※この記事には『アンナチュラル』第3話「予定外の証人」の結末を含むネタバレがあります。
エピソード基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | アンナチュラル |
| 話数 | 第3話 |
| サブタイトル | 予定外の証人 |
| 放送日 | 2018年1月26日 |
| 放送局 | TBS |
| 主な登場人物 | 三澄ミコト、中堂系、久部六郎、東海林夕子、神倉保夫 |
| 事件の中心 | 主婦ブロガー殺人事件と凶器の矛盾 |
第3話は、それまでのようにUDIラボへ新たな遺体が運ばれてくるところからではなく、すでに殺人事件として裁判が始まっているところから展開します。
ネタバレなしのあらすじ
半年前に発生した「主婦ブロガー殺人事件」。
被害者の夫・要一は、妻から精神的DVを受けていた末に殺害したとして起訴され、自身も罪を認めていました。
UDIラボで解剖を担当した法医解剖医はすでに引退していたため、ミコトが代理証人として法廷へ立つことになります。
検察側が求めていたのは、押収された包丁と被害者の傷が一致するという証言でした。
ところがミコトは、法廷で示された資料を見て、凶器と傷の間に矛盾があることに気づきます。
すでに被告人自身が罪を認めている事件で、本当に別の真相があるのか。
第3話は、法医学だけではなく「裁判で事実をどう伝えるのか」が大きなテーマになる回です。
ネタバレなしの感想
第3話でまず思ったのが、ミコト、めちゃくちゃはっきり言うなということ。
検察側の証人として呼ばれているのに、凶器が違うと思えばその場で言ってしまう。
周囲がどう受け取るかより、「違うものは違う」という姿勢がかなり強く出ています。
ただ、この回は単純に「ミコトが正しいことを言って解決」という話ではありません。
被告人自身が途中で諦めそうになるし、証言する人の性別や印象まで裁判に影響してくる。
法医学で見つけた事実と、それを裁判で認めてもらうことは別なんだな、と感じる回でした。
ここからネタバレあり
第3話「予定外の証人」の結末までを整理
被害者は人気主婦ブロガー。
夫の要一は妻から精神的DVを受けていたとされ、殺害についても自分がやったのだろうと考えて罪を認めていました。
ところが、検察側の代理証人として法廷に立ったミコトは、被害者の刺創と証拠として提示された包丁が一致しないことに気づきます。
本来なら検察側の主張を補強するための証人だったはずが、ミコト自身がその前提を崩してしまったことで裁判は混乱。
要一も一転して無実を主張し始めます。
その後、ミコトは改めて事件を調べ直しますが、今度は法廷で証言する側としての信用まで攻撃されてしまいます。
さらに要一自身も無罪を主張し続けることに不安を感じ、再び罪を認める方向へ傾きます。
最終的に法廷へ現れたのは、ミコトではなく中堂。
法医学的な証拠をもとに本当の凶器へ迫り、被害者の弟・刈谷が真犯人だったことが明らかになります。
被告人には同情する。でも「もういい」はやっぱり危ない
要一については、かなり同情しました。
妻との関係や、逮捕されてからの状況を考えれば、自分でも「もしかしたら自分がやったのかもしれない」と思い込んでしまったこと自体は理解できます。
それでも、途中で「もういい」と諦めて再び罪を認めようとするのは、やっぱり悪手だと思いました。
本当に殺していないのに、自分が負けそうだから罪を認める。
もしミコトたちが食い下がらなければ、そのまま殺人犯として扱われていた可能性があります。
本人が認めているから正しいとは限らない。
その怖さが出ていました。
ミコト、法廷でも本当にはっきり言う
ミコトは、証人として求められていた役割からかなり外れた動きをします。
「この凶器で間違いない」と言えば済むところで、傷と一致しないことに気づいたら、その場ではっきり指摘する。
立場を考えれば、相当やりにくいはずです。
でもミコトにとっては「検察側か弁護側か」よりも、実際に遺体に何が起きたのかの方が重要なんだろうなと思いました。
第1話、第2話でも死者の身体に残った事実を追っていましたが、第3話ではそれを法廷という別の場所へ持っていかなければならない難しさが見えてきます。
