『MILGRAM』カズイ「Cat」第二審 感想・考察|“普通じゃない”自分と妻についた嘘

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『MILGRAM -ミルグラム-』囚人番号007、カズイ/椋原一威の第二審楽曲「Cat」。

第一審「half」では、カズイが妻らしき女性に何か大きな嘘をついていたこと、そしてその嘘が妻の死につながった可能性が見えていました。

ただし、何を隠していたのかははっきりしませんでした。
第二審「Cat」では、その空白が少しだけ埋まります。
カズイは自分を「普通ではない」と考えているように見える。
妻とは別に「好き」と言いたい誰かがいた可能性がある。
そして、夫としての自分を象徴するような指輪を外した瞬間、妻は苦しそうな表情を見せる。

一方で、妻を直接死なせる場面までは第二審でも描かれていません。

だから私は第二審時点では、まだカズイの罪を完全にはつかめませんでした。
結論から言えば、今回も「赦す」です。

理由はかなり単純で、まだ分からないことが多すぎるからです。

カズイ第二審「Cat」の基本情報

囚人番号007・カズイの第二審楽曲は「Cat」。MVは2023年7月27日に公開されました。
公式も、第一審より鮮明に描かれたMVから、罪の真相と理由を考察するよう案内しています。

第二審シングルには「Cat」のほか「ネオネオン」のカバー、Voice Drama「欺罔の轍」が収録されています。
「欺罔」は、人を欺くこと。

第一審から続くカズイの「嘘」が、第二審でも大きなテーマになっていることは間違いなさそうです。

妻とは本当に夫婦だった

第一審では妻との関係もどこか曖昧でしたが、第二審では二人の過去らしき場面が描かれます。

特に気になったのが、車内で二人が一緒にいる場面です。
張り込みや仕事中の待機にも見える雰囲気があり、二人はもともと仕事仲間だった可能性も考えました。
カズイが元刑事、あるいは捜査関係の仕事だったのかまでは第二審時点では断定できません。

ただ、二人の間には結婚以前から一定の信頼関係があったように見えます。

「愛していなかった妻」とは限らない

ここは重要です。
もしカズイに妻とは別の好きな相手がいたとしても、それだけで「妻をまったく愛していなかった」とは限りません。

仕事仲間として信頼していた。
家族として大切だった。
一緒に生きていきたいと思っていた。
でも、恋愛的な意味での「好き」が別の方向にあった。

この二つは両立する可能性があります。

そのため第二審のカズイを「愛していない女性と騙して結婚した男」と単純には整理したくありません。

被害者は妻、加害者はカズイ

第二審では、被害者側として妻の顔、加害者側としてカズイの顔が切り替わるような描写があります。

ここは明確です。

少なくともカズイ自身は、妻は自分によって傷つけられた、自分は加害した側だと認識しているように見えます。

第一審では妻が投身したように見える場面がありました。
もしその死が第二審で描かれた告白のあとに起きたのなら、カズイは「直接手を下していない」としても、自分の嘘や告白が妻の死につながったと考えているのかもしれません。

「普通じゃない」と考えるカズイ

第二審で強く気になったのが、カズイ自身が「普通ではない」自分を意識しているように見えることです。

第一審の「half」でも、カズイは自分の一部を隠しながら生活していたように感じました。
第二審では、その「隠していた半分」が少し具体的になります。

歌詞には、もし好きだと言ったらどうするという意味に取れる内容があります。

相手は誰なのか。
それはまだ分かりません。

しかし妻とは別に、本当に「好き」と言いたい相手がいた可能性はかなり気になります。

赤いリンゴの中にある青いリンゴ

MVにはリンゴが繰り返し登場します。

特に印象的なのが、複数の赤いリンゴの中へ青いリンゴが混じっている描写です。
これが何を意味するのかは断定できません。

ただ、非常に単純な読み方として、

赤=女性
青=男性

という可能性を考えました。

もしそうなら、女性を好きになることが“普通”とされる中で、男性へ惹かれる自分を表している可能性があります。
カズイが自分を「普通ではない」と考えているように見えることともつながります。

本当に好きな相手は男性だった?

