『MILGRAM』ムウ「アフターペイン」第一審 感想・考察|いじめの被害者であり加害者でもある?

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『MILGRAM -ミルグラム-』囚人番号004、ムウ/楠 夢羽の第一審楽曲「アフターペイン」。

第一印象では、ムウはいじめられていた被害者に見えます。
公式も第一審MVについて、学校を舞台にムウが同級生からいじめに遭っている姿が描かれていると紹介しています。

ただ、細かく見ていくと単純な「いじめられたから相手を刺した」という話ではなさそうです。

もともとの仲良しグループらしき4人、プレゼント、矛盾して見える黒板の悪口、刺された一人だけはっきり見える顔、事件後らしき描写。そしてタイトルの「アフターペイン」。

第一審だけでも、ムウは被害者と加害者の両方を抱えた人物に見えてきました。

※この記事では第二審以降の情報を使用していません。

「アフターペイン」の基本情報

囚人番号: 004
名前: 楠 夢羽
通称: ムウ
CV: 香里有佐
第一審楽曲: アフターペイン
MV公開: 2020年10月17日
第一審投票結果: 赦す 50.34%/赦さない 49.66%

公式の第一審結果では、わずかな差で「赦す」が上回っています。

第一印象は「いじめられていた子」

MVでは、ムウが同級生からいじめられている様子が描かれます。

直接ムウをいじめているように見えるのは二人。
その後、別の一人がトイレの個室らしき場所から出てきます。
ムウはその子を追いかけ、何かを伝えたあと、最終的に彼女を刺しているように見えました。

ここでまず気になったのが、刺した相手は、目の前でムウをいじめていた二人とは別人に見えることです。

つまり「いじめてきた相手へその場で復讐した」という単純な構図ではありません。

もともとは4人の仲良しグループだった?

MVには、ムウを含む4人で写っているような写真があります。

また、ムウが手を伸ばす先にも4人組らしい姿があり、チャットアプリにも4人のグループが表示されます。
そのため、ムウと残り3人はもともと同じ仲良しグループだった可能性が高そうです。

直接いじめる二人。
そして、トイレから出てきて、最終的にムウに刺される一人。

同じ4人組の中で、途中から力関係が崩れたのではないでしょうか。

4人グループなのに「既読4」?

チャット画面でも一つ不自然な点があります。
表示上は4人のグループに見えるのに、ムウが送ったメッセージには「既読4」と表示されているように見えます。
一般的なLINE型の表示であれば、送信者本人を除いた人数が既読数になるため、4人グループなら最大は通常3人です。
MV内に脱退表示なども見当たらず、写真や他の場面でも4人組として描かれているため、単純には説明しにくい部分です。

本来は5人いたのか、心象風景として現実とは異なる表示になっているのか、それとも意図的に不自然な数字を置いているのか。

第一審時点では答えを出せませんが、後から確認したいポイントとして残しておきます。

ムウは物を渡して人間関係を作っていた?

ムウは、グループ内の誰かにリップのような物を渡しているように見えます。
最初は単なる友達同士のプレゼントにも見えました。

しかし、公式プロフィールでムウは裕福な家庭を想像させる人物として紹介され、プライドが高く、思ったことをはっき
言う一面もあります。

ここから、ムウは物を渡すことでグループ内の立場を維持していたのではないかという可能性を考えました。

何かを与える。
相手が自分の側にいる。
自分はグループ内で価値のある人間だと思える。

そんな関係だったのでしょうか。

友達ではなく「利用されていた」?

