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『ザ・クローザー』シーズン1第3話「正義の行方」感想|FBIに守られた犯人の結末【ネタバレ】

※この記事には『ザ・クローザー』シーズン1第3話「正義の行方(The Big Picture)」の結末を含むネタバレがあります。

エピソード基本情報

項目内容
作品名ザ・クローザー
シーズン・話数シーズン1第3話
日本語タイトル正義の行方
原題The Big Picture
本国放送日2005年6月27日
脚本ナンシー・ミラー
監督エロディ・キーン

現在どこで見られる?

2026年10月確認時点では、Huluなどで『ザ・クローザー』を視聴できます。

配信状況は変更される可能性があるため、最新情報は各配信サービスでご確認ください。

ネタバレなしのあらすじ

18歳のロシア人女性ゾーヤ・ペトロヴナが、何者かに何度も刺されて死亡します。
ゾーヤは売春をしており、その顧客リストには政府機関に勤める人物も含まれていました。

さらにゾーヤと深い関係にあったロシアンマフィアの息子ニック・コスロフには、FBIが保証するアリバイがあります。

捜査を続けるブレンダでしたが、事件の背後ではLAPDだけでは簡単に踏み込めない事情が動いていました。

ネタバレなしの感想

今回は「犯人をどう自白させるか」以上に、ブレンダが考える正義と、組織が優先するものの違いが強く出た回でした。

特にFBIが絡んでくることで、フリッツとは私生活では親しいのに、仕事では完全に別組織の人間。
それでもフリッツ、ブレンダにはかなり甘いんですよね(笑)
そして重たい事件の一方で、前回の事件現場にいた猫が普通にブレンダのところにいる。

保健所に行ったと思っていたのに、結局餌まであげているところがブレンダらしくて好きでした。


ここからネタバレあり

第3話「正義の行方」全体のネタバレ込みあらすじ

18歳のロシア人女性ゾーヤ・ペトロヴナが、何度も背中を刺されて死亡します。

ゾーヤは売春をしており、顧客記録には複数の男性の名前が残されていました。
その中には、ポープの知人で移民・税関執行局に勤めるダニー・ブースもいます。
ダニーはゾーヤの常連客でしたが、収入に見合わないほど彼女へ金を使っており、説明にも不自然な点がありました。

一方、ゾーヤと深く関わっていたのがニック・コスロフ。
ロシアンマフィアのボスを父に持つ人物です。
しかしゾーヤが殺された時間、ニックはFBIと一緒にいたことになっており、FBI自身が彼のアリバイを保証していました。

捜査を続けたブレンダは、かつて同じようにロシアからやってきたナディアを訪ねます。
現在はアメリカ人男性と結婚し、家庭を持っているナディア。
しかし彼女も、かつてニックたちのもとで働かされていました。

そこで分かったのは、女性たちが自由になるためには、新たに別の女性を紹介しなければならなかったこと。
ナディアもゾーヤへ危険だと忠告しながら、結果的には彼女を紹介してしまっていました。

さらに過去の未解決事件から、19歳のロシア人女性ヴァーニャ・カスタンカがゾーヤとよく似た状況で殺されていたことが判明します。

ヴァーニャも妊娠していました。
ゾーヤもニックの子どもを妊娠し、それをきっかけに暴力を振るわれていました。
ブレンダは、ニックが二人の女性を殺したと考えます。

ところがFBIはゾーヤの事件資料を引き取り、捜査へ介入。
ニックはロシアンマフィアについて情報を提供する協力者となっており、FBIは彼を守っていました。
しかもブレンダは、ニックが実際には殺害時刻にFBI施設へいたわけではなく、情報提供者として使うためにFBIがアリバイを与えていると見抜きます。

通常の方法ではニックを殺人罪で追及できません。

そこでブレンダは、FBIが作ったアリバイそのものを利用します。
ニックを殺人容疑で逮捕したうえで、FBIが彼のアリバイを保証しているため、自白しても殺人罪では起訴できないと伝えます。
そしてニックがFBIの情報提供者になっていることが父親側へ知られる状況を作り、そのまま彼を外へ出します。

ニックは必死に自分が二人を殺したと訴えますが、すでに遅い。
組織から見れば、彼は裏切り者になっていました。
翌日、ニックは喉を切られた遺体で発見されます。

一方、ブレンダはダニーが女性たちを利用していた事実についてもFBIへ情報を渡し、事件を終えます。

FBIに守られていると高を括っていたニック

今回、少しスカッとしてしまったのがニックの結末でした。

もちろん、殺されると分かったうえで外へ出すブレンダの判断はかなり危うい。
でもニックは、それまでFBIが自分を守ってくれると完全に高を括っていました。

殺人事件で疑われても、FBIがアリバイを保証してくれる。
ブレンダが何を言おうと、自分は捕まらない。
そんな余裕があったように見えます。
ところが、そのFBIの保護は彼自身を大切にしているからではありません。

