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『NCIS』シーズン1第4話「不死身の戦士」感想|ゲームと現実の境界が曖昧になる怖さ【ネタバレ】

※この記事には『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』シーズン1第4話「不死身の戦士(The Immortals)」の結末を含むネタバレがあります。

エピソード基本情報

項目内容
作品名NCIS ~ネイビー犯罪捜査班
シーズン・話数シーズン1 第4話
日本語タイトル不死身の戦士
原題The Immortals
本国放送日2003年10月14日
脚本ダーシー・メイヤーズ
監督アラン・J・レヴィ

CBS公式では、シーズン1第4話「The Immortals」として2003年10月14日に放送されたエピソードです。
脚本はダーシー・メイヤーズ、監督はアラン・J・レヴィ。

現在どこで見られる?

2026年9月確認時点では、Huluで『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』シーズン1が見放題配信されています。
Huluでは字幕・吹替・英語字幕に対応しています。
※配信状況は変更される可能性があります。

ネタバレなしのあらすじ

海で泳いでいた若者が、海底に沈んでいる海軍兵の遺体を発見する。
遺体は白い正装姿で、将校用の儀礼剣を持ち、身体には重りまでつけられていた。
亡くなったのは駆逐艦USSフォスターに乗務する海軍兵。
NCISが捜査を始めると、彼が「The Immortals」というオンラインRPGにのめり込んでいたことが判明します。

ネタバレなしの感想

第4話は、オンラインゲームの世界と現実の境界が曖昧になっていく怖さを扱った事件です。
2003年放送なのでオンラインゲーム自体が今ほど当たり前ではなかった時代ですが、個人的には事件の発端を見て、
これは普通にあり得る話だなと思いました。

現実でうまくいかなければゲームへ逃げる。
ゲーム内で傷つけば、その感情を現実へ持ち帰る。
双方を行き来しているうちに、どこまでがゲームで、どこからが現実なのかという線引きが薄くなっていく。

ゲームそのものが悪いというより、そこにのめり込みすぎた人間の危うさが怖い回です。

そして今回はアビーがかなり頑張ります。
オンラインゲームのことがほぼ分からないギブスに代わり、ゲーム世界へ潜って捜査を進めるアビーがほとんど通訳役。
ゲームをやる大変さが分かるので、アビー、マジで頑張った!となりました。


ここからネタバレあり

正装に剣、さらに重りまでつけて海底にいる遺体

冒頭から遺体の状態がかなり異様です。
白い正装。
儀礼剣。
さらに身体には鎖と重り。

海底で発見された時点では、どういうこと!?となりました。

事故死する格好ではありません。
普通の殺人とも違う。

調べていくと、この異様な姿そのものが、被害者マクドナルドが没頭していたオンラインRPG「The Immortals」と関係していることが分かっていきます。

オンライン上の戦いを現実に持ち込んでしまう怖さ

マクドナルドはゲーム内で「Weylin」というキャラクターを使用していました。
そして同じ艦の中には、ゲーム上のライバルもいた。
二人はゲーム内で剣を使って戦っており、その関係が現実側にまで影響していきます。

ゲームの中で負けた。
腹が立った。
だから現実でも勝負する。

こういう構造については、いや、事件としては普通にあり得ると思う。という感想です。

今ならオンラインゲームだけではなく、SNSでも似たことがあります。
ネット上で起きた対立が現実へ持ち込まれる。
逆に、現実で抱えた不満をネットの人格へ持ち込む。

現実とネットは完全に別世界ではありません。
同じ人間が両方に存在している以上、感情は行き来する。
だから怖いのはオンラインゲームそのものではなく、現実とゲームの線引きが薄くなってしまうことなんだと思います。

「不死身だから海底を歩ける」……そんなわけないだろうが!

マクドナルドの死についてさらに調べると、彼は本当に「自分は不死身だ」という感覚を持つようになっていました。
ゲーム上の相手から挑発され、重りをつけた状態で海底を歩いて岸までたどり着ければ、自分が不死身であることを証明できると考えてしまう。

ここはもう、そんなわけないだろうが!です。

ゲーム内で何回攻撃されても生き返るからといって、現実の身体まで同じになるわけがありません。
それなのに、なぜ煽りに乗る。
なぜ実行する。
そして挑発した側も、ゲームに勝つために、そこまでの発想になるのかと思いました。

直接海へ突き落としたわけではない。
でも相手が現実とゲームの境界を失いつつあることを利用して、危険な行動を煽る。
かなり酷いです。

被害者だったはずのマクドナルドも、加害者側へ進んでいた

この回が単純な「ゲーム仲間に殺された事件」で終わらないのが面白いところ。
マクドナルド自身も、精神的にかなり危うい状態へ進んでいました。

ゲームの世界観を現実の艦内へ重ね、周囲の人間まで敵として認識する。
さらに日記には、「頭を切り落とせば身体も死ぬ」というような発想まで書かれていました。

最初はその「頭」が何を意味するのか分からない。
そこでケイトが、頭=組織のトップ=艦長ではないかと気づきます。
この瞬間、船長室? ここ!?と一気に現実の場所へつながる。

そして本当に艦長室には爆弾が仕掛けられていました。
ギブスたちは寸前で艦長を避難させ、直後に部屋が爆発します。

もう、この職場、酷いですね……。
ゲーム上のライバルとの対立だけでも大変なのに、その本人まで艦長を殺そうとしている。
被害者であると同時に、本人も加害者になりかけていた。
そのため、単純に「かわいそうな被害者」で終われない事件でした。

アビーがオンラインゲーム世界の通訳になっている

今回かなり活躍するのがアビー。

ギブスはオンラインRPGについてほぼ知識がありません。
キャラクター名を使う理由からしてピンときていない。
そんなギブスたちに代わって、アビーは自分で「The Immortals」へ入り、ゲーム内を進みながら捜査に必要な情報を探します。

これが結構大変。
普通にゲームを進めないと目的の場所までたどり着けない。
途中で敵にやられればやり直し。
実際アビーもオークに倒されて、最初からやり直しています。

アビー、マジで頑張った!

