に見るのがおすすめです。
『ソウX』は物語上では第1作と第2作の間に入りますが、先に見る必要はありません。
シリーズを通してジョンとアマンダを知った観客に向けた描写が多く、公開順の最後に見たほうが人物の表情や選択に重みが生まれます。
また、『ソウ3』と『ソウ4』、『ジグソウ:ソウ・レガシー』は、時間の見せ方そのものが仕掛けの一部です。
時系列順に並べ替えてしまうと、驚きや情報の開示順を崩す可能性があります。
途中で区切るなら
- まず試すなら:『ソウ』のみ
- 本筋を一まとまりで見るなら:『ソウ』から『ソウ3』まで
- 旧シリーズを完走するなら:『ソウ』から『ソウ ザ・ファイナル 3D』まで
- 新しい映像で入りたいなら:『ソウX』も見やすいものの、できれば第1作を先に見る
「SAW(ソウ)」シリーズの時系列順
※ここからは、作品の時間構造に関する軽いネタバレがあります。
物語の大きな流れは、次の順番です。
- 『ソウ』
- 『ソウX』
- 『ソウ2』
- 『ソウ3』/『ソウ4』
- 『ソウ5』
- 『ソウ6』
- 『ソウ ザ・ファイナル 3D』
- 『ジグソウ:ソウ・レガシー』の現代パート
- 『スパイラル:ソウ オールリセット』
『ソウ3』と『ソウ4』の出来事は、ほぼ同じ時間に進んでいます。
ただし、二本を同時に見る必要はなく『ソウ3』から『ソウ4』へ進めば、意図された形で情報がつながります。
『ジグソウ:ソウ・レガシー』には、第1作以前に位置する出来事と、旧シリーズ後の現代の出来事が含まれています。
一本の映画の中に異なる時期が入っているため、作品全体を時系列の最初へ移すことはできません。
つまり、時系列を知った後でも、実際の鑑賞順は公開順が最も分かりやすいです。
シリーズを4つに分けると分かりやすい
本編の連続ストーリー:『ソウ』から『ザ・ファイナル』
第1作から第7作までは、事件、捜査、人物関係が直接つながっています。
特に第3作以降は前作の結末を前提に始まるため、順番を飛ばさずに見るのがおすすめです。
再始動作品:『ジグソウ:ソウ・レガシー』
旧シリーズの歴史を受け継ぎながら、新しい事件と登場人物を描いた続編です。
過去と現在の両方を利用し、シリーズの伝統的な構成を現代的な映像で見せています。
外伝的作品:『スパイラル』
ジグソウの思想を利用する別の犯人を追う物語です。
本編と同じ世界ですが、ジョンを中心とする連続ストーリーからは独立しており、刑事ものとしての色が濃くなっています。
本編の空白を埋める作品:『ソウX』
第1作と第2作の間に起きた事件を描きます。
既存の時間軸に新しい物語を挟み、ジョンとアマンダの関係を掘り下げた作品です。
Huluで見られる「SAW(ソウ)」シリーズ
2026年10月28日にHuluの作品ページを確認したところ、次の8作品が配信されていました。
| 作品 | Hulu配信 | 表示されている音声 |
|---|---|---|
| ソウ | あり | 字幕・吹替 |
| ソウ2 | あり | 字幕 |
| ソウ3 | あり | 字幕・吹替 |
| ソウ4 | あり | 字幕・吹替 |
| ソウ5 | あり | 字幕 |
| ソウ6 | あり | 字幕 |
| ソウ ザ・ファイナル 3D | あり | 字幕・吹替 |
| ジグソウ:ソウ・レガシー | 確認できず | ― |
| スパイラル:ソウ オールリセット | 確認できず | ― |
| ソウX | あり | 字幕・吹替 |
Huluだけで、第1作から旧シリーズ完結編までの7作品と、『ソウX』をまとめて見られます。
ただし、見放題作品や字幕・吹替の提供状況は変更されるため、登録・視聴前にHuluの各作品ページで最新情報をご確認ください。
「SAW(ソウ)」シリーズの小説・ノベライズ
『ソウ』には、行川渉による日本語ノベライズがあります。
角川ホラー文庫から、第1作から第7作『ソウ ザ・ファイナル 3D』まで刊行されました。
| 映画 | 書名 | 著者 | 発売年 | ISBN |
|---|---|---|---|---|
| ソウ | 『ソウ――SAW』 | 行川渉 | 2004 | 9784042945017 |
