『MILGRAM』ハルカ「弱肉共食」第一審 感想・考察|愛される弱者になりたかった?

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『MILGRAM -ミルグラム-』囚人番号001、ハルカ/櫻井 遥の第一審楽曲「弱肉共食」。

子どもの絵のような世界、妙に生々しく見える犬、顔の見えない母親と少女、森で石を振り下ろすハルカ。そして、幼い自分と成長した自分。
初見では「何が起きたのか」以上に、ハルカの中にある愛されたいという強い欲求が気になりました。

この記事では、第二審以降の情報を使わず、第一審「弱肉共食」を見た時点で感じたことだけをまとめています。

「弱肉共食」の基本情報

囚人番号: 001
名前: 櫻井 遥
通称: ハルカ
CV: 堀江 瞬
第一審楽曲: 弱肉共食
MV公開: 2020年6月13日
第一審投票結果: 赦す 58.33%/赦さない 41.67%

公式プロフィールでは、ハルカは伏し目がちで物静かな青年として紹介されています。
最初はエスとの会話も成立しにくいものの、面会を重ねることで本来の優しい気質が見えてくる一方、他人とのコミュニケーションにはどこかズレがある人物です。

第一印象は「怖い」より「不気味」

MVを見て最初に感じたのは、怖いというより不気味でした。
全体は、子どもが描いた絵やコラージュのような質感です。
その中で、犬だけが妙に実写的、生々しく見えるのが気になりました。

単なる映像表現なのか、それともハルカの中で犬だけが特に現実味の強い記憶なのか。第一審だけでは判断できませんが、あえて周囲と異なる質感に見せているように感じます。

ハルカは「自分だけ違う」と感じていた?

歌詞を追っていて強く残ったのが、ハルカ自身が「自分は最初から他人と同じ条件ではない」と感じているように見えることでした。

「スタートラインが違う」「誰でもできることを自分もできたらいい」「自分はハズレだ」という方向の言葉が重なっています。
トレイラーの言葉からも、意味を想像したり、意図を察することは苦手のように感じます。

第一審だけでは、それが具体的に何を意味するのかは分かりません。
何らかの特性や不得意さを抱えていたのかもしれないし、本人が周囲との違いを過剰に意識していただけなのかもしれません。

ただ、少なくともハルカ自身は「みんなが普通にできることを、自分はできない」と感じていたように見えます。
その感覚が、自分は価値の低い存在なのだという自己評価につながっていたのでしょうか。

母親に愛されたかった?

そこから気になったのが、母親との関係です。

ハルカは、自分の「できなさ」に気づかれたことで、母親から愛されなくなった、あるいは見放されたと感じていたのではないでしょうか。

ただし、ここでいう「捨てられた」は、物理的に捨てられたとは限りません。
期待されなくなった、愛情を向けてもらえなくなった、別の誰かへ関心が移ったなど、精神的な距離をハルカ自身が「捨てられた」と受け取っていた可能性もあります。

MVでは母親らしき人物の顔がはっきり見えません。
少女の顔も同様です。

個人を特定させないための演出かもしれませんが、ハルカにとって彼女たちが「一人の人間」というより、母親=愛してほしい相手、少女=自分とつながっていた相手という役割として記憶されているようにも見えました。

少女とは仲が良かった?

少女とは手をつないでいる場面があります。

そのため、少なくともハルカにとって距離の近い人物だったのではないかと思いました。

友人なのか、家族なのか、それ以外の関係なのかは分かりません。ただ、ハルカの愛情や罪を考えるうえで重要な人物である可能性は高そうです。

母親も少女も顔が見えないという共通点があるのも気になります。

もしこの少女が母親からハルカ以上に愛情を向けられていた存在だったなら、ハルカの「自分はハズレ」という認識や、愛される存在への羨望にもつながるのではないでしょうか。
さらに、母親がハルカとは異なる「理想の子ども像」を求めていた可能性まで考えられますが、第一審時点では少女の正体も母親との関係も分からないため、記載だけしておきます。

犬は「愛される弱者」だった?

犬について考えているうちに、一つの可能性が浮かびました。

ハルカは、犬を羨んでいたのではないでしょうか。
ペットは人間より弱く、自分だけでは生きにくい存在です。それでも飼い主から世話をされ、守られ、愛されます。

ハルカが「自分は普通の人のようにできないから愛されない」と感じていたのなら、何もできなくても愛されている犬は、彼にとって非常に眩しい存在だったかもしれません。

ここで、「弱いから愛される」ではなく「愛されるために弱者になりたい」というハルカの感覚が見えてきます。
自分も、犬のように何もできなくても愛される存在になりたかったのではないか。
そう考えると、犬の存在がかなり重要に見えてきます。

「愛される弱者になりたかった」の意味

ハルカの第一審を見ていて、現時点で最も重要だと感じたのがこの部分です。

普通なら、弱いから守られる、弱いから愛されるという順番になります。
しかしハルカの場合は、愛されたいから弱者になりたいという順番なのかもしれません。
つまり彼は「ありのままの自分が愛される」とは思えていなかった。

愛されるためには何らかの条件を満たさなければならない。
普通の人のようにできるか、あるいは逆に、守られるほど弱い存在にならなければならない。

そんな歪んだ認識を抱えていたように見えます。

カラフルなぐるぐる模様が「目」に変わる?

