『MILGRAM -ミルグラム-』第二審開始通達。
第一審で10人の囚人を「赦す/赦さない」と判定したあと、エスは眠りにつきます。
しかし、その間も監獄の時間は止まっていません。
第二審開始通達では、エスが眠っていた間に囚人たちへ何が起きたのか、そして第一審の判定がそれぞれの思想や人間関係へどのように影響したのかが、ジャッカロープから説明されます。
公式によると、本動画は2022年8月4日に公開され、第一審終了後の囚人たちやMILGRAMの変化を語る内容です。
ここで分かるのは、MILGRAMの「赦す/赦さない」は単なる投票結果ではないということ。
判定は実際に囚人へ処置として反映され、その後の行動まで変えていました。
- 第一審の判定によって、MILGRAMは囚人へ処置を行った
- 第一審後、10人の囚人に何が起きた?
- 囚人同士の暴力自体は珍しくない
- エスが目覚めている間は囚人同士の戦闘禁止
- 第一審と第二審では、判断条件が違う
- MILGRAMは「正解」を求めているのではない?
- 第一審・第二審・第三審で、判断は段階的に難しくなる?
- まとめ|第一審の判定は、すでに監獄を変えていた
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第一審の判定によって、MILGRAMは囚人へ処置を行った
第二審開始通達でまず説明されるのが、第一審終了後に行われた処置です。
大まかには、赦す→ 思想の自由、赦さない→ 思想の否定+第一段階の身体的拘束というもの。
分かりやすく言えば、第一審終了から第二審開始までの間、赦された囚人は比較的自由に過ごし、赦されなかった囚人は窮屈な状態で過ごしていたことになります。
なぜ思想へ介入するのか
ジャッカロープによると、囚人たちは「人殺し」です。
しかし単純に殺人という行為だけを見るのではなく、その人物が持つ思想や環境、生き方の行き着いた先として殺人が起こったと考えられているようです。
だからMILGRAMは、その思想を肯定したり否定したりする。
そして囚人がどう変化するかを見ることで、エスが下した判定が正しかったのかどうかを段階的に確かめていく。
第二審開始時点ですでに、MILGRAMは単なる裁判ではなく「判定によって人間を変化させ、その結果をもう一度見て判断する」という実験的な構造を持っていることが分かります。
さらに、変化するのはエスと囚人の関係だけではありません。
囚人同士の関係も、大きくこじれ始めていました。
第一審後、10人の囚人に何が起きた?
001 ハルカ|自己肯定感と被支配欲求が強まり、ムウとの依存関係へ
ハルカは第一審で「赦す」。
その結果、思想を肯定されます。
ジャッカロープによると、
- 自己肯定感が向上
- 被支配欲求も強くなる
- ムウとの依存関係が成立
という変化が起きています。
第一審で自分の行いを受け入れられたことで、本人もかなり調子に乗っているらしく、4番――ムウと親密に過ごしているようです。
ただの恋愛的な親密さではなく、支配されたいハルカと支配する側へ戻っていくムウが噛み合った関係。
この時点ですでに、二人の関係は危うく見えます。
002 ユノ|社会的コミュニケーションを放棄
ユノも第一審では「赦す」。
しかしその結果、むしろ社会的なコミュニケーションを放棄する方向へ変化しています。
MILGRAMそのものに対しても、かなり冷めた態度。
ジャッカロープは、これが本来のユノなのではないかと考えているようです。
ドライ。合理的。即物的。リアリスト。
第一審で見せていた明るさや愛想の良さは、社会に適応するための顔だった可能性もあります。
赦されたことで、その「合わせる必要」がなくなったのかもしれません。
003 フータ|思想否定とコトコの私刑で心身ともに消耗
フータは第一審で「赦さない」。
そのため思想を否定され、強い不安感に苛まれています。
さらに、それだけではありません。
第一審で赦されたコトコが、フータを襲撃しました。
ジャッカロープ曰く、完全な「私刑」です。
カズイが守ったことで命は助かった
ただし、フータは命を落としませんでした。
カズイが第一審で赦され、身体的自由を確保していたため、コトコの襲撃からフータを守ったからです。
その結果、
- 命に別状なし
- ただし心身ともにボロボロ
という状態。
ここですでに、誰を赦したかが別の囚人の生死に直接影響しています。
第一審の判定は、一人だけで完結するものではありませんでした。
004 ムウ|生来の気質が戻り、ハルカとの「需要と供給」が成立
ムウは第一審で「赦す」。
その結果、ジャッカロープ曰く、生来の気質を取り戻したとのこと。
その気質が、ハルカの被支配欲求と結びつきます。
関係性としては、女王と奴隷、需要と供給のようなもの。
つまり二人は、たまたま仲良くなったのではありません。
MILGRAMによってハルカの「支配されたい」が強まり、ムウの「支配する側」が戻った結果として成立した関係。
判定が二人の性格をそれぞれ別方向に強め、その結果として依存関係まで作り出している。
ここもMILGRAMの怖さを感じる部分です。