| ソウ2 | 『ソウ2―SAW2』 | 行川渉 | 2005 | 9784042945055 |
| ソウ3 | 『ソウ3―SAW3』 | 行川渉 | 2006 | 9784042945086 |
| ソウ4 | 『ソウ4―SAW4』 | 行川渉 | 2007 | 9784042945109 |
| ソウ5 | 『ソウ5』 | 行川渉 | 2008 | 9784042945123 |
| ソウ6 | 『ソウ6―SAW6』 | 行川渉 | 2009 | 9784042945147 |
| ソウ ザ・ファイナル 3D | 『ソウ ザ・ファイナル――SAW 3D』 | 行川渉 | 2010 | 9784042945154 |
映画の筋を追うだけでなく、映像では一瞬だった心理や状況を文字で確認できるのがノベライズの面白さです。
特に人物の行動が複雑になる続編では、映画を見た後の整理にも使えます。
刊行から時間が経っているため、新品で見つからない巻は、図書館や古書店も含めて探す必要があります。
『ジグソウ:ソウ・レガシー』『スパイラル』『ソウX』の行川渉版ノベライズは、今回確認した範囲では刊行されていません。
シリーズ第11作はどうなった?
公開済みの『ソウ』映画は、2026年10月28日現在で全10作品です。
当初「Saw XI」として進められていた企画は公開予定から外れましたが、現在は新たなシリーズ第11作が進行しています。
2026年9月に、マイク・P・ネルソンが監督、グレゴリー・ワイドマンとジェフ・トックが脚本を担当することが発表されました。
第1作を生み出したジェームズ・ワンとリー・ワネル、ジェイソン・ブラムが製作に参加します。
ただし、正式な邦題、物語、公開日はまだ発表されていません。
旧企画の内容がそのまま引き継がれるとは限らないため、現時点では「新しい第11作が開発中」と考えるのがよさそうです。
「SAW(ソウ)」シリーズはこんな人におすすめ
- 密室もの、脱出もの、デスゲームが好き
- 時系列や伏線が後からつながるシリーズを追いたい
- 犯人と捜査側の心理戦が好き
- 正義と制裁の境界を考えさせる作品が好き
- 一作ごとの感想だけでなく、人物や事件の関係を整理して楽しみたい
一方で、流血、身体損壊、自傷、医療行為を思わせる強い描写があります。
作品によって程度は異なりますが、苦手な人は無理をせず、あらすじや注意情報を確認してから鑑賞してください。
今後追加したい「SAW(ソウ)」関連記事
このページをシリーズ全体の入口として、今後は次の記事を追加していく予定です。
- 各映画の感想・考察
- 「SAW(ソウ)」登場人物・相関図|ジグソウと後継者、捜査官の関係
- 「SAW(ソウ)」シリーズ詳細時系列|全事件・ゲームを年代順に整理
- 「SAW(ソウ)」罠・ゲーム一覧|参加者・条件・結果と仕掛けた人物
- ジグソウの思想とゲームのルール|「私は殺人者ではない」は成立するのか
- 『SAW(ソウ)』ゲーム作品一覧
- 小説版7冊の作品情報と感想
- 映画と小説の違い
個別記事が完成したら、この一覧から各ページへ移動できるようにリンクを追加します。
まとめ
『SAW(ソウ)』シリーズは、2026年10月28日現在、映画全10作品が公開されています。
初めて見る場合は、時系列に並べ替えず、第1作『ソウ』から公開順に見るのがおすすめです。
『ソウX』は第1作と第2作の間、『ソウ3』と『ソウ4』はほぼ同時期に位置します。
『ジグソウ:ソウ・レガシー』は二つの時期を含み、『スパイラル』は同じ世界を舞台にした外伝的作品です。
Huluでは、第1作から『ザ・ファイナル』までと『ソウX』の計8作品を確認できました。
さらに、第1作から第7作には日本語ノベライズがあり、映画を見終えた後も人物の心理や物語を文字で追えます。
残酷な罠ばかりが注目されやすいシリーズですが、続けて見ると見えてくるのは、ジョンの思想が人から人へ渡り、そのたびに形を変えていく物語です。
まずは4Kリバイバル上映も予定されている、すべての始まりの『ソウ』からどうぞ。