「女だから」が今でも出てくるんだなと思った
この回でかなり引っかかったのが、ミコトが若い女性であることを不利な材料として扱われる部分です。
証言の中身ではなく「女性だから」「感情的なのでは」といった印象を利用して信用を落とそうとする。
2018年のドラマを今見ても「こういう見方って今でも完全になくなったとは言えないよな」と感じました。
法医学的に同じ内容を話しているのに、誰が話したかによって受け取られ方が変わってしまう。
それが、中堂の登場でさらにわかりやすくなります。
中堂が出てきたのは意外だった
法廷へ中堂が出てきた時は、ちょっと意外でした。
「あ、中堂やるんや」という感じ。
第1話から「態度は悪いけど仕事はできる人なんだろうな」とは思っていましたが、この回では必要な場面でちゃんと協力する姿が見えます。
普段は人に合わせるタイプではないし、本人も別件で揉めている最中。それでも、法医学的な事実を示すためには証言台に立つ。
中堂が協力的な人物になったというより、自分が重要だと思う部分ではちゃんと動く人なんだろうな、と印象が少し変わりました。
真犯人と本当の凶器
事件の真犯人は、被害者の弟・刈谷でした。
被害者は人気主婦ブロガーとして料理を発信していましたが、その裏では弟の知識や料理が使われていました。
弟側には積み重なった不満があり、それが殺害へとつながります。
もちろん、不満があったことと殺人が許されることは別です。
ただ、最初から夫婦間の精神的DVだけに焦点を当てて事件を見ると、本当の人間関係が見えなくなる。
要一が犯人だという前提が崩れたことで、ようやく別の人物へ目を向けられたわけです。
今回の肝|刺創と凶器鑑定
刺創とは?
刺創は、ナイフや包丁など先端の鋭い物体が身体へ突き刺さることで生じる傷です。
一般的には、皮膚表面の傷口は比較的小さくても、内部へ深く達する場合があります。
第3話では、被害者の身体に残った刺創と、証拠として提示された包丁の形が重要になります。
傷から凶器を考える
法医学では、身体に残った損傷から、どのような凶器が使われた可能性があるのかを調べることがあります。
鋭器による傷であれば、傷の形や深さなどの所見が、凶器を検討する材料になります。
大学の法医学教育でも、刺創・切創などの鋭器損傷と凶器鑑定は扱われています。
ただし、傷だけから凶器を絶対に一つへ絞れるとは限りません。
古くから法医学では、創傷と特定の凶器を結びつけること自体が簡単ではないとされており、複数の所見や証拠を合わせて考える必要があります。
第3話はまさに「押収された包丁があるから、それが凶器だろう」ではなく、遺体に残っている傷と本当に一致するのかを確認することが重要だとわかる回でした。
真実がわかることと、裁判で通ることは同じではない
第3話で面白かったのは、法医学的な事実を見つければそれで終わりではなかったところです。
研究室なら「この傷とこの包丁は一致しない」という結果を出せば済みます。
でも裁判では、それを誰が、どう説明するのかも重要になる。
さらに相手から反論され、証言者自身の信用まで問われます。
ミコトが見つけた事実そのものは変わっていないのに、法廷ではミコト自身が攻撃される。その後、中堂が証言することで話が動く。
科学的事実が存在することと、その事実が社会で受け入れられることは別。
第3話は法医学だけでなく、その先にある部分まで描いていたのが印象的でした。
まとめ|「本人が認めている」だけでは終われない
第3話「予定外の証人」は、すでに本人が罪を認めている事件から、凶器の小さな矛盾をきっかけに真犯人へたどり着く回でした。
要一には同情しましたが、それでも途中で諦めて罪を認めようとしたのは危ない。
一方で、ミコトがはっきりと矛盾を指摘し、中堂まで証言台に立ったことで、埋もれかけていた事実がようやく明らかになります。
法医学でわかることと、裁判でそれを証明することは同じではない。
事件だけではなく「事実をどう伝えるか」まで考えさせられる回でした。
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