さらに考えると、周囲もそれを分かったうえでムウから物を受け取っていた可能性があります。
ムウ本人も、本当の意味で好かれているわけではないと薄々分かっていた。

それでも、物を渡している間は関係が続いていた。
しかし、何かをきっかけにそれができなくなり、周囲から「もう価値がない」と判断され、捨てられたのではないか。

そう考えると、ムウの痛みは単なるいじめだけではありません。
自分を友達だと思っていた人たちは、実は自分ではなく、自分が与えられるものを見ていた。

それを知ってしまったのだとしたら、歌詞にある「聞いてしまった」「知ってしまった」という方向の感情ともつながります。

「親の七光り」と「貧乏人」が矛盾している

黒板の悪口もかなり気になります。

冒頭では「親の七光り」を連想させる言葉があり、ムウは親の力や裕福さを背景に偉そうにしている人物として攻撃されているように見えます。
しかし終盤の掲示には、逆に「貧乏人」のような意味の悪口もあります。

普通に考えれば矛盾しています。

そのため、

  • 本当に家庭の経済状況が変わった
  • 親の立場に何か起きた
  • ムウが以前のように物を渡せなくなった
  • 周囲は内容の整合性など関係なく、ムウを傷つけるために何でも書いている

など、複数の可能性があります。

もしムウが物を与えることで立場を作っていたなら「親の七光り」から「貧乏人」への変化は、ムウの価値が失われたと周囲から判断された過程なのかもしれません。

冒頭の黒板は「事件後」では?

さらに重要なのが、黒板に書かれている内容です。

冒頭からすでに「犯罪者」「少年院に行ってほしい」「死ね」といった、単なる悪口を超えた内容があります。
血のついた刃物を思わせる絵や、自傷を煽るような絵まで描かれています。
もしまだムウが何も事件を起こしていない時点なら「犯罪者」「少年院」という言葉が出るのは不自然です。

そのため、MV冒頭は時系列上の「最初」ではなく、ムウが誰かを刺したあとの場面なのではないかと考えました。

MVは事件後→過去→事件後の構成?

この読みなら、MVの構成もかなり整理できます。
まず、刺傷事件後のムウが学校で「犯罪者」として攻撃されている。

そこから過去へ戻り、4人組だった頃や関係が壊れた経緯、いじめられるようになった背景を見せる。
そしてムウが一人を刺す場面へ到達し、最後に再び事件後へ戻る。

つまり、

事件後
→ 事件前の人間関係
→ 刺傷事件
→ 再び事件後

という構造です。

公式が「悲痛な環境の『背景』と、その中でムウが出した『解答』に注目」と紹介していることを考えても、単純な一本道ではなく、現在の状況から「なぜこうなったのか」を辿る作りなのかもしれません。

もうひとつ。
もしムウが以前からグループ内で強い立場にいて、誰かを傷つけていたのだとすれば、黒板の悪意がMVの最初からかなり強いことにも別の説明ができます。
ムウは何もしていない状態から突然嫌われたのではなく、以前から周囲に反感を持たれていた可能性があります。

最後の掲示板はさらに酷くなっている

終盤の掲示には、自殺方法をほのめかすような絵まであります。

さらに「いつも楽しませてくれてありがとう」「花をプレゼントしておいた」というような、ムウの死を娯楽として扱っているようにも見える内容があります。

教室の机には、一輪の花が差された瓶も置かれています。
最初は「刺された子への供花なのでは」と考えました。

しかし、ムウへの攻撃と考えるなら、これは生きているムウを死者扱いする“葬式ごっこ”のようないじめにも見えます。
「死ね」と言うだけでなく、実際にムウが死ぬことを期待し、面白がっている。

そうだとすれば、事件後のいじめはかなり深刻です。

首元のグレーの描写は自傷を示している?

終盤のムウは、首元がグレーでもやがかかったように描かれています。

ここも気になりました。

単なる映像表現かもしれませんが、黒板に自傷や自殺をほのめかす内容があること、歌詞にも自己破壊を連想させる箇所があることを合わせると、ムウ自身が首を傷つけることを考えていた、あるいは自死を考えるほど追い詰められていた可能性も浮かびます。

ただし、第一審だけで「ムウが首を切って自殺した」とまでは判断できません。

もう一つの可能性

ムウが、いじめっ子だった場合。
冒頭の黒板にはムウの名前が明確にあります。
一方、終盤の黒板には名前が見当たりません。

もし後者がムウではなく別の少女、虐めていた相手へのものなら、MVは「ムウがいじめられた場面」と「ムウ側が誰かをいじめていた場面」を並べている可能性があります。

刺された子だけ、なぜ顔が見える?

