※この記事には『アンナチュラル』第5話「死の報復」の結末を含むネタバレがあります。
エピソード基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | アンナチュラル |
| 話数 | 第5話 |
| サブタイトル | 死の報復 |
| 放送日 | 2018年2月9日 |
| 放送局 | TBS |
| 主な登場人物 | 三澄ミコト、中堂系、久部六郎、東海林夕子、神倉保夫 |
| 事件の中心 | 溺死、自殺偽装、プランクトン検査 |
第5話では、自殺と判断された女性の死について、恋人の鈴木巧が「自殺するはずがない」とUDIラボへ解剖を依頼します。
しかし、巧が持ち込んだ遺体そのものに大きな問題があり、ミコトたちは法的にも危うい状況へ巻き込まれていきます。
ネタバレなしのあらすじ
UDIラボへ、青森から鈴木巧という青年がやって来ます。
巧は、海で溺死した恋人・果歩の死因を調べてほしいと依頼。
海へ飛び込む姿を目撃した人がいたことから、警察は自殺と判断していました。
しかし巧は、果歩が自殺するはずがないと強く訴えます。
ミコトたちは解剖を始めますが、途中で木林がUDIラボへ駆け込み、遺体が葬儀場から盗み出されたものだったことが判明します。
巧は果歩と法律上の夫婦ではなく、遺族の許可も得ずに遺体を持ち出していたのでした。
ネタバレなしの感想
第5話は、単純に「自殺か他殺か」を調べるだけではなく、亡くなった人をめぐって、恋人と家族がすれ違ってしまう話でもありました。
巧は果歩を大切に思っていて、自殺という結論をどうしても受け入れられない。
その必死さを見ると「ここまで言うなら、よほどそう思う理由があるんだろうな」と感じました。
一方、果歩の両親も娘を失っています。
同じ人を大切に思っていたはずなのに、死後は互いに敵のようになってしまう。
そこが何とも言えない回でした。
ここからネタバレあり
第5話「死の報復」の結末までを整理
果歩は海で死亡し、目撃証言から自殺と判断されていました。
しかし、解剖や検査を進めていくと、果歩が実際に溺れた場所と、目撃された「女性が海へ飛び込んだ場所」が一致しない可能性が浮かびます。
プランクトン検査や死後CTなどを手がかりに、ミコトたちは「目撃された女性と果歩は別人だったのではないか」と考え始めます。
さらに、巧が果歩へ贈った大切なネックレスが遺体から見つからず、果歩の同僚・まゆが身につけていました。
真相は、果歩とまゆがネックレスを巡って揉め、果歩が海へ転落。
まゆは果歩を助けることなく、その後、自分自身が別の場所から海へ飛び込む姿を目撃させることで「果歩が自殺した」という状況を作っていました。
そして中堂から真相を聞いた巧は、果歩の葬儀へ向かいます。
そこでまゆが果歩のネックレスを身につけているのを見て、疑いは確信へ変わる。
巧はまゆを刺してしまいます。
TBS公式レポートでも、第5話は「最愛の恋人を死に追いやった相手を刺してしまう」という衝撃的な結末として紹介されています。(TBSテレビ)
巧が必死だからこそ「何かあるんだろうな」と思った
最初から、巧の行動ははたから見ると異常かもしれません。
遺体を葬儀場から持ち出してまで解剖を依頼する。
普通なら「そこまでする?」と思います。
でも見ていると、単なる思い込みではなく「果歩が自殺するはずがない」と本気で知っている人なんだろうなとも感じました。
もちろん遺体を盗む行為そのものは問題ですが、どうしてそこまで追い詰められたのかは理解できます。
恋人を突然失ったうえに、自殺だったと言われ、さらにその死について自分の話すら聞いてもらえない。
真相を知らないまま終わることが、巧には耐えられなかったんだろうと思います。
果歩の両親にも腹は立つ。でも、親として考えると複雑
果歩の両親については、正直複雑でした。
巧の話をもう少し聞いてあげてもよかったんじゃないか、とは思います。
娘が自殺したと聞かされ、その原因まで巧にあると思っているから、彼を遠ざけたくなる気持ちもわかる。
親として娘を失った直後なら、冷静に相手の話を聞く余裕がない可能性もあります。
だから「話くらい聞いてあげてよ」という気持ちと、「この人たちも娘を失った親なんだよな」という気持ちが半分ずつでした。
巧も両親も、どちらも果歩を失っている。
それなのに、果歩の死が二者をさらに遠ざけてしまうのがやるせないです。
ネックレスを見たら、そりゃ理性も吹き飛ぶ
巧の復讐については、気持ちはわかる。
でも「あっかん!!」って思っちゃったよね、うん。