この説が正しいなら、カズイの嘘はかなり大きなものになります。

自分の本当の恋愛対象を隠した。
「普通」の人生を送ろうとして女性と結婚した。
妻には夫として接した。
しかし本当の気持ちは別にあった。
そして最終的に、それを妻へ告白した。

そんな流れです。

ただし、第二審時点では青リンゴ=男性と公式に示されたわけではありません。
男性の恋愛対象が具体的に登場したわけでもありません。

そのため、これは現時点では有力に感じる仮説の一つとして残します。

指輪を外すカズイ

第二審では、カズイが指輪を外す場面があります。
その後、手元にあるものがタバコへ変わります。
そして妻は、その様子を見て苦しそうな表情をしています。

ここは第二審の中でも特に重要に感じました。

指輪=「夫である自分」?

指輪はそのまま結婚の象徴です。

それを外すことは、

夫という役割を外す
結婚生活を支えていた嘘をやめる
妻の前で本当の自分を見せる

という意味にも見えます。

そこからタバコへ変わるのも、どこか「演じていた自分」から「素の自分」へ戻るような印象があります。
妻はその変化を目の前で見ています。

もしこの瞬間がカズイの告白を象徴しているなら、妻にとっては単なる浮気発覚以上の出来事だった可能性があります。

妻の顔に現れる黒い斑点

指輪を外したカズイを見た妻の顔には、黒い斑点のようなものが広がっていきます。
やがて、妻そのものが溶けるようにも見えます。

これは物理的な出来事というより、妻が精神的に壊れていくことを示した心象表現かもしれません。

自分が信じていた夫。
自分が信じていた結婚。
それらの前提が崩れる。
そのショックによって、妻自身の世界も崩れてしまった。

そんな描写にも見えました。

第二審は「妻の死」まで描いていない?

第一審では、妻らしき女性が投身したように見える場面がありました。

一方、第二審では、

カズイと妻が出会う
関係を築く
結婚する
カズイが嘘を抱える
その嘘を明かしたように見える

ところまではかなり描かれます。

しかし、その後の妻の死はまだ明確には描かれていないように感じます。
つまり第二審は、第一審で見えた「死」の直前までを補完するMVなのかもしれません。

時系列として考えると

仮説として並べるなら、

仕事仲間として知り合う
→ 信頼関係を築く
→ 結婚する
→ カズイは本当の自分を隠して夫を続ける
→ 妻へ本音を告白する
→ 妻が深く傷つく
→ その後、妻が投身する

という流れが考えられます。
ただし最後の因果関係は、第二審時点ではまだ空白です。

カズイの告白だけが妻の死の原因だったのか。
妻には別の事情もあったのか。

そこまでは分かりません。

マジシャンの姿と「狂言師」

第二審では、カズイがマジシャンのような姿で描かれます。

一方、歌詞には「狂言師」という言葉が出てきます。
この二つは相性のいいモチーフです。

マジシャン=見せたいものだけを見せる

マジシャンは、観客に仕掛けを見せません。
見せたいものだけを見せて、裏側を隠す。
これはカズイの生き方そのものにも見えます。

妻へ見せていたのは、

普通の夫
妻を愛する男性
社会的に問題のない自分

だった。

しかし、その裏には別の本心が隠されていた。

狂言師=演じ続けた人

「狂言師」は本来の芸能としての意味だけでなく、文脈によっては人を欺く人物や、もっともらしく演じる人物を指す言葉としても使われます。
カズイは自分自身を、ずっと誰かを演じてきた人間として見ているのかもしれません。

マジシャンと狂言師。
どちらも、「真実をそのまま見せない人物」という点で重なります。

白い鳩を食べるカズイ

そして、衝撃的なのが白い鳩を食べる場面です。
白い鳩は、マジックで使われる典型的なモチーフでもあります。

マジシャンであるカズイが、その鳩を自分自身で食べてしまう。
これは、自分が作り上げたマジックを、自分で壊すことにも見えました。

「普通の幸せ」を自分で壊した?