一番気になるのが、ムウに刺された少女です。
直接いじめている二人は、個人性がはっきりしない描かれ方をしているのに、刺された子だけは顔がきちんと描かれています。

つまり、ムウにとって彼女はほかの二人とは違う、特別に重要な人物だった可能性があります。
もともと一番仲が良かった。
ムウが最も信頼していた。
物を渡す関係とは別に「この子だけは本当の友達だ」と思っていた。

そんな相手だったのでしょうか。

「あなたまで私を捨てるの?」だった?

もし直接いじめていたのが別の二人なら、ムウが刺された子を追いかける理由は「いじめられたから復讐した」だけでは説明しにくいです。

むしろ、

あなたは助けてくれると思った
あなたまでそっち側に行くの?
私はこんなにしてあげたのに
あなたも私を捨てるの?

という、裏切りへの反応だった可能性があります。

Voice Trailerでムウから感じた「あなたが悪い。私にひどいことをするから」という感覚も、この子へ向けたものだったと考えると意味が変わります。

“ひどいこと”とは直接殴ったり嫌がらせをしたことではなく、ムウを選ばなかったこと、見捨てたことだったのかもしれません。

ムウ自身も矛盾している

ムウは、かなり矛盾を抱えた人物に見えます。

公式プロフィールでは、思ったことをはっきり言うタイプとされる一方、衝突すると涙ぐんだり弱音を吐いたりする面もあります。

つまり、自分が強い立場にいるときは相手へ強く出る。
しかし、自分が責められる側になると急激に弱くなる。
そうだとすれば、ムウ自身にもグループ崩壊の原因があった可能性はあります。

自分にも悪いところがあったかもしれない。
でも、何が悪かったのかまでは理解できていない。

第一審のムウは、そんな人物にも見えました。

刺された少女は、以前ムウがいじめていた相手?

もう一つ考えられるのが、最後にムウが刺した少女こそ、以前は4人組の中でいじめられる側だった可能性です。

ムウがグループ内で強い立場にいた時期には、ほかの二人とともに彼女を標的にしていた。
しかし、物や金銭、家庭の立場など何らかの条件が変わったことで、今度はムウ自身がいじめられる側へ回ったのではないでしょうか。

そう考えると、直接ムウをいじめていた二人ではなく、その少女をムウが追いかけて刺した理由も変わって見えます。

ムウは「どうして助けてくれないの」と感じていたのかもしれません。
しかし少女の側からすれば、以前自分を傷つけていたムウを助ける理由がなかった可能性もあります。

第一審だけでは、ムウが以前いじめる側だったと確認できる描写はありません。
そのため仮説に留まりますが、被害者と加害者の立場が途中で反転したと考えると、MV内の矛盾した描写がいくつかつながります。

歌詞では「誰が消える側なのか」が曖昧?

2番のあとにあるラップ調のパートも気になります。
歌詞には、刺傷と同時に、自傷・自死・遺書を連想させる内容が近い位置で並びます。

MVではムウが少女を刺しているため、まずはその事件との対応を考えました。
しかし歌詞だけを追うと「消える側」が誰なのかは一意に決めにくいように感じます。
刺された相手の死を示している可能性もある。

一方で、ムウ自身が自分を消したいほど追い詰められていて、遺書に誰かの名前を書くような発想をしている可能性もあります。

ここは歌詞をそのまま転載せず、意味だけを追いながら今後も考えたい部分です。

「アフターペイン」は“後の痛み”

タイトルの「afterpain」は、原因となる出来事から遅れて現れる痛みという意味があります。
また、医学的には出産後の子宮収縮による後陣痛を指す語としても使われます。

もちろん、公式が後陣痛の意味を意図してこのタイトルを付けたとは限りません。

ただ、「終わったと思ったあとに、まだ痛みが来る」という言葉の性質は、ムウのMVとかなり重なります。

いじめられた痛み。
関係が壊れた痛み。
信じていた相手から見捨てられた痛み。
自分が誰かを刺したあとの痛み。
事件が終わったあとにも、痛みだけが残り続ける。

「アフターペイン」は、そんな事件後に残る痛みを表しているのではないでしょうか。

そしてもし以前ムウが誰かへ与えた痛みが、立場の反転によって後から自分へ返ってきたのだとすれば「アフターペイン」は“自分が与えた痛みが後になって戻ってくる”という意味まで含んでいるのかもしれません。

痛みは繰り返されている?