真相を知ったとしても、相手を刺していいわけではない。
ただ、その場で果歩へ贈ったネックレスをまゆが身につけている。
それを見たら、巧の中では「この人が犯人なんだ」という確信になるのもわかってしまいます。
果歩はもう帰ってこない。
その果歩の大切なものを、死に追いやった相手が身につけている。
しかも相手が果歩の死を自殺に見せかけていたことまで知っている。
理性が吹き飛ぶ状況としては、強烈です。
だからこそ、止めてほしかった。
中堂が巧を止めなかったこと
この回では、中堂自身の過去が巧の事件とかなり重なっています。
中堂も恋人を殺され、その犯人を長年追い続けている人物です。
だから、巧が「なぜ大切な人が死んだのか」を知りたい気持ちを、誰よりも理解してしまったんだと思います。
でも、その理解が強すぎたからこそ、巧が復讐へ向かうことを止められなかった。
ここは中堂の危うさが出ています。
ミコトは「真相を知ること」と「復讐すること」は別だと考えている。
中堂はそこを完全には切り離せていない。
二人の死者への向き合い方の違いが、かなりはっきり見えた回でもありました。
中堂の家がミニUDIラボになってる
事件そのものはかなり重いのに、中堂の家へUDIメンバーがぞろぞろ集まってくるところはちょっと笑いました。
中堂の部屋って、もっと誰も寄せつけない空間なのかと思っていたので「え、みんな来るやん」という感じ。
100円ショップの実験用品まで並べて、結果的にミニUDIラボ状態。
公式レポートでも、中堂の自宅に三澄班のメンバーが次々集まり、「ミニUDIラボみたい」と紹介されています。
こういう軽いやり取りが挟まるから、重い話でも見続けやすいんだと思います。
今回の肝|溺死とプランクトン検査
溺死は自殺か他殺かを判断しにくい
水中から遺体が見つかったとしても、それだけで自殺、事故、他殺のどれなのかを決めることはできません。
実際に水を吸い込んで死亡したのか、死亡後に水中へ入れられたのかなど、複数の所見を合わせて考える必要があります。
第5話でも、果歩が溺死したことだけでは、「自分で海へ入ったのか」「誰かに落とされたのか」まではわかりません。
そこで重要になるのが、遺体に残された細かな情報です。
プランクトン検査とは?
法医学では、溺死の判断にプランクトン、特に珪藻などの水中微生物を調べる検査が使われることがあります。
人が生きた状態で水を吸い込むと、水中の微生物が肺へ入り、条件によっては血流を通じて臓器から検出されることがあります。
そのため、遺体の臓器からプランクトンを検出することで「生きている状態で水を吸い込んだ可能性」や、どの水域で溺れたのかを考える手がかりになります。
ただし、プランクトン検査だけですべてが確定するわけではなく、解剖所見や現場状況などと合わせて判断されます。
近年の研究でも、珪藻検査には解釈上の課題があり、より精度の高い検査法が研究されています。
第5話では、この「水に残された情報」が、自殺とされていた果歩の死を見直すきっかけになりました。
真相がわかっても、あまり救われない
第1話や第2話では、真相へたどり着いたことで誰かが救われる感覚がありました。
でも、第5話は違います。
果歩が自殺ではなかったことはわかりました。
巧が信じていたことも正しかった。
それでも果歩は戻ってきません。
さらに巧は復讐によって自分の人生まで大きく変えてしまいます。
真相を知ること自体には意味がある。
でも、真相を知れば必ず救われるわけではない。
そういう厳しさが残る回でした。
まとめ|「真実を知りたい」の先に待っていたもの
第5話「死の報復」は、恋人の死を自殺だと信じられなかった巧が、必死に真相を求めるところから始まります。
その直感は正しかった。
果歩は自殺ではありませんでした。
でも、真相が明らかになった時には、もうすべてが遅い。
巧の復讐には「気持ちはわかる」と思いながらも、やっぱり「あかん」と思います。
歩の両親についても、巧についても、単純に誰かだけを責めきれない。
大切な人を失ったあと、真実を知ることが人を救う場合もあれば、さらに別の悲劇へ進ませてしまうこともある。
第5話は、これまでの回以上に「死因を知ったあと、生きている人がどうするのか」まで突きつけてくる回でした。
関連記事
更新
※関連記事・前後のエピソードは、記事更新後にリンク先をご覧いただけます。
前の感想:『アンナチュラル』第4話「誰がために働く」感想・考察
次の感想:『アンナチュラル』第6話「友達じゃない」感想・考察