情報提供者として利用価値があるから守られていただけ。
しかも組織の中でも絶対に守られるような立場ではない。
そのことに気づいた時には、もう遅い。

「3時間後には死んでいる」と言われた時、ブレンダが返す「3時間後にはもう埋まっている」という趣旨の言葉も強烈でした。
建物を出た瞬間に、もうニックの運命は決まっている。
自分だけは安全だと思っていた男の立場が一気にひっくり返る場面でした。

FBIがアリバイを作ったら、そりゃ普通には裁けない

ブレンダのやり方はかなり強引です。

ただ、今回についてはFBI側も相当です。
ニックをロシアンマフィア捜査の情報提供者として使うため、殺人事件についてまでアリバイを保証してしまう。
それではLAPDがいくら証拠を集めても、通常の方法で事件を進めるのは難しい。

ブレンダ自身も、フリッツに対して「少女たちが殺されても、マフィアとのつながりがあれば見逃されるのか」という趣旨で怒っています。

ゾーヤは18歳。
過去に殺されたヴァーニャも19歳。
二人の少女が殺されたことより、大きな組織犯罪の捜査を優先する。
組織としては「大局を見る」必要があるのかもしれません。

でも、目の前の被害者を担当するブレンダには受け入れられない。
原題の「The Big Picture」が、そのままこの対立につながっている回でした。

ナディアもまた被害者であり、加害する側にもなっていた

印象に残ったのがナディアの話です。
今はアメリカ人男性と結婚して、子どももいて、普通の生活を送っている。
でも、そこへたどり着くまでには別の女性を紹介しなければならなかった。

そして紹介された一人がゾーヤでした。
ナディア自身も搾取されていた被害者です。
同時に、自分が抜け出すために次の誰かを同じ場所へ送り込んでしまった。
本人もそれを裏切りだったと分かっています。

誰か一人だけが悪いのではなく、抜け出したい人間に次の犠牲者を連れてこさせる仕組みそのものが嫌な事件でした。

仕事では対立しても、ブレンダには甘いフリッツ(笑)

今回はFBIが捜査へ本格的に絡んでくるので、当然フリッツもブレンダと同じ立場ではありません。

フリッツはFBI捜査官。
ブレンダはLAPD。
私生活では親しい二人でも、仕事となれば所属組織の事情があります。
それでもフリッツ、やっぱりブレンダには甘い(笑)

ブレンダの言いたいことも理解しているし、FBI側の事情も知っている。
板挟みになりながらも、完全にブレンダを突き放せない。
前回も思いましたが、よく付き合ってるなと思います。
やっぱり、惚れた弱みでしょうか(笑)

ただ、ブレンダ側もフリッツを大切にしているのが分かるから、この二人は見ていて面白い。

仕事上では対立できるのに、それだけで私生活の関係まで壊れないのも良いところでした。

猫、保健所に行ったんじゃなかったの?(笑)

そして最後に気になるのが猫。
前回の事件現場にいた猫です。

保健所に連れていかれたものだと思っていたら、普通にブレンダのところにいます。保健所免れたっぽい。
しかも結局、餌まであげている。

仕事では「3時間後には埋まっている」と言えてしまうほど容赦がないのに、猫は放っておけない。
こういうところを見ると、ブレンダは冷たい人ではないんですよね。
むしろ情があるからこそ、今回のように被害者が組織の事情で置き去りにされることを許せないのかもしれません。

事件の結末がかなり重かっただけに、猫とのやり取りが少しだけ空気を和らげてくれました。

まとめ

『ザ・クローザー』シーズン1第3話「正義の行方」は、18歳のロシア人女性ゾーヤの殺害事件から、女性たちを搾取する仕組みとロシアンマフィア、さらにFBIの捜査までつながっていく回でした。

特に印象的だったのは、ニックがFBIに守られていること。
FBIがアリバイまで保証する以上、ブレンダが通常の方法で殺人罪を追及するのは難しい。
そこで、その保護そのものを逆手に取る。

かなり危ういやり方ではあります。
それでも、守られていると高を括っていたニックの態度もあって、少しスカッとしてしまった結末でした。

一方で、フリッツとは仕事上で対立しても関係が壊れない。
そして家へ帰れば、保健所へ行ったと思っていた猫に餌をあげている。

仕事の時と私生活の落差も含めて、ブレンダという人物がますます面白くなってきました。

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更新

※次のエピソードは週1回を目安に更新しています。
公開され次第、下記リンクから読めるようになります。

前の感想:『ザ・クローザー』シーズン1第2話「裏切りの代償」感想
次の感想:『ザ・クローザー』シーズン1第4話「姿なき復讐者」感想


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