もう一つ気になったのが、MVの中に描かれているカラフルなぐるぐる模様です。

最初は単なる子どもの落書きや、ハルカの内面を表現する抽象的な模様のように見えました。
しかし途中から、この模様が「目」や「視線」のようにも見えてきます。

もし意図的な演出なら、ハルカは誰かから見られることを強く意識していたのでしょうか。

自分だけ普通にできない。自分は「ハズレ」だ。
そう感じていた人にとって、他人から向けられる視線は、自分の欠点を見抜かれるものだった可能性があります。
母親や周囲の評価を常に気にしていたのかもしれません。

さらに考えるなら、単なる心理的な「視線」ではなく、実際に行動を監視されていた可能性も残ります。
ただし第一審だけでは、これが単なるデザインなのか、他人の目を恐れる心理表現なのか、物理的な監視を示しているのかは判断できません。

現時点では、ハルカは誰かに見られること、評価されることを強く意識していたのではないかという疑問として残しておきます。

森で石を使って何かを潰している?

かなり直接的に気になったのが、森のような場所でハルカが石を振り下ろしている場面です。
何かを潰している、あるいは殺しているように見えます。

ただし、対象が何なのかは分かりません。
犬なのか、母親なのか、少女なのか。
それとも、MVにははっきり描かれていない別の何かなのか。

第一審の段階では保留です。

石を振り下ろすハルカは「楽しそう」ではない

その場面のハルカは、怒りに任せているというより、必死で悲しそうに見えました。
少なくとも私には、殺すことそのものを楽しんでいる人物には見えません。

もし実際の殺害に対応した場面だったとしても「憎いから殺した」「楽しいから殺した」という単純なものではなく、もっと切迫した事情や感情があったのではないでしょうか。

愛されたい。
でも愛されない。
自分より愛されている存在がいる。

そうした感情が歪み、何らかの行動へつながった可能性を考えました。

犬を殺した可能性

もし犬がハルカにとって「何もしなくても愛される存在」だったなら、その犬を羨み、傷つけた可能性もあります。
愛される存在をなくせば、自分へ愛情が向くと思ったのかもしれない。

あるいは、自分が決してなれない「愛される弱者」が目の前にいること自体に耐えられなかったのかもしれません。
ただし、これはあくまで仮説です。

石で潰した対象が犬だという確証はありません。

母親や少女が被害者だった可能性もある

母親や少女も候補からは外せません。

母親は最も愛してほしかった相手。少女は手をつなぐほど親しかったように見える存在です。
だからこそ、最も愛してほしい相手、あるいは自分を愛してくれた相手を傷つけてしまった可能性も考えられます。

第一審だけでは対象を特定できないため、ここも今後の情報待ちです。

ハルカは「罪だと認めてほしい」のか?

石の場面とは別に、ハルカ本人が自分の行為をどう理解しているのかも気になります。

後悔しているのでしょうか。
それとも、自分のしたことを誰かに「罪だ」と説明してほしいのでしょうか。

第一審前のCharacter Voice Trailerでは、ハルカの後ろの声か、「どうすればよかったのか分からない」「自分にも分かるように説明してほしい」という混乱を感じました。

その印象と「弱肉共食」を合わせると、ハルカは自分で善悪や正解を判断することが苦手で、誰かから「それは悪いことだった」と意味づけしてもらうことを求めているようにも見えます。

子どもの自分を突き放している?

MVでは、幼いハルカと成長したハルカが同時に存在するような場面があります。
そこで、成長したハルカが子どもの頃の自分を突き放しているように見えました。
もしそうなら、幼い自分を「今の自分には必要のないもの」と感じているのでしょうか。

あるいは、愛されるために弱者でいようとした過去の自分そのものを否定しているのかもしれません。

水に沈んでいくのは何を意味する?

ハルカが水へ沈んでいく場面もあります。
最初は入水自殺を連想しました。

ただし、MILGRAMのMVがそのまま現実の出来事を再現しているとは限りません。
そのため、「水に沈む=現実で自殺した」と断定することはできません。

過去の自分を消す、自分自身を殺す、記憶を沈める、罪悪感に沈むなど、心象風景として考えることもできます。

ハルカが殺しているのは「自分自身」?

