『MILGRAM』ミコト「MeMe」第一審 感想・考察|“もう偽物”なのはどちらのミコト?

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『MILGRAM -ミルグラム-』囚人番号009、ミコト/榧野尊の第一審楽曲「MeMe」。

第一印象だけなら、今回の罪はかなり分かりやすく見えます。

普段は穏やかそうなミコトとは明らかに雰囲気の違う人物が、バットのようなものを持って人を追い、笑いながら激しく殴っている。映像だけを見れば、暴力によって誰かを死なせたと考えるのが自然です。

実際、公式も「MeMe」について、これまでより直接的な描写が多く、映像を見る限り罪は明白に見える一方、ミコト本人が頑なに「自分の罪が分からない」と主張している理由を考えてほしいと案内しています。

ところが細かく見直してみると、話はそう単純ではありませんでした。

穏やかなミコトと、暴力的なミコト。
二人は明らかに別の状態に見えるものの、「荒い方が悪い人格、穏やかな方が何も知らない被害者」だけでは説明しづらい描写がいくつもあります。
むしろ気になったのは、荒いミコトが「自分はもう偽物でも……」という意味の言葉を歌っていること。

もしかすると、本来こちらの方が先に存在していたのでしょうか。

  1. 「MeMe」の基本情報
  2. 「MeMe」は“僕と僕”なのか
    1. 「俺を」「僕を」という要求にも読める
  3. 荒いミコトが「もう偽物」と歌う
  4. 穏やかなミコトは本当に「善」なのか
    1. 「赦してあげる」と歌うのは穏やかなミコト
    2. 荒い方が“汚れ仕事”を請け負っていた?
  5. 荒いミコトは“穏やかなミコト”を演じられる?
  6. 鏡の中と外が途中で逆転する
    1. どちらが本物かは視点次第?
  7. 病院の待合室のような場所
    1. 自宅と同じ椅子とテーブル
    2. 二人掛けと一人掛けの椅子
  8. 待合室はいつも水に浸かっている
  9. 一枚だけ壊れていない鏡と空
  10. カメラを確認するミコト
    1. 最後に殴っているのはカメラ?
  11. タロットカードは10枚引き?
  12. タロット10枚をケルト十字として読む
    1. 1枚目:愚者 正位置|現在・問題の核心
    2. 2枚目:ペンタクルのペイジ?|現在を横切るもの
  13. 無意識・過去・意識・近未来
    1. ソード2逆位置?|保てなくなった均衡
    2. 運命の輪 正位置|交代と転換
    3. ソード5 正位置|勝つのはどちらのミコト?
    4. カップのエース 正位置|感情が溢れ出す?
  14. 右側4枚がかなり怖い
    1. カップのキング逆位置|「自分自身」
    2. ワンド5逆位置|表面上は争っていない?
    3. 戦車 正位置|二つの力を制御したい
    4. 死神 正位置|最終結果
  15. タロットの裏面がおかしい
    1. 表になるまで正逆が決まらない?
  16. 誰がカードを引き、誰が占われている?
  17. ハングドマンのTシャツ
  18. 悪魔のカードも登場する
  19. 顔の右側をよく触っている?
  20. エナジードリンク、風呂、煙草
  21. 暴力的なミコトが元人格だった?
  22. 作られた穏やかなミコトが、想定と違った?
  23. 逆に、荒いミコトが後から生まれた可能性も残る
  24. 「二重人格だから別人」で済ませていいのか
  25. 第一審の投票結果
  26. 私の第一審判断は「赦さない」
  27. 第一審時点で残った疑問
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  29. 更新
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「MeMe」の基本情報

囚人番号: 009
名前: 榧野尊
通称: ミコト
CV: 花江夏樹
第一審楽曲: MeMe
MV公開: 2021年8月14日

公式プロフィールでは、ミコトは自分がなぜMILGRAMに収監されているのか全く分からず、何かの手違いだと信じている人物として紹介されています。
さらに、夜中になってもミコトの監獄から物音がするため、ほかの囚人から「いつ寝ているのか分からない」と思われているという情報まであります。