005 シドウ|「赦されたくない」のに赦され、他人を救う
シドウは第一審で「赦す」。
しかし本人は、そもそも赦されたくないと考えていました。
そのため、自分の存在そのものへ迷いが生じているようです。
一方で、赦されたことで身体的自由は確保されていました。
その自由を使って、シドウは医療行為を行います。
治療したのは、
- フータ
- マヒル
特にマヒルは、シドウがいなければ死亡していたとまで言われています。
生きたくないシドウが生きているから、他の囚人が生きている
ここにはちょっと皮肉な構図があります。
シドウ本人は、自分が赦されることも、生きることも望んでいない。
しかし、シドウが生きていて、自由に動けたからこそ救われた命がある。
自分の存在を否定したいのに、自分が存在することで他人が生き延びている。
シドウが混乱するのも当然です。
006 マヒル|存在意義を失い、コトコの襲撃で瀕死
マヒルは第一審で「赦さない」。
思想を否定されたことで、自分自身の存在意義を失ったように見えます。
かなり強い意気消沈状態。
さらにコトコから襲撃を受け、重傷を負いました。
シドウの治療がなければ、完全に死んでいた状態。
現在も危険で、これ以上何か起これば間違いなく死ぬと警告されます。
そしてジャッカロープは、その先を決めるのはエスだと突きつけます。
ここで、第二審の判定が単なる心理的な評価ではなく、本当に誰かの命を左右することが明確になります。
007 カズイ|表面上の変化はないが、フータを救った
カズイは第一審で「赦す」。
表面上、本人には大きな変化が見られません。
しかし、身体的自由を与えられていたことで、コトコの襲撃からフータを守りました。
結果として、カズイを赦したことが、フータの生存につながったことになります。
なぜマヒルではなくフータを守った?
ここでジャッカロープは、妙なことを言います。
なぜマヒルではなくフータを守ったのか。自分なら美人の方を守る、と。
もちろん単なるジャッカロープらしい下世話な冗談かもしれません。
ただ、わざわざ女性ではなく男性を守ったことへ触れているのは気になります。
現時点では意味のある伏線なのかどうか分かりませんが、カズイについて確認しておきたいポイントとして残しておきます。
008 アマネ|「虎の尾を踏んだ」
アマネは第一審で「赦さない」。
しかし、単純に弱ったわけではありません。
ジャッカロープは、虎の尾を踏んだのではないかと表現します。
さらに、もはやアマネではない、もっと大きな何かを引きずり出したというほどの状態。
思想を否定したことで、逆にアマネの中にあった何かを強く刺激してしまったようです。
シドウを完全に敵視
アマネは現在、シドウを完全に敵視しています。
ジャッカロープも理由についてある程度予想がついているようですが、止めさせるかどうかはエス次第だと話します。
考えられるのは、やはりシドウの医療行為。
アマネが持つ思想や教義と、人間が医療によって生命へ介入することが衝突している可能性があります。
第二審で確認したい大きなポイントです。
009 ミコト|MILGRAMの拘束が通用しない
ミコトは第一審で「赦さない」。
当然、思想否定と身体的拘束が行われるはずでした。
しかし、ここで異常事態が発生します。
MILGRAMによる拘束がミコトには完全には通用しませんでした。
その理由として、ジャッカロープは、ミコトが本物の多重人格者であると説明します。
MILGRAMが囚人として認識しているのは「主人格のミコト」だけ
MILGRAMが正式な囚人として連れてきたのは、あくまで主人格のミコト。
しかし、もう一つの人格については、MILGRAMが正規の囚人としてカウントできていません。
そのため、本来与えるべき制限を、もう一つの人格へ付与できない。
つまり、その人格だけがMILGRAM内部でほぼ治外法権の状態になっています。
ジャッカロープ自身も、長くMILGRAMをやっている中で初めての事態らしく、運営側もかなり混乱している様子。
今後のサービス改善の参考にする、という軽い言い方をしていますが、MILGRAMというシステムにも想定外の穴があることが分かる重要な情報です。
コトコと互角に戦い、無傷
コトコはミコトも襲撃しています。
しかしミコトは大立ち回りの末、コトコと互角に戦い、ほぼ無傷。
現在は暴れたことで少し落ち着いたのか、主人格が表へ戻っているように見えるとのこと。
第二審では、この二つの人格がどのような関係にあるのかがさらに重要になりそうです。
010 コトコ|エスの「代行者」として私刑を行った
コトコは第一審で「赦す」。
さらに第一審では、エスと共闘するような関係を結びました。
その結果、コトコは、エスが赦さなかった囚人を、自分が代わりに処罰するという行動へ出ます。
ジャッカロープ曰く、エスの代行者になったつもりらしい。
第一審で赦さなかった囚人を上から順番に襲撃
コトコが襲撃したのは、
- フータ
- マヒル
- ミコト
第一審でエスが赦さなかった囚人を、番号の上から順番に狙っています。
結果は、
- フータ→ カズイに守られ、軽傷で済む
- マヒル→ 重傷。シドウがいなければ死亡