白は純粋さや結婚、平穏な生活を連想させる色でもあります。
そのため鳩を食べる行為は、自分が作った“普通の家庭”を、自分自身の本音によって壊したという意味を持つ可能性もあります。

妻を騙し続けることはできなかった。
だから真実を話した。
しかし、その真実によって妻は傷ついた。

カズイの中では、その選択もまた「自分が壊した」という認識になっているのかもしれません。

第一審「half」の意味も変わって見える

第一審曲は「half」でした。

第二審を見ると、このタイトルにもいくつかの意味が重なって見えます。

自分の半分しか妻へ見せていなかった。
普通の夫としての自分と、本当の自分を分けていた。
妻への愛情と、恋愛としての本当の欲望が一致していなかった。

第一審では抽象的だった「半分」が、第二審で具体的な形を持ち始めたように感じます。

カズイは「赦された」ことを認識している

第二審では、カズイも第一審で赦されたことを意識しています。
ここで、第二審における「赦し」の共通モチーフが再び出てきました。

ハルカは、なぜ自分が赦されたのかを問う。
ユノは、自分を「可哀想な被害者」として扱ったうえで赦されること自体に、どこか距離を置いているように見える。
フータは、なぜ自分だけ赦されないのかを問う。
ムウは、赦されたことを自分の正しさへつなげているように見える。
シドウは、赦されたことで「生きたい」方向へ変わり始める。
マヒルは、赦す/赦さないそのものより恋人の喪失へ意識が向いているように見える。
そしてカズイも、自分が「赦された」という結果を理解している。

ただ、それを喜んでいるのか、戸惑っているのか、それとも本当のことを話す覚悟につなげたのかまでは、まだ掴みきれませんでした。

カズイは自分を正当化していない

ここは、第二審の判定を考えるうえで大きかったところです。

カズイは、

自分は悪くない
妻が勝手に死んだ
本当の自分を隠すしかなかった

と強く自己正当化しているようには見えません。
むしろ、被害者と加害者の描写では自分を加害者側へ置いています。

妻が傷ついた。
その原因に自分がいた。
少なくとも、そのこと自体は理解しているように見えます。

それでもまだ何が起きたのか分からない

問題は、第二審を見ても重要な部分がまだ空白なことです。

分からないのは、

  • カズイが妻へついていた「嘘」の正体
  • 青いリンゴが本当に男性を示しているのか
  • 妻とは別に好きだった相手が実在するのか
  • その人物と実際に関係を持っていたのか
  • 妻へ何を告白したのか
  • 妻はなぜ投身したのか
  • カズイの告白以外に妻の死へ影響した事情があったのか

です。

これだけ空白が残っている状態で「カズイの嘘が妻を死なせたから赦さない」と決めてしまうのは、私には難しいです。

第二審の投票結果

カズイの第二審投票結果は、

判定得票率
赦す54.67%
赦さない45.33%

となり、第二審でも「赦す」となりました。
第一審でもカズイは「赦す」でした。
ただし第二審も大差ではなく、比較的判断が割れています。

「嘘によって妻を傷つけた責任」を重く見るか「妻の死へ至る因果関係がまだ分からない」ことを重く見るかでも、判定は変わりそうです。

私の第二審判断は「赦す」

私は第二審でも、カズイを「赦す」と判断します。

一番大きな理由は、まだ罪の全貌が分からないからです。
妻を傷つけたこと自体はかなり明確に見えます。
カズイ本人も、それを理解しているように感じます。

しかし、妻の死そのものについてはまだ空白があります。

何を告白したのか。
なぜ妻が死を選んだのか。
そこにカズイの嘘以外の事情はなかったのか。

その重要な部分が分からない以上、私は「赦さない」とまでは判断できません。

第三審で確認したいこと

カズイについては、第三審で「嘘の正体」がどこまで明かされるかが最重要になりそうです。

  • カズイが「普通ではない」と感じていた理由
  • 青いリンゴが何を意味するのか
  • 妻以外に好きな人物がいたのか
  • その人物は男性なのか
  • 妻へ何を告白したのか
  • 妻の投身までに何が起きたのか
  • カズイは妻をどのような意味で愛していたのか
  • 第一審・第二審で赦されたことを、カズイ自身がどう受け止めているのか

第二審では、カズイが長い間何かを演じて生きてきたことがかなり見えてきました。

しかし、まだカーテンの裏に仕掛けが残っています。
マジシャンが種明かしをするように、第三審でその「嘘」の全貌まで見せてくれるのか。

そこを確認してから、改めてカズイの責任を考えたいと思います。

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更新

2026年9月:第二審「Cat」初見・再視聴時点の感想と考察を作成。
第三審の情報は使用していません。

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