この時点ですでに、本人の認識していない時間帯に何かが起きている可能性を疑いたくなります。

「MeMe」は“僕と僕”なのか

タイトルは「MeMe」。
英語の「me」は「私を」「私に」といった目的格なので、「MeMe」をそのまま英文として読むことはできません。

ただ、タイトルとして視覚的に見るなら「Me / Me」つまり「自分」と「自分」が二つ並んでいるように見えます。
歌の中にも、「かわりばんこ」「はんぶんこ」といった、二つの存在が一人分を分け合っているような表現が登場します。

単に「二重人格」というヒントだけではなく、

身体
時間
感情
記憶
罪
責任

まで、二人のミコトで分担している可能性があるのではないでしょうか。

「俺を」「僕を」という要求にも読める

「Me」を省略された文章の一部のように考えると、

俺を助けて
僕をここから出して

あるいは、

俺に居場所を返して
僕にこの身体を返して

といった、二つの自己からの要求にも見えてきます。

そう考えると「MeMe」は、仲良く二人で一人というより、同じ身体と人生を巡って二人の“Me”が争っているタイトルなのかもしれません。

荒いミコトが「もう偽物」と歌う

今回かなり気になったのが、荒い方のミコトが、自分を「もう偽物」とする意味の言葉を歌っていることです。

重要なのは「偽物」ではなく「もう」偽物の可能性があること。
普通に読めば、

以前は偽物ではなかった
↓
今は偽物になってしまった

という時間の変化を感じます。
そうだとすれば、

荒いミコトが先にいた
↓
何らかの理由で、穏やかなミコトが成立する
↓
穏やかな方が表社会で“榧野尊”として生きるようになる
↓
荒い方は内側へ追いやられ、自分が偽物扱いされるようになる

という可能性まで出てきます。

穏やかなミコトは本当に「善」なのか

最初は私も、

穏やかなミコト=何も知らない
荒いミコト=罪を犯した側

だと思いました。
でも、見直すほど穏やかな方も怪しく見えてきます。

「赦してあげる」と歌うのは穏やかなミコト

「赦す/赦さない」に関係する部分を歌っているのは、少なくとも画面上では普段の穏やかなミコトに見えます。

これが意外と怖いんです。
もし荒い方が罪を犯し、穏やかな方が完全に無関係なら「僕は何も知らない」だけでもいいはずです。
ところが穏やかなミコトは、相手を「赦す側」に立っているように見える。

つまり、

自分=正しい側
もう一人=裁かれる側

という位置関係を、自分の中ですでに作っている可能性があります。

荒い方が“汚れ仕事”を請け負っていた?

さらに嫌な可能性もあります。

穏やかなミコト自身が、

怒り
ストレス
殺意
攻撃性
衝動

を持っていた。

ただし、それを「自分らしくないもの」として切り離した。
そして荒い方が、その感情を実際の行動へ移す役割を担った。

そうだとしたら、衝動を生み出す側とそれを実行する側が分かれているだけで、穏やかなミコトも罪と無関係ではありません。

極端に考えれば、穏やかな方が最初の行動を起こし、途中から荒い方が出てきて、暴力・結果・後始末を引き受けていた可能性すらあります。

荒いミコトは“穏やかなミコト”を演じられる?

もう一つ残しておきたいのが、さらに厄介な可能性です。

本当に存在するのが、普段の穏やかなミコトと荒いミコトだけとは限りません。
荒いミコト自身が、必要な時には穏やかなミコトのように振る舞える可能性もあります。

そうなると、外から見ただけでは二人を区別できません。
「罪を知らない」と話している時も、本当に何も知らない穏やかなミコトなのか、知らないふりをしている荒いミコトなのか分からない。

第一審時点ではそこまで確認できませんが、見た目と態度だけで人格を決めつけるのは危険だと思いました。

鏡の中と外が途中で逆転する

「MeMe」で特に重要なのが鏡です。

最初は、荒いミコトが鏡の外側にいて、鏡の中には普段のミコトがいるように見えます。
ところが視点が変わる。
今度は普段のミコトが外から覗き、鏡の中では荒いミコトが笑っている。

つまり、

荒い方=現実
穏やかな方=鏡

という固定ではありません。

どちらも外側へ出る。
どちらも鏡の中へ入る。

どちらが本物かは視点次第?