特に気になったのが、成長したハルカが自分自身を殺しているようにも見えることです。
その後、ハルカは笑っているようにも見えます。

もしこれが現実の殺人そのものではなく心象風景なら、彼が殺しているのは「弱かった昔の自分」なのかもしれません。

ここでタイトルの「弱肉共食」が気になります。
普通なら「弱肉強食」ですが、この曲は「共食」です。
同じもの同士が食い合う言葉です。

現実では誰かの死に関わっている一方、心象世界では、ハルカ自身がハルカ自身を壊しているという二重構造になっている可能性もあります。

「弱肉共食」というタイトルをどう読む?

現時点では、「弱い者と強い者の争い」というより、似た存在同士が互いを傷つけることを表しているように感じています。

子どものハルカと成長したハルカ。
愛されたい自分と、その自分を嫌う自分。
愛される弱者と、愛されない弱者。

「弱い側」と一括りにされるものの中でも、誰が愛され、誰が捨てられるのか。
そうした関係を「共食」と表現しているのかもしれません。

「アンダーカバー」の“愛が欲しい”ともつながる?

エス「アンダーカバー」を見た時点で、ハルカに対応している部分には、愛を求めるようなニュアンスを感じていました。

「弱肉共食」を見たあとでは、その印象がさらに強くなります。
ハルカの罪の中心にあるのは、悪意よりも先に、愛されたいという強い欠乏なのではないでしょうか。
もちろん、「愛が欲しかったから殺した」とまではまだ言えません。

愛情への欠乏、他者への羨望、自分には価値がないという認識。
その積み重ねが何らかの行為へつながった可能性がある、という段階です。

第一審時点で考えるハルカの罪

第一審だけを見た現時点では、次のような流れを想像しています。

ハルカは幼い頃から、自分は他人と同じようにできないと感じていた。そのため「自分はハズレだ」という認識を持ち、母親から愛されなくなった、あるいは見放されたと思うようになった。

一方で、自分より弱くても愛されている存在を目にし「自分も愛される弱者になりたい」と願うようになった。
その愛情への欠乏や羨望が歪んだ結果、何かを傷つける行動につながり、誰かの死に関わった。

しかし本人は、今でも「自分はどうすればよかったのか」を完全には理解できていない。

今のところ、そんな人物像を想像しています。

第一審で私は「赦す」

第一審だけを見た段階で、私の判断は「赦す」です。

石で何かを潰しているように見える以上、重大な行為に関わった可能性は高いと思います。
それでも第一審のハルカからは、「誰かを傷つけたい」という悪意より、愛されたかったという欠乏の方を強く感じました。

他人と同じことができない。
自分はハズレだと思っている。
母親に愛してほしい。
愛される存在が羨ましい。
そして、自分がどうすればよかったのか分からない。

その結果として起きた行為を肯定するわけではありません。

ですが、第一審時点でハルカが抱えていたものを考えた結果、私は「赦す」を選びます。

実際の第一審投票結果

ハルカ第一審の公式結果は、

選択割合
赦す58.33%
赦さない41.67%

結果は「赦す」でした。

自分の初見判断は、第一審当時の多数側と同じ結果になりました。
ただし、この記事では結果を見て判断を合わせたのではなく、MVを見た時点での感想と判断を先に残しています。

Voice Trailerとのつながり

第一審前のCharacter Voice Trailerでは、ハルカについて「どうすればよかったのか分からない」「自分にも分かるように説明してほしい」という印象を受けました。

「弱肉共食」を見たあとでは、かなりつながって見えます。

ハルカは「悪いことだと理解したうえで行った」というより、自分にとって何が正しいのかを理解できず、誰かに答えを教えてほしがっている人物なのかもしれません。

▶ 第一審前Character Voice Trailer感想・考察

「アンダーカバー」とのつながり

「アンダーカバー」のハルカ部分では、愛を求めるようなニュアンスを感じていました。

第一審を見たあとでは、その「愛が欲しい」という読みが、ハルカの人物像や罪の理由とかなりつながって見えます。

▶ 「アンダーカバー」のUNDER後は囚人10人の罪のヒント?

第一審時点でまだ分からないこと

第一審を見終えた段階でも、分からないことはかなり残っています。

  • 石で潰したものは何だったのか。
  • 犬は実際に飼われていたのか。
  • 少女は誰なのか。
  • 母親との間で何が起きたのか。
  • カラフルな模様が「目」に見える演出は何を意味するのか。
  • 水に沈む場面は何なのか。
  • 子どもの自分を突き放す場面は何を表しているのか。

そして、現実では誰の死に関わったのか。

今後答えが判明しても、この第一審記事には後から正解だけを上書きせず、この時点で何を見て、どう考えて、どう判断したのかを残しておきたいと思います。

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更新

2026年9月:第一審「弱肉共食」初見視聴時点の感想・考察を作成。
第二審以降の情報はこの記事の初見判断には反映せず、各審の記事で別途扱います。

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