※この記事には『アンナチュラル』第1話「名前のない毒」の結末を含むネタバレがあります。
エピソード基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | アンナチュラル |
| 話数 | 第1話 |
| サブタイトル | 名前のない毒 |
| 放送日 | 2018年1月12日 |
| 放送局 | TBS |
| 主な登場人物 | 三澄ミコト、中堂系、久部六郎、東海林夕子、神倉保夫 |
| 主なゲスト | 馬場路子、高野島渡 |
第1話では、突然死した男性・高野島渡の死因を調べるところから、UDIラボの仕事や主要メンバーが紹介されていきます。
当初は虚血性心疾患とされていた死が、解剖によってまったく違う方向へ進んでいく、シリーズの導入としてもわかりやすい一話でした。
TBS公式では2018年1月12日放送、第1話「名前のない毒」とされています。
ネタバレなしのあらすじ
一人暮らしをしていた高野島渡が、自宅で突然死亡します。
警察医による死因は虚血性心疾患。しかし、まだ若く健康だった息子の死に納得できない両親は、葬儀社から紹介されたUDIラボへ詳しい解剖を依頼します。
三澄ミコトたちが遺体を調べると、心臓には死因となるような異常が見つからず、代わりに急性腎不全の症状が確認されました。
さらに、高野島と同じ職場で働いていた女性も突然死していたことが判明。
毒物による殺人なのか、それとも別の原因があるのか。
UDIラボは、高野島の本当の死因を追います。
ネタバレなしの感想
法医学ものが好きなので、もともとかなり見やすい作品でした。
各話ごとにひとつの事件を追う形になっているため、一話だけでも楽しめる一方で、中堂の過去などシリーズ全体を通した謎も用意されています。
そして意外だったのが、UDIラボの明るさ。
海外ドラマのモルグや検視室は、暗く冷たい雰囲気で描かれることも多いですが『アンナチュラル』のUDIラボは白く明るく、きちんと「仕事をする場所」として見える印象でした。
扱っているテーマは重いのに、画面そのものが陰鬱になりすぎないので見やすかったです。
ここからネタバレあり
第1話「名前のない毒」の結末までを整理
高野島渡の遺体は、当初「虚血性心疾患による心不全」と判断されていました。
しかしUDIラボで解剖すると、心臓に死因となるような異常はなく、急性腎不全の症状が見つかります。
そこで薬物や毒物による死亡が疑われますが、検査を行っても原因となる物質は見つかりません。
さらに、高野島と同じ職場で働いていた女性も、高野島の翌日に原因不明の突然死をしていたことが判明します。
高野島の部屋を調べていたミコトたちの前に現れたのが、婚約者の馬場路子。
しかも馬場は劇薬毒物製品の開発に関わっており、高野島が死亡した時間のアリバイもありません。
未知の毒物を作れる人間なら、現在の検査では検出できない「名前のない毒」を使って完全犯罪を成立させることもできるのではないか。
クッキーまで登場して、かなり露骨に「毒殺では?」と思わせる展開になります。
ところが、高野島たちを死亡させた本当の原因は毒ではありませんでした。
ミコトたちがたどり着いたのは、MERSコロナウイルス感染症。
毒物による殺人事件に見えたものが、感染症の問題へと一気にひっくり返ります。
TBS公式の撮影レポートでも、第1話は虚血性心疾患とされた遺体からMERSコロナウイルス感染症へたどり着く物語として振り返られています。
クッキーまで出てきたのに、まさかのウイルス
馬場路子、かなり犯人らしく見せられていました。
劇薬毒物製品の開発に携わっていて、アリバイもない。さらにクッキーまで出てくる。
ここまで揃ったら「何か盛ったんじゃないの?」と思います。
それなのに、犯人そのものが存在しない。
原因はMERS。
正直「MERSってめちゃくちゃ久しぶりに聞いたな」と思いました。
今では新型コロナウイルスという言葉の方が圧倒的に身近なので、2018年のドラマを今見ると、感染症を扱った回としても放送当時とは少し違った感覚があります。
馬場路子がとにかく可哀想
馬場路子は、高野島を殺した人物として疑われかねない立場に置かれます。
そして真相が感染症だとわかったあとも、それですべて解決するわけではありません。
今度は高野島自身が感染源ではないかと疑われ、その影響を婚約者である馬場も受けることになります。
ただでさえ婚約者を突然亡くしているのに、殺人まで疑われ、その後は感染源となった人物の婚約者として見られる。
これはもうつらい。
だからこそ、最終的に高野島が感染源ではなかったとわかったところは、素直に「救われたな」と感じました。
どうなるのか心配だったので、死因を突き止めるだけでなく、高野島の汚名まで晴れたことにホッとしました。
死因を突き止めることは、死者だけのためではない
第1話でかなりはっきり示されていたのが、UDIラボが死因を調べる意味です。
高野島はすでに亡くなっています。
だから「今さら本当の死因がわかったところで何が変わるのか」と考えることもできます。
でも、実際には大きく変わるんですよね。
間違った死因や憶測が残れば、亡くなった本人だけでなく、家族や婚約者まで責められてしまう可能性があります。
今回、正確な死因と感染経路を突き止めたことで、高野島だけでなく馬場も救われました。
『アンナチュラル』が扱うのは死者ですが、やっていることはむしろこれから生きていく人のためでもある。
第1話でそこまで見せてくれたのは、作品の方向性を知るうえでもかなり重要だったと思います。
今回の肝|虚血性心疾患とMERS
虚血性心疾患とは?
