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MILGRAM ムウ第三審「ペイン」感想・考察|いじめの真相とハルカへの「赦さない」

『MILGRAM -ミルグラム-』囚人番号004番、楠夢羽の第三審「ペイン」。

公式では2025年10月22日に第三審MVとして公開されました。
第三審シングルには「ペイン」のほか、Voice Drama「Killer B」などが収録されています。

第一審・第二審では、ムウはいじめの中心にいた「女王」のように見えていました。
しかし第三審では、その印象が少し変わります。
ムウ自身が誰かへ直接いじめを指示したり、手を下したりするのではなく、周囲がムウの感情を勝手に読み取り、勝手に動いていた。

そして、その小さな社会が反転したことで、今度はムウ自身がいじめられる側になります。

さらに第三審の最後では、ムウ自身の過去から離れ、亡くなったハルカへ向けた言葉が明確に描かれました。
今回の「ペイン」で見えてきたのは、ムウの殺人だけではありません。

誰からも注目されることが当たり前だったムウが、自分に興味を示さない少女と出会い、そして初めて自分自身を強く求めてくれたハルカを失ったこと。

その流れを追いながら考えていきます。

「ペイン」基本情報

  • 囚人番号:004
  • 囚人:ムウ(CV:香里有佐)
  • 審査:第三審
  • 楽曲:ペイン
  • MV公開日:2025年10月22日
  • 第三審シングル発売日:2025年10月22日
  • カバー曲:シンデレラ -ムウ Cover-
  • Voice Drama:Killer B

ムウ自身は直接いじめに手を下していなかった?

第三審MVを見て、まず印象が変わったのが過去のいじめです。

第一審・第二審では、ムウがグループの中心にいて、一人の少女が排除されているように見えていました。
そのため、ムウ自身がいじめを主導していたようにも受け取れます。
しかし改めて見ると、ムウ本人が直接相手へ何かをしている場面はほとんどありません。

ムウの周囲にいる少女たちが動く。
その中心にムウがいる。
そんな構図です。

第三審では、この違和感がかなり重要になってきます。

少女にやり返されるムウ

第一審から登場していた少女が、ムウへ直接攻撃します。

みんなの前でムウは傷つき、鼻血を出し、嘔吐。
それまで保たれていたムウの姿が、一気に崩れます。
ここで壊れたのは、単なる学校内での立場だけではないように見えます。

それまで周囲が作り上げていた、美しくて、完璧で、誰よりも上にいるムウという理想像そのものです。

ムウ本人も、その扱いを当たり前として生きていました。
だからこそ、人前で醜く泣き、吐き、傷つく姿を見せたことで、それまでの関係が一気に崩れたのかもしれません。

砂時計がひっくり返る

「ペイン」では、再び砂時計が重要なモチーフとして登場します。

砂時計は上下を入れ替えることができます。
上にあった砂は下へ。
下にあったものが、今度は上になる。
ムウの学校内での立場も、それと同じように反転しました。

それまで周囲から持ち上げられていたムウが、今度はいじめられる側になる。

そして以前いじめられていた少女は、立場が逆転してもムウへのいじめには加わりません。

少女は一貫してムウに無関心

今回特に気になったのが、この少女の態度です。
最初から最後まで、彼女はムウ本人へほとんど興味を示していません。

ムウの機嫌を窺わない。
好かれようともしない。
ムウがいじめられる側へ回っても、仕返しには参加しない。
ただ一瞥するだけ。

これはムウにとって、これまで経験したことのない態度だったのではないでしょうか。
ムウはずっと、誰かから見られる存在でした。

好かれる。
持ち上げられる。
機嫌を窺われる。
何も言わなくても周囲が動く。

そんな環境にいたムウにとって、自分を特別扱いしない人間そのものが初めてだった可能性があります。

ムウは少女を刺す

最終的に、ムウはその少女を刺します。
ここで初めて、ムウ自身が直接手を下します。

それまで周囲が勝手に動いていた世界とは違い、最後の殺人は明確にムウ自身の行動です。
ただし、なぜムウが少女を刺すまでに至ったのか。
MVだけではまだ断定できません。