ゲームって、必要な情報が欲しいからといって即座にそこだけ見られるわけじゃないんですよね。
条件を満たして道中を進める。
敵を倒して、何かに失敗したらやり直す。

……分かる。
大変なんだよ、あれ。


しかも今回はゲーム攻略だけではなく、サーバーログの特定やマクドナルドの日記の解析まで担当。
ギブスが理解できない世界を「この世界ではこういうことが起きています」と現実の捜査へ翻訳する役割になっています。

科学捜査担当というより、今回はほぼ異世界通訳です。

ギブス、オンラインゲームにはサッパリ

ギブスは今回もギブスですが、オンラインゲームの話になると急に弱い。
アビーが説明しても「なんでそんな名前を使うんだ?」というところから始まる。

普段は誰よりも早く事件の違和感を拾う人なのに、ゲームになると、何を言ってるんだ?感があるのが面白いです。

ただし、ギブスはゲームそのものを理解できなくても、人間が何をしているかについては理解できる。
ゲームで何が起きているのかはアビーに任せる。
そこから得た情報を現実の捜査へ結びつけるのはギブスたち。

専門外だから全部自分で理解しようとするのではなく、分かる人間を使う。
こういうところもチーム捜査なんだと思います。

トニー、プエルトリコへ行く。ただし6時間

マクドナルドとゲーム上のライバルが現実でも剣を使った可能性が出てきたことで、トニーは剣の入手経路を調べるためプエルトリコへ向かいます。
身分を偽り、自分でも剣を違法に購入できるか試す潜入捜査。
ここでもギブスの「待てない」が出ます。

トニーは24時間欲しい。
ギブスは、6時間。
トニーが「12時間?」と交渉しようとしても、交渉ではありません。
6時間です。

第2話でも思いましたが、やっぱりギブスに「待つ」という文字はない。
(まぁ、今回に関してはトニーが下心出しまくりなので、わかりますが、ええ、わかります)

とはいえ、海外まで行かせる仕事なのに、普通に時間を削ってきます。
ギブスが上司、大変すぎる。

それでもトニーはお土産を買って帰ってくる

そんな無茶なスケジュールでプエルトリコへ行かされたトニーですが、ちゃんとお土産を買って帰ってきます。
ケイトにはビキニ(なんで?って思ったけど、まぁ、嫌がらせだな)
そしてギブスには、スペイン語版のオンラインRPGスターターキット。

まさかのこのオチ、覚えていました。
今回ずっとオンラインゲームに「?」だったギブスへゲームを渡す。
トニーらしい。
事件がかなり重い内容でも、最後にこういう軽いやり取りが入るので、NCISは見やすいんですよね。

「ゲームが悪い」という話ではないと思う

今回の事件だけ見ると「オンラインゲームにハマったせいで人がおかしくなった」という話にも見えます。
でも個人的には、そこまで単純ではないと思いました。

マクドナルドにとって、ゲームの中の出来事はほとんど現実と同じ重さになっていた。
ゲーム内で敵に負けることも、現実で誰かに負けることも、ゲーム上の拠点を失うことも、現実の艦長を殺すことも、ラインは同じなんです。

元々あったはずの、その境界がなくなっていく。
だから怖い。

現実でダメならゲームへ。
ゲームでダメなら現実へ。

その往復自体は、今でも普通にあります。
問題は「これはゲームだから」「これは現実だから」と止まれる線が消えてしまうこと。
2003年の作品ですが、むしろ今の方が分かりやすいテーマなのかもしれません。

まとめ|現実とゲームの間にある線は、意外と薄い

『NCIS』シーズン1第4話「不死身の戦士」は、海底で見つかった異様な遺体から、オンラインRPGの世界へ捜査が広がっていく事件でした。
正装と儀礼剣。
鎖と重り。
ゲーム内のライバル。
現実での決闘。
「自分は不死身だ」という思い込み。
そして艦長を狙った爆弾。
最初に死体を見た時は、どういうこと!?でしたが、調べるほどゲームと現実が混ざり合っていたことが分かっていきます。
ただ、重りをつけて海底を歩いても死なないと思うのは違うだろ!とは最後まで思います。

何でその煽りに乗るんだ。

今回かなり印象に残ったのはアビー。
ギブスたちがほぼ分からないオンラインゲームの世界へ自ら潜り、ゲームを進め、ログを調べ、日記まで解析。

アビー、マジで頑張った。何度でも讃えます。

一方のギブスはゲームにはサッパリでも、事件を見る目はいつも通り。
そしてトニーは6時間でプエルトリコへ飛ばされ、お土産まで持って帰る。
事件そのものは重いですが、チームの掛け合いはやっぱり楽しい。

ゲームが悪いというより、現実とゲームの境界がなくなってしまうことが怖い。
そんな回でした。

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