この演出から感じたのは、どちらか一人が明確な「本物」で、もう一人が「偽物」という構造ではない可能性です。

荒いミコトから見れば、穏やかなミコトが「自分の場所を奪ったもう一人」。
穏やかなミコトから見れば、荒いミコトが「自分の知らないところで罪を犯すもう一人」。
互いに相手を鏡の向こう側へ置いている。

「誰が本物なのか」という問いそのものが、二人の争いの一部なのかもしれません。

病院の待合室のような場所

MVには病院の待合室を思わせる空間が登場します。

最初は精神科や心療内科のような医療施設なのかと思いました。

しかし細かく見ると、かなり奇妙です。

自宅と同じ椅子とテーブル

待合室にある椅子やテーブルは、ミコトの自宅にあるものと同じように見えます。
そのため、この場所が実在する病院なのかは分からなくなりました。

病院と自宅が重なっているなら、ここは現実の場所ではなく、ミコトの内面を表した空間なのかもしれません。

二人掛けと一人掛けの椅子

待合室には、二人掛けの椅子と一人掛けの椅子があるように見えます。

偶然かもしれません。
ただ、二人いるようで一人。
一人として扱われているのに、その中には二人いる。

そんなミコトの状態を考えると、気になる配置です。

待合室はいつも水に浸かっている

さらに、この待合室は床が水に浸かっています。
水は映像表現で、記憶・感情・無意識などを表すものとして使われることがあります。

そのためここは、

人格が表へ出るまで待つ場所
意識と無意識の境界
記憶や感情が沈んでいる場所

のようにも見えました。

もし二人の人格が交代するための「待合室」だとしたら、病院風なのも妙に納得できます。

一枚だけ壊れていない鏡と空

その場所には鏡もあります。

ほかのものが壊れていく中で、一枚だけ無事な鏡があり、そこには空が映っているように見えました。
これが何を意味するのかはまだ分かりません。

ただ、

現実への出口
二人のどちらにも属さない第三の視点
外の世界
本当の自分を見るための場所

など、重要な意味を持っている可能性はありそうです。

カメラを確認するミコト

MV冒頭を見直すと、ミコトはカメラを確認するような動きをしています。
その後、ノイズの入った映像の中で、複数の場面が断片的に映し出されます。

これは「MeMe」の映像そのものが、

誰かによって記録されたミコト
監視カメラに残った断片
記憶映像

のような形式になっている可能性があります。

最後に殴っているのはカメラ?

曲の最後では、ミコトがこちらへ向かって何かを殴るような動きをします。
最初は鏡を壊しているのかと思いました。
しかし冒頭でカメラを確認していることを考えると、最後に壊しているのもカメラそのものかもしれません。

もしそうなら、

自分を記録されたくない
真実を見られたくない
外部から「どちらが本物か」を決められたくない
罪の証拠を残したくない

など、いくつもの意味が考えられます。

鏡が「自分を見るもの」なら、カメラは「他人から見られるもの」。
ミコトはその両方と向き合っています。

タロットカードは10枚引き?

今回、一番深掘りしたくなったのがタロットカードです。

最初は裏面しか見えないため、タロットだと気づきませんでした。
しかし進めていくと、愚者、運命の輪、カップ、戦車、死神などが登場し、10枚のカードが配置されていることが分かります。

配置を見る限り、ケルト十字法に近い10枚引きに見えました。
中央の2枚だけが最初から表になっており、残りは裏向き。
その後、MVの進行とともに順番に開示されていきます。

そのため、単にタロット風の小道具を置いただけではなく、10枚それぞれの位置にも意味がある可能性を考えました。

タロット10枚をケルト十字として読む

一般的なケルト十字では、中央の2枚が現在と障害、その周囲に根底・過去・意識・近未来、さらに横へ自分・環境・希望と恐れ・結果を置きます。
流派によって多少違いはありますが、今回の配置もかなり近く見えます。

現時点で確認できたカードは、おおよそ次の通りです。

位置カード状態
1愚者正位置
2ペンタクルのペイジと思われるカード中央を横切る
3ソード2と思われるカード逆位置?
4運命の輪正位置
5ソード5正位置
6カップのエース正位置
7カップのキング逆位置
8ワンド5逆位置
9戦車正位置
10死神正位置