その理由は、第三審資料によってかなり具体的に明かされます。

ラストで画面が青く染まる

「ペイン」の終盤では、それまでのムウ自身の物語から空気が変わります。

周囲の色。
砂時計の砂。
画面全体が、青へ変化していきます。

青はハルカを強く連想させる色です。

さらに歌詞も、

自分が悪者で構わないから、あの子へ謝ってほしい。
あの子は悪くない。
あなたが殺した。
赦さない。
という、明らかにハルカの死へ向けられた内容へ変わります。

ここから先は、ムウ自身の過去というより、ハルカを失った現在のムウを描いているように見えます。

ムウは「裁かれる側」から「裁く側」へ

MILGRAMでは、これまでムウが裁かれる側でした。

しかし第三審の最後では、立場が逆転します。
今度はムウが、画面の向こうにいる存在を責めています。

ハルカが亡くなったことについて「あなたが殺した」と告げる。
そして「赦さない」と言う。

これまで囚人たちを赦すか、赦さないか判断してきたESや視聴者へ、今度は囚人であるムウ自身が「赦さない」と突きつけています。

砂時計による立場の反転は、ムウの学校生活だけではなく、MILGRAMにおける「裁く側」と「裁かれる側」の反転まで示しているのかもしれません。

第三審資料で明らかになったムウの過去

第三審資料では、ムウの生い立ちから殺人へ至るまでがかなり具体的に明かされます。

2001年生まれ、フランスと日本のハーフ

ムウは2001年生まれ。
フランスと日本のハーフです。

幼い頃から周囲にちやほやされ、自分自身もそれを当然のこととして受け入れてきました。
そして特徴的なのが、ムウ自身が何かを命令しなくても、周囲が勝手にその意思を読み取って動いていたことです。

欲しいと言わなくても与えられる。
嫌だと言わなくても遠ざけてもらえる。
ムウにとって、それが当たり前の人間関係だったようです。

ムウに興味を示さない転校生

そこへ、一人の転校生がやってきます。
この少女だけは、これまでの周囲とはまったく違いました。

ムウの機嫌を窺わない。
気に入られようとしない。
ムウを特別扱いしない。
それまで一度も経験したことがなかった態度に、ムウは「あれ?」と違和感を覚えます。

しかし、ムウ自身が少女へ何かをしたわけではありません。
その小さな反応を、周囲が読み取ります。

そして、転校生へのいじめが始まりました。

周囲が勝手に始めた「ムウのためのいじめ」

資料では、ムウ自身はいじめに関与しなかったことが示されています。
周囲が勝手に少女を攻撃し、それは次第にエスカレートしていきます。

一方、転校生はそのいじめすらほとんど意に介しません。
ムウ自身は手を出さない。
しかし、自分に逆らう人間は、こうして自然に淘汰されていくものだと考えていたようです。

ここがムウの大きな問題なのだと思います。

自分が指示していないから、自分は何もしていない。
しかし、自分を中心とした構造が誰かを排除することについては当然のものとして受け入れていた。

直接加害していなくても、その仕組みから恩恵を受け、その存在を止めようとはしませんでした。

転校生は周囲ではなくムウを攻撃する

しかしある日、転校生が反撃します。
興味深いのは、彼女が自分を実際にいじめていた周囲の少女たちではなく、ムウ本人を攻撃したことです。

みんなの前で椅子を使ってムウを殴ります。
ムウにとって、それは人生で初めて経験するような痛みでした。
動揺し、泣き喚き、嘔吐する。
MVでは鼻血も確認できます。

それまで完璧だったムウの姿が、全員の前で崩壊しました。

「革命」が起こり、小さな社会が反転する

ムウの崩れた姿を見たことで、それまでの小さな社会に革命が起きます。

周囲が作っていた「ムウ」という理想像が壊れた。
すると、それまでムウを持ち上げていた人々は態度を変えます。

今度は、ムウ自身がいじめの対象になりました。
しかも、ムウが受けるのは、転校生がそれまで受けていたのと同じようないじめです。

砂時計が反転する映像は、この関係を非常に分かりやすく表しているように見えます。

ムウは助けを求めることもできない

いじめられる側となったムウは、その現実を受け入れることも、誰かへ助けを求めることもできません。

ただ無になったように過ごします。
これまでのムウは、何も言わなくても周囲が気持ちを理解して動いてくれました。
そのため、自分から「助けて」と伝えるという行動そのものを、身につける機会がなかったのかもしれません。