虚血性心疾患は、心臓の筋肉に十分な血液が届かなくなることで起こる病気の総称です。
代表的なものとして、狭心症や心筋梗塞があります。
第1話では、高野島の死因が当初「虚血性心疾患」と判断されていました。
しかしUDIラボで解剖したところ、心臓には死因となる異常が見つからず、代わりに急性腎不全の症状が確認されます。
そこから「最初に考えられていた死因そのものが違うのではないか」という調査が始まりました。
MERSとは?
MERSは「中東呼吸器症候群」と呼ばれる感染症で、MERSコロナウイルスによって引き起こされます。
2012年に確認された感染症で、主な症状は発熱、咳、息切れなど。重症化すると肺炎や多臓器不全を起こす場合があります。
人から人への感染も報告されており、特に医療機関や家庭内など、濃厚な接触がある場面で感染が広がることがあります。
厚生労働省も、重症化すると肺炎や多臓器不全、敗血症性ショックを伴うことがあると説明しています。
第1話では急性腎不全が手がかりになりますが、MERSの重症例では腎臓を含む臓器不全が起こる場合もあります。
六郎はまだまだ素人っぽい
第1話の六郎は、まだかなり素人感があります。
UDIラボの仕事についても、ミコトたちと同じ目線で理解しているわけではなく、どちらかというと視聴者に近い立場。
ただ、その慣れていない感じも含めて憎めません。
ここから10話かけてどう変わっていくのかを考えると、第1話時点の六郎の印象は覚えておきたいところです。
中堂は「絶対仕事はできる人」
中堂の第一印象は、かなり口が悪い。
でも同時に「この人、仕事はきっとできるんだろうな」と感じる人物でした。
態度が良いわけではないし、人付き合いにも明らかに問題がありそう。
それでも法医学者として登場した瞬間から、能力そのものには妙な信頼感があります。
この時点ではまだ中堂が何を抱えているのかわからないので、「ただ口が悪い凄腕の人」くらいに見えていました。
神倉所長、裏切らないよね……?
そして神倉所長。
初見では「この立場の人って後から裏切ったりしないよね?」とちょっと警戒していました。
組織ものを見ると、どうしても上司ポジションを疑ってしまいます。
所長としてUDIラボ全体をまとめているだけに、もし何か隠していたら影響が大きそう。
全10話を見終わった今考えると、この第1話時点でそんなことを考えていたのがちょっと面白いです。
葬儀屋の木林が怪しすぎる
そして第1話から怪しさ全開だったのが、葬儀屋の木林。
高野島の両親がUDIラボを知ったきっかけにもなっている人物ですが、登場した時点で「この人絶対何かあるでしょ」という雰囲気があります。
立場そのものが特殊なのに、妙に飄々としている。
中堂とはまた違う方向で「今後絶対何かしてくる人」に見えました。
UDIラボが思ったより明るい
法医学ドラマということで、もっと暗い場所を想像していました。
特に海外ドラマでは、モルグや解剖室が暗く、冷たい雰囲気で描かれていることも多い印象があります。
その点、UDIラボは真っ白で明るい。
白を基調にした空間で、きちんと日常的に人が働いている職場として見えます。
遺体や死を扱うドラマだからといって、画面まで必要以上に重くしない。
この明るさのおかげで、扱っている内容のわりに見やすかったです。
「Lemon」がもうこんな昔の曲だったことに驚く
そして主題歌の米津玄師「Lemon」。
曲そのものはもちろん知っていましたが、今回見ていて一番びっくりしたのは「Lemonってもうこんな昔の曲なの?」ということでした。
『アンナチュラル』が2018年のドラマなので、当然「Lemon」もそれくらい前。
知っている曲だからこそ、時間の経過に驚きます。
改めてドラマの中で聞く「アンナチュラルの曲だったんだな」と実感しました。
出だしが出だしの歌詞なので、今後どのタイミングで流れるのか気になるところです。
まとめ|第1話から作品の方向性がよくわかる
第1話「名前のない毒」は、毒殺事件のように見せながら、実際にはMERSによる感染症だったというひっくり返しが印象的な回でした。
クッキーや馬場路子の職業など、いかにも毒殺らしい材料を並べておきながら、本当の原因はウイルス。
さらに死因を突き止めることで、高野島だけでなく残された婚約者まで救う。
単に「どうやって死んだのか」を当てるドラマではなく、死の真相が生きている人に何をもたらすのかまで描く作品なんだと、第1話だけでもよくわかります。
法医学ものとして各話単体でも楽しめそうですし、中堂や木林など、シリーズを通して気になる人物もいる。
第1話を見た時点で「このまま続けて見よう」と思える導入でした。
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