カードの細部は今後さらに確認したいところですが、この並びだけでもかなり意味深です。

1枚目:愚者 正位置|現在・問題の核心

愚者は、始まり、未知、自由、無垢、新しい一歩などを表すカード。
一方で、先に何があるか分からないまま進む人物でもあります。

「自分がなぜ収監されたのか分からない」と言っている普段のミコトにはかなり合います。

さらに、もし穏やかなミコトが後から成立した存在なら、新しく始まったミコトという意味まで重なります。

2枚目:ペンタクルのペイジ?|現在を横切るもの

中央のカードへ横向きに重ねられる2枚目は、ケルト十字では一般に障害・課題などを示します。
ペンタクルのペイジなら、仕事、勉強、現実的な努力、社会生活などを連想します。

ミコトは一見、ごく普通の社会人。
その「普通の生活を維持すること」そのものが、もう一人の自分を生み出す原因や負担になっていた可能性もあります。

無意識・過去・意識・近未来

ソード2逆位置?|保てなくなった均衡

3枚目が本当にソード2逆位置なら、二つのものの間で保っていた均衡が崩れる、避けていたものが表面化する、といった方向へ読めます。

二つのミコトが「かわりばんこ」「はんぶんこ」で成り立っていた状態が、もう維持できなくなった。
そう考えると自然かなと思います。

運命の輪 正位置|交代と転換

運命の輪は、状況の転換、周期、巡り合わせなどを象徴します。
これがミコトに出ると、どうしても人格が入れ替わることを連想します。

「かわりばんこ」という言葉とも相性がよく、ある時点から二人が交代しながら一つの人生を回すようになった可能性も考えられます。

ソード5 正位置|勝つのはどちらのミコト?

ソード5は、争い、勝敗、相手を傷つけてでも勝つこと、後味の悪い勝利などを連想するカードです。
実際のMVでナイフや包丁は確認できませんでした。
そのため、このソードは実際の凶器ではなく、二人のミコトの対立や攻撃性として読む方が自然だと思います。

もし二人が「本物のミコト」の座を争っているなら、どちらかが勝っても完全な勝利にはなりません。
相手も自分自身だからです。

カップのエース 正位置|感情が溢れ出す?

カップのエースは、新しい感情、愛情、心が満ちることなどを表す比較的明るいカードです。

ただしミコトの場合は、これまで抑え込んできた感情が溢れ出す意味にも見えます。
怒りや苦痛を抱え込み続けた結果、それらがもう一人の自分として表へ現れた。

そんな読み方もできそうです。

右側4枚がかなり怖い

カップのキング逆位置|「自分自身」

ケルト十字の7枚目を「自分自身・自己認識」と読むなら、ここにカップのキング逆位置が来るのはかなり重要です。
正位置なら、感情を成熟して扱うことや安定した感情コントロール。

逆位置なら、

感情をうまく扱えない
抑圧する
感情的に不安定
感情を歪んだ形で処理する

といった方向へ読めます。

つまり、タロット上の問題は「荒いミコトが暴力的だから」だけではなく、ミコト自身が感情を正常に処理できていないことなのかもしれません。

これは、穏やかなミコトが自分の怒りや衝動をもう一人へ押しつけた可能性ともつながります。

ワンド5逆位置|表面上は争っていない?

8枚目を周囲・環境と読むなら、ワンド5逆位置も面白いカードです。
ワンド5は争いや競争、複数の力がぶつかること。
逆位置なら、争いを避ける、衝突を表へ出さない、対立を押し込めるといった読み方もできます。

外から見ればミコトは普通の人で、争いもない。でも、その争いはすべて本人の内側で起きている。

そんな構図にも見えます。

戦車 正位置|二つの力を制御したい

9枚目を「希望と恐れ」と読むなら、戦車は特に意味深です。
戦車は、異なる力を制御し、一つの方向へ進ませることを象徴するカード。

ミコトには、二つの自己が存在する可能性があります。
ならば、二人の自分を制御したいという希望。

同時に、どちらかに身体を奪われる、制御できなくなるという恐怖。
その両方を表しているようにも見えます。

死神 正位置|最終結果

最後にミコト自身が差し出すようにカードを置き、それを開くと死神の正位置。
ケルト十字で10枚目を結果と読むなら、非常に重要なカードです。

死神は物理的な死だけを意味するカードではありません。

終わり
不可逆な変化
古い状態の終了
別の段階への移行

などを表します。
二人のミコトへ当てはめるなら、

どちらかが消える
どちらかが表から退く
二人で成り立っていた状態が終わる
今までの“榧野尊”には戻れなくなる

という可能性も考えられます。

プロフィールにある、自分の中から何かがなくなったような不安とも相性がいいカードです。

タロットの裏面がおかしい

カードの裏面も気になりました。

トランプのように上下対称ではなく、上部に月が描かれるなど、裏面だけでも上下が判別できるデザインです。
ところが、伏せられているカードを見るとすべて同じ向きに揃っています。
それなのに、開くと正位置と逆位置が混在している。

現実のカードとして考えると少し不自然です。

表になるまで正逆が決まらない?