欲しいものも。
嫌なものも。
困ったことも。
全部、誰かが先に察してくれた。
しかし立場を失った瞬間、誰も察してくれなくなる。

そこで初めて、ムウは自分一人で感情を伝えなければならなくなったのだと思います。

それでも転校生はムウに興味を示さない

そして、かつていじめられていた転校生は、ムウがいじめられている姿を見ても加わりません。

助けもしない。
仕返しもしない。
勝ち誇ることすらない。
ただ興味がなさそうに、一瞥するだけです。

その姿を見たムウの中に、怒りが湧き上がります。

そして、そんなことが赦されるわけがないと考えます。

ムウが耐えられなかったのは「無関心」だった?

ここまでを見ると、ムウを殺人へ向かわせた最後のきっかけは、単純ないじめへの復讐ではなさそうです。

転校生はムウをいじめていません。
むしろ、ムウがいじめられていても関わらない。
それでもムウは、その少女へ怒りを向けています。

ムウが人生で経験したことがなかったのは、自分へ興味を持たない人間だったのではないでしょうか。

ムウが上にいた時も。
ムウが底へ落ちた時も。
少女にとってムウは、特別な存在ではない。
好かれることも、嫌われることもない。

ムウはずっと、誰かに見られることで自分の立場を作ってきました。

だからこそ、徹底した無関心は、嫌われること以上に耐えがたいものだったのかもしれません。

帰り道、ムウは転校生を刺す

ムウは帰り道、カッターで転校生を刺します。
ここだけは、誰かがムウの気持ちを察して動いたわけではありません。

ムウ自身が考え。
ムウ自身が向かい。
ムウ自身の手で刺した。

これまで他人が代わりに行ってきた暴力とは違い、殺人だけはムウ本人の行動です。
だからこそ、MILGRAMで問われているムウの「殺人」は、この一点に集約されているのだと思います。

もし二人が普通に話していたら?

ここからは推測です。
転校生がムウに無関心だったのは、ムウ自身を深く知ったうえで嫌っていたからとは限りません。

単に、ムウとまともに会話する機会がなかっただけかもしれない。
周囲と同じようにムウの機嫌を窺う理由がない。
特別扱いする理由もない。
だから普通のクラスメイトとして距離を取っていただけだった可能性もあります。

第一審MVに登場したグループでのやり取りについても、いじめとして仲間外れにされたのではなく、ムウたちが「入れてあげた」つもりでも、本人が興味を持たずに抜けただけという可能性もあります。

もしムウが、「女王」としてではなく、ただのムウとして少女と普通に話していたら。
少女もまた、ムウ本人へ何かしらの興味を持ったかもしれない。
友人になった可能性もある。
逆に、やはり合わなかった可能性もあります。

今となっては誰にも分かりません。
ただ、その可能性を試す前に、周囲がムウのわずかな違和感を勝手に読み取り、少女を排除してしまいました。
そしてムウ自身も、それを当然の仕組みとして受け入れてしまった。

ここには、ムウ自身だけではなく、ムウを一人の人間ではなく「中心」として扱い続けた周囲の問題もあるように感じます。

ハルカは「ムウ自身」を見てくれた人だった?

この過去を踏まえると、第三審ラストのハルカへの感情がさらに重くなります。

ムウはこれまで、多くの人から注目されてきました。
しかし、それは本当に「ムウ本人」を見ていたのでしょうか。

美しいムウ。
完璧なムウ。
機嫌を損ねてはいけないムウ。
学校の中心にいるムウ。
周囲が見ていたのは、そんな理想化されたムウだった可能性があります。

一方、転校生はムウに興味を持ちませんでした。
そしてMILGRAMで出会ったハルカは、その正反対です。

ハルカがなぜそこまでムウへ強く惹かれたのかは、ハルカ側の事情として別に考える必要があります。
しかしムウから見れば、自分という存在へ、これほど強い興味を向けてくれる人は初めてだったのかもしれません。
だから嬉しかった。