MVの冒頭と終盤には、どちらにも刃物を思わせるモチーフがあります。
そのため最初は「同じような事件を何度も繰り返しているのでは」とも考えました。
ただ、冒頭を刺傷事件後の場面と考えるなら、同じ一件の事件をMVの両端から見せている可能性もあります。

一方で、被害を受けた人が今度は誰かを傷つけ、その結果としてまた別の痛みが生まれるという意味では、被害と加害の循環自体はこのMVに存在しているように思います。

ムウは傷つけられた被害者です。
しかし、その痛みを理由に別の誰かを刺した加害者でもあります。

この両方を同時に持っていることが、ムウ第一審の一番難しいところでした。

第一審時点で考えるムウの罪

現時点では、次のような流れを考えています。
ムウはもともと4人組の中にいて、物を渡すことや自分の立場を使って人間関係を維持していた。
周囲もムウ本人より、彼女から得られるものを目的に関係を続けていた可能性がある。
何らかの理由でその関係が崩れ、ムウは今度はいじめられる側へ回る。

直接攻撃してくる二人とは別に、最も信頼していた一人まで自分を選ばなかった。
その裏切りに耐えられず、ムウは彼女を刺す。
事件後、今度は「犯罪者」としてさらに集団から攻撃され、自死を煽られるほど追い詰められる。

あくまで第一審時点での仮説ですが、今のところはこの流れが最も映像や歌詞とつながるように感じています。

第一審で私は「赦さない」

ムウについてはかなり迷いました。
いじめそのものには反対です。
集団で人を追い詰め、自傷や自死まで煽るような攻撃が正当化されるとは思いません。

ムウが受けていた被害には強く同情します。
ただ、それとは別に、ムウ自身にも人間関係を壊した原因があった可能性があります。
歌詞や人物像からは、「自分にも悪いところがあるかもしれない」と感じながら、何が悪かったのかまでは理解できていないように見えました。

そして最後には、相手を刺しています。
被害を受けていたことと、その後に自分が加害を選んだことは別に考えたい。

そのため第一審時点では、私は「赦さない」を選びます。

実際の第一審投票結果

公式の第一審投票では、

選択割合
赦す50.34%
赦さない49.66%

結果は「赦す」でした。

ほとんど五分五分です。

自分の判断は公式結果とは逆になりましたが、この僅差を見ると、第一審だけではそれだけ判断が難しい人物だったことも分かります。

Voice Trailerとのつながり

第一審前のVoice Trailerでは、ムウについて、どこかふわっとしていて状況を掴み切れていない印象を持ちました。

一方、後ろの声からは、「あなたが悪い。私にひどいことをするから」という責任の向け方を感じました。

「アフターペイン」を見たあとでは、この言葉はかなり重要に思えます。
ムウは自分がされたことには強く傷つく。
しかし、自分が相手へ何をしていたのか、なぜ関係が壊れたのかについては、まだ十分に理解できていないのかもしれません。

▶ 第一審前Character Voice Trailer感想・考察

第一審時点でまだ分からないこと

第一審だけでは、4人組の関係がなぜ壊れたのか、ムウが最初に何をしたのか、物を渡す行為がどんな意味を持っていたのか、刺された少女がムウにとってどんな存在だったのかは分かりません。

また、4人グループなのに既読4と表示される理由、冒頭と終盤の時系列、首元のグレーの描写、黒板の悪口がどの時点のものなのかも保留です。

第二審以降で答えが見えても、この第一審記事では、この時点でムウを「被害者であり、同時に加害者でもある人物」と読んだことを残しておきます。

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更新

2026年9月:第一審「アフターペイン」初見視聴時点の感想・考察を作成。
第二審以降の情報は使用せず、第一審時点での仮説と審判を記録しています。

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