この不自然さまで演出だとしたら、かなりミコトらしい結果となります。
裏面では全部同じ。
でも表になった瞬間、正位置と逆位置に分かれる。

これは外から見れば一人の「榧野尊」なのに、内側では異なる二つの状態が存在することをカードそのもので表しているのかもしれません。

誰がカードを引き、誰が占われている?

さらに難しいのが、誰が占う側で、誰が占われる側なのかです。
普段のミコトが荒いミコトを占っているのか。
荒いミコトが普段のミコトを占っているのか。
同じ一人が自分自身を占っているのか。

それすら分かりません。

そのためタロットについては、穏やかなミコトを主語にした場合と荒いミコトを主語にした場合の両方向から読む必要がありそうです。

たとえば愚者正位置を、穏やかな側なら「新しく始まった自分」。
荒い側なら「自分の人生へ入り込んできた新しい存在」。

死神正位置も、穏やかな側なら「荒い自分を終わらせる」。
荒い側なら「自分が消される」。

同じカードでも意味が大きく変わります。

ただし、最初にカードを配るのは、穏やかな方のミコトに見えました。
とすると、それを受け取りめくるのは、荒いミコトの可能性が強いです。

ハングドマンのTシャツ

ミコトのTシャツには、タロットの「吊るされた男」を思わせるデザインがあります。
吊るされた男は、停止、身動きが取れない状態、犠牲、視点の転換などと結びつけられるカードです。

さらに、MV内では愚者のカードの絵に少し重なるように、吊るされた男の逆位置らしきものが見える場面もありました。

これも、

表へ出られない
今の状態から動けない
どちらが本物か決着しない

というミコトの状態と重なって見えます。

悪魔のカードも登場する

MVでは「悪魔」も確認できます。
悪魔は、束縛、執着、欲望、依存などと結びつけられるカード。
もし二人のミコトが互いに相手を邪魔だと思いながら、実際には相手なしでは日常を維持できないのだとしたら、かなり意味深です。

荒いミコトは、穏やかなミコトが抱えきれない感情を処理する。
穏やかなミコトは、荒い側では維持できない社会生活を担当する。

嫌いでも切れない。
消したいのに、消せない。

そんな依存関係も考えられます。

顔の右側をよく触っている?

ミコトは、顔の右側を触る仕草を何度かしているように見えました。
現時点では意味を特定できません。

ただ、もし人格が切り替わる前後に繰り返しているなら、

頭痛
違和感
切り替わりの前兆
もう一人の存在を感じている

などの可能性があります。
ここは今後も確認したいポイントです。

エナジードリンク、風呂、煙草

MVには、エナジードリンクらしきものを飲む、風呂に入る、煙草を吸うといった日常場面もあります。
ここで歌っているのは普段のミコトに見えました。

公式プロフィールでは、夜中でも監獄から物音がするとされています。
もし本人が「眠るともう一人が出る」ことを薄々感じていたなら、眠らないために刺激物を摂っていた可能性も考えられます。

ただし、エナジードリンクを飲む理由までは第一審では確認できないため、現時点では仮説に留めます。

暴力的なミコトが元人格だった?

ここまで見て、現時点で最も気になっている仮説です。
荒いミコトは、実は後から生まれた「悪い人格」ではなく、元々存在していた側なのではないか。

何らかの強いストレスや社会生活への適応のため、穏やかなミコトが成立した。
最初は自分を守るために必要な存在だった。
ところが穏やかなミコトは社会生活を担当し、周囲から「榧野尊」として認識され、やがて表側を完全に占める。

荒いミコトは内側へ追いやられる。
そして「自分が“もう”偽物になった」と感じるようになった。

鏡の内外が逆転する演出とも、かなり相性のいい仮説です。

作られた穏やかなミコトが、想定と違った?