- ミコト→ 互角の戦いとなり、引き分け
三連戦で消耗したためか、この期間は三人で限界だったようです。
「素敵なお仲間なことで」
ジャッカロープはかなり皮肉っぽく、素敵なお仲間ができたというような言い方をします。
第一審でコトコを赦した結果、エスの判定を現実の暴力として代行する囚人を作ってしまった。
これは完全に第一審の判定が生み出した結果です。
囚人同士の暴力自体は珍しくない
ジャッカロープによれば、MILGRAMではこれまでも囚人同士の争いそのものは珍しくなかったようです。
しかし、ここまで思想的で、ここまでアグレッシブな囚人は見たことがない。
コトコについては、そのように評価されます。
さらにミコトのような、システムの拘束そのものが通用しない例も初めて。
今回の10人は、引きが悪すぎる。あるいは良すぎる。そんな言い方までされています。
この言葉もちょっと気になります。
MILGRAM側から見れば、今回の囚人たちは「想定外が多くて面白い組み合わせ」なのかもしれません。
エスが目覚めている間は囚人同士の戦闘禁止
以上が、第一審終了後から第二審開始までに起きた出来事。
エスが目覚めてからは、囚人同士の戦闘は禁止されます。
つまり、少なくとも第二審判定中は大規模な争いを止める。
そして次に派手なことが起きるとすれば、第二審が終了したあと。
ジャッカロープは、そうなることを覚悟して判決を下せと警告します。
ここも実験的です。
判定する期間と判定結果を囚人へ反映し、変化を観察する期間が明確に分けられているように見えます。
第一審と第二審では、判断条件が違う
第二審開始通達の最後では、MILGRAMにおける判断基準についても改めて語られます。
何を基準にしても構わない。
第一審では、それをそのまま実行できました。
囚人たちについてまだよく知らない状態で、自分がどう感じたかを中心に判断できたからです。
しかし第二審では、条件が違います。
囚人への「思い入れ」が生まれている
第一審を終えたことで、
- 好きな囚人
- 苦手な囚人
- 可哀想だと思う囚人
- 怖い囚人
- 守りたい囚人
が生まれています。
さらに、この囚人を赦したら何が起きるか、赦さなければ誰に影響するかという損得まで見えてきました。
第一審ではなかった判断材料です。
そこでジャッカロープが問うのは、思い入れや損得が生まれた状態でも、それに流されず、自分自身の価値観で赦す/赦さないを決められるのか。ということ。
「罰は難しい。罪は難しい」
人を裁くことは簡単ではありません。
何が罪なのか。どこまで罰するべきなのか。背景を知れば知るほど、判断は難しくなる。ジャッカロープも、その難しさ自体は理解しています。
しかし、迷った先で何を決断するのか。
そこにこそ、MILGRAMが求めているものがあるようです。
MILGRAMは「正解」を求めているのではない?
第二審開始通達を見ると、MILGRAMが求めているのは、正しい判決を当てることではないように思えます。
第一審の判定で囚人を変化させる。
その変化によって人間関係も変わる。
誰かが傷つく。
誰かが救われる。
その結果をもう一度エスへ見せる。
そして、それでもお前は同じ基準で裁けるのかと問う。
思考実験に近い構造です。
第一審・第二審・第三審で、判断は段階的に難しくなる?
現時点で第二審を見る前ですが、第一審との違いはすでにはっきりしています。
第一審→ 情報が少ない状態で、主に直感や第一印象から判断する
第二審→ 囚人への思い入れ、人間関係、第一審判定の結果を知ったうえで判断する
第一審より明らかに条件が複雑です。
MILGRAMは、判断材料を段階的に増やしながら、人間の「赦す/赦さない」がどこまで変化するのかを見ているようにも思えます。
まとめ|第一審の判定は、すでに監獄を変えていた
第二審開始通達を見ると、第一審の「赦す/赦さない」は、その場限りの投票ではありませんでした。
ハルカとムウには依存関係が生まれた。
フータとマヒルはコトコに襲撃された。
カズイが自由だったからフータは救われた。
シドウが自由だったから、フータとマヒルは治療を受けられた。
アマネはシドウを敵視するようになった。
ミコトではMILGRAM自体の想定外が発生した。
そしてコトコは、エスの「赦さない」を自分の私刑として代行した。
すべてが第一審の判定と繋がっています。
第二審ではもう、この人の罪を赦せるかだけでは決められません。
自分がこの判定を出したら、その先で何が起こるのか。それまで考えてしまう。
しかしMILGRAMが求めているのは、まさにその状態での決断です。
思い入れがある。損得がある。結果責任がある。それでも、自分自身の価値観で「赦す/赦さない」を決められるのか。
第二審は、第一審よりずっと厄介な審になりそうです。
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更新
2022年8月4日公開の「第二審開始通達」までの情報で作成。第二審の各囚人MVや、その後の展開は本文の考察へ使用していません。
公式では、本動画は第一審終了後の囚人たちやMILGRAMの変化を扱うものとして公開されています。