そして、だから失った時の怒りも大きかった。

「あたしが悪者でいい」が示す変化

第三審ラストでムウは、自分が悪者で構わないという方向の言葉を口にします。

これはムウにとって、大きな変化に見えます。
以前のムウは、周囲からどのように見られるかによって自分の立場が成立していました。
理想像が崩れたことで、すべてを失っています。

そんなムウが第三審では、自分がどう見られるかより、ハルカを悪者にされたくないという態度を取っています。

「自分は悪くない」ではありません。自分が悪者でいい。でも、あの子は悪くない。

少なくともハルカに対しては、ムウが初めて自分以外の誰かを優先しているようにも見えます。

「あなたが殺した」

そしてムウは、ハルカの死を画面の向こうへ突きつけます。

MILGRAMでは、視聴者が囚人を「赦す」「赦さない」と判定してきました。
その結果によって囚人たちは変化し、第三審開始時点ではハルカを含む複数の囚人が死亡しています。

だからムウから見れば、ハルカを殺したのは、自分たちを裁いた側という認識なのでしょう。
囚人たちの殺人を裁いていたはずのエスと視聴者へ「あなたたちも人を殺した」と返してくる。

第三審まで続いてきたMILGRAMそのものへ向けた言葉にも感じます。

「赦さない」

さらにムウは「赦さない」と告げます。
この言葉もMILGRAMでは特別です。

これまで「赦す」「赦さない」を選ばれてきたのは囚人たちでした。
しかし第三審では、囚人であるムウが、自分を裁いてきた側を赦さないと言っています。

砂時計の反転。
学校での上下関係の反転。
そして最後には、裁く者と裁かれる者まで反転する。

「ペイン」全体を通して、この「反転」は非常に重要なモチーフなのかもしれません。

別の歌詞にも注目

春からこちら側に向けての歌詞以外にも、ハルカの一審二審の楽曲のタイトルが、歌詞に含まれています。
漢字表記は一部違いますが、元の意味としてはそちらが正。

影響されると、歌詞にまで出てくるのかもしれません。

青く染まる砂時計

ラストでは、周囲だけでなく砂時計の砂まで青くなります。

青はハルカを象徴する色。
それまでムウ自身の上下関係を表していた砂時計が、最後にはハルカの色へ染まる。
ここからはもう、ムウ自身の過去ではありません。

ムウの中に残ったハルカ。
そして、ハルカを失ったことへの怒り。

第三審「ペイン」の最後は、完全にその感情へ移っているように見えます。

翌日の情報をMILGRAMへ保存

三枚目の資料では、ムウが転校生を刺した翌日の情報をMILGRAMへ保存したことが示されます。
ここでもまた、「情報をMILGRAMへ保存」という表現が登場しました。

第三審資料では、これまでハルカ、ユノ、フータでも同様の表現が確認されています。
そしてムウは2001年生まれ。

これまで判明した生年を並べると、

  • ハルカ:1997年
  • フータ:1999年
  • ムウ:2001年
  • ユノ:2004年

となります。

MILGRAM内では年齢の近い囚人たちですが、現実世界では生まれた年代がかなり違います。

囚人は「ある時点の人格情報」から構築されている?

さらに、MILGRAMは第三審まで長い時間が経過しているにもかかわらず、囚人たちは基本的に年齢を重ねていません。

そこへ第三審資料で繰り返される「情報をMILGRAMへ保存」という表現。
この二つを合わせると、MILGRAMにいる囚人たちは現実世界の本人そのものではなく、事件後の特定時点で保存された人格・記憶・思想などの情報をもとに構築された存在である可能性がより強まります。

もしそうであれば、異なる年代から取得された人物を、同じMILGRAM内へ同時に存在させることもできます。
年齢が変わらないことについても説明しやすくなります。

MILGRAM内での死と現実世界の死は別?