さらに嫌な可能性があります。

もし荒い方が、自分を守るために穏やかな自分を作ったのだとすれば、本来期待していたのは、

社会生活を代わりに送ってくれる
苦しい時だけ交代してくれる
自分を守ってくれる

ような存在だったのかもしれません。
ところが実際には、その穏やかなミコトが「表の自分」を独占してしまった。
荒い側を偽物として扱う。

罪を押しつける。自分は正しい側として「赦してあげる」と言う。
そうだとしたら、荒いミコトにとっては、自分を救うために作った存在に、自分の人生を奪われたことになります。

逆に、荒いミコトが後から生まれた可能性も残る

ただし、第一審だけで「荒い方が元人格」と断定はできません。

荒いミコトが、普段のミコトが処理できなかった怒りやストレスを引き受けるために後から成立した可能性もあります。
長い間、感情や暴力や罪を請け負い続けた結果「これだけ本人の本音を持っているなら、自分の方が本物なのではないか」と感じるようになった可能性もあります。

だから第一審時点で重要なのは、どちらが本物かを決めることではないのかもしれません。

むしろ、

なぜ二人に分かれたのか
何を分担しているのか
どちらが罪を生み、どちらが実行したのか
どちらが相手を消そうとしているのか

を考える方が重要に見えます。

「二重人格だから別人」で済ませていいのか

ミコトを考える上で難しいのが、罪の責任です。

仮に荒い側が実際に人を殴ったとしても、穏やかな側が全く無関係とは限りません。
逆に、穏やかな側に記憶がなく、本当に自分の知らない時間に別の人格が行動していたのなら「同じ身体だから」という理由だけで同じ責任を負わせることにも迷います。

MILGRAMは、単に「誰が犯人だったか」を当てるだけではなく、どこまでを一人の人間の責任として考えるかまで問いかけているように感じました。

第一審の投票結果

ミコトの第一審投票結果は、かなり大きく「赦さない」へ傾きました。

判定得票率
赦す31.57%
赦さない68.43%

結果は「赦さない」です。

映像では実際に激しい暴力が描かれているため、この時点では「誰がやったのか分からない」という本人の主張より、目の前にある行為を重く見た人が多かったのかもしれません。

私の第一審判断は「赦さない」

第一審での私の判断は「赦さない」です。

映像では、荒いミコトが明確に暴力を振るっています。
ただ、私が最終的に「赦さない」と判断した理由は、それだけではありません。

何度か見返すうちに、普段の穏やかなミコトの言葉や表情が、次第に白々しく見えてきました。

本当に何も知らないのではなく「何が起きたのかは分かっている。でも、それをしたのは自分ではない」と考えているのではないか。
そして、だからこそ自分だけは裁かれる側ではないと思っているのではないか。

特に、穏やかなミコトが「赦す側」に立つような態度を見せることには違和感があります。
もし荒いミコトが、穏やかなミコト自身の怒りや衝動を引き受けていたのだとすれば、完全に無関係とは言い切れません。

さらに「かわりばんこ」「はんぶんこ」という構造を考えると、二人は身体だけでなく、感情や責任まで分け合っている可能性があります。
その状態で、片方だけが「自分には関係ない」と責任から降りるのであれば、私は第一審では赦せません。

もちろん第二審以降で、実際にどこまで記憶や意思を共有していたのかが分かれば、判断は変わる可能性があります。

でも第一審時点では「知らない」のではなく、「自分の罪ではないことにしている」可能性を強く感じたため、「赦さない」と判断します。

第一審時点で残った疑問

一番大きな疑問は、どちらのミコトが先に存在していたのかです。

荒いミコトは本当に別人格として後から生まれたのか。
それとも彼の方が先に存在し、穏やかなミコトが後から表側を奪ったのか。
「MeMe」の二つのMeは何を分担しているのか。
穏やかな側は本当に罪を知らないのか。
タロットは誰が誰を占っているのか。
水没した待合室は実在の場所なのか。
最後に壊したのは鏡なのか、カメラなのか。
そして、死神が示す「終わり」は、誰の終わりなのか。

第一審だけで見えているのは、人を殴るミコト。
しかし本当に難しいのは、その身体の中で誰が何を望み、誰が誰に罪を負わせているのかなのだと思います。

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更新

2026年9月:第一審「MeMe」初見・再視聴時点の感想と考察を作成。
第二審以降の情報は使用していません。

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