もし囚人が保存された人格情報から構築された存在なら、もう一つ重要な可能性が出てきます。

MILGRAM内で死亡したことと、現実世界の本人が死亡したことは同じではないかもしれません。
第三審開始時点で亡くなっているハルカたちについても、現実世界の本人まで同時に死亡したとは限らない。

これは一つの救いにも見えます。
これならよかったと、最初にかいたときは思いました。

しかし、それが成立すると、逆もあるんですよね。
情報を保存した時点では本人が生きていたとしても、保存後に現実世界で死亡している可能性は残ります。

現時点で言えるのは、MILGRAM内の生死と、現実世界の本人の生死が一致しているとは限らないというところまでです。

今後の第三審資料でも「情報を保存」という表現や生年が続くのか、確認していきたいところです。

ムウの罪はどこにあるのか

第三審で分かったのは、ムウが単純な「いじめの主犯」ではなかったことです。

自分自身がいじめを実行したわけではない。
指示したわけでもない。
しかし、自分のわずかな感情を周囲が読み取り、誰かを排除する。

その仕組みをムウは知っていました。

そして、自分に逆らった者はこうして淘汰されるものとして受け入れていた。
直接手を下していないから無関係、とは言えません。

一方で、周囲がムウを中心にした社会を勝手に作り続けたことも事実です。
ムウ自身もまた、その環境によって「何もしなくても周囲が動く」という人間関係しか学べなかった。
加害者でありながら、同時にその小さな社会によって作られた存在でもあったように思います。

そして最後の殺人だけは違います。
転校生を刺したのは、ムウ自身です。
誰かが意思を汲んだわけではない。

ムウ自身が初めて、自分の怒りを自分の手で形にした結果でした。

第三審のムウを赦すか

第三審を見ると、ムウの印象は第一審・第二審からかなり変化します。

いじめの主導者だと思っていた。
しかし実際には、周囲が勝手にムウを中心へ置き、勝手に少女を排除していました。

だからといって、ムウに責任がないわけではありません。
ムウはその構造を止めず、むしろ当然のものとして受け入れていました。

そして、最後には自分自身の手で転校生を刺しています。
一方で第三審の現在、ムウには以前とは違う感情も見えます。

ハルカを守ろうとしている。
自分が悪者になってもいいと言う。
自分ではない誰かのために怒っている。
これは罪への反省とは別の話ですが、他人との関係という意味では、ムウが大きく変わった部分なのかもしれません。

ムウをどう判定するかを考えるなら、過去に何をしたのか。その時何を理解していたのか。そして現在、他人をどう見るようになったのか。それぞれを分けて考える必要がありそうです。

まとめ|「自分を見ない人」を殺し、「自分を見てくれた人」を失ったムウ

第三審「ペイン」で見えてきたムウの過去は、これまで考えていたものとは少し違いました。

ムウ自身がいじめを命令したわけではありません。
周囲がムウの感情を読み取り、勝手に動いていた。
ムウも、それを当たり前として受け入れていました。

そこへ現れたのが、ムウへ一切興味を示さない転校生です。
彼女だけは、ムウを特別扱いしなかった。
その存在によってムウを中心とした小さな社会は崩壊し、ムウ自身がいじめられる側へ回ります。

それでも転校生は、ムウをいじめませんでした。

助けもしない。
ただ、関心を示さない。
そしてムウは、その少女を刺します。
自分を見ない人を、ムウは殺した。

その後MILGRAMで出会ったハルカは、正反対でした。
なぜそこまでムウへ惹かれたのかは、ハルカ自身の物語として考える必要があります。

しかしムウから見れば、ハルカは初めて自分自身へ強烈な関心を向け、必要としてくれた存在だったのかもしれません。

自分を見てくれた人。
そのハルカを、ムウは失いました。
だから第三審の最後で、ムウは自分のことよりハルカを守ろうとする。

「ペイン」は、ムウが受けた痛みだけを描いた歌ではないのだと思います。

誰かを見なかったこと。
誰かに見てもらえなかったこと。
そして、ようやく自分を見てくれた人を失ったこと。

ムウにとって初めて、自分以外の誰かを失った「痛み」を描いた第三審だったのかもしれません。

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更新

2025年10月22日公開のムウ第三審MV「ペイン」まで視聴した時点の感想・考察です。
公式では第三審シングル「ペイン」として公開され、Voice Drama「Killer B」などが収録されています。

第三審の後続囚人の内容は、本文の考察には使用していません。

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