「好き」という感情が、相手を理解することではなく、所有、監視、支配へ変わる映画が気になります。この記事では、恋愛関係そのものが破綻や恐怖の中心にある20作品をまとめました。
ホラーやミステリーの一覧と重複させないため、殺人事件の謎や怪異よりも、二人の関係がどう歪んだのかを追う作品を優先しています。すべて鑑賞済みの人が決めたランキングではなく、私自身の視聴・感想記事用の備忘録です。
※交際相手による暴力、性的支配、自傷、依存などを扱う作品を含みます。
※あらすじでは、最終的な生死や別離に関わる結末を伏せています。
この20選の選定基準
- 恋愛関係の支配、依存、嫉妬、破綻が物語の中心にある
- ストーカーだけでなく、互いに離れられない共依存も含む
- 恋愛を美化せず、危うさや代償まで描く
- 邦画・洋画・アジア映画を国別に分けない
- 他のジャンル別一覧に収録した作品は外す
まず見たい5本
| 優先 | 作品 | 公開年 | 気になる理由 |
|---|---|---|---|
| 1 | ファントム・スレッド | 2017年 | 支配する側とされる側が入れ替わる関係を見たい |
| 2 | ピアニスト | 2001年 | 抑圧と欲望が恋愛をどう壊すのか気になる |
| 3 | ダメージ | 1992年 | 家族を壊すと知りながら止められない関係を見たい |
| 4 | ベティ・ブルー/愛と激情の日々 | 1986年 | 情熱と精神的不調を愛だけで支えられるのか考えたい |
| 5 | ブルーバレンタイン | 2010年 | 恋の始まりと結婚の終わりを並べる構成が気になる |
1.ファントム・スレッド
映画情報
公開年:2017年/製作国:アメリカ/監督:ポール・トーマス・アンダーソン/上映時間:130分
あらすじ
1950年代のロンドン。
著名な仕立て屋レイノルズは、姉シリルに生活と仕事を管理され、恋人さえ創作の邪魔になれば遠ざける完璧主義者です。
海辺の町で働くアルマを見初めた彼は、彼女を恋人兼モデルとして屋敷へ迎えます。
しかしアルマは、美しいドレスを与えられるだけの従順な存在ではありません。
仕事の秩序を最優先するレイノルズと、自分だけが必要とされる関係を望むアルマは衝突します。
やがて彼女は、強く自立した彼が弱り、自分へ全面的に頼る時間を意図的に作ろうとします。
支配する側と世話をする側が入れ替わりながら、二人だけに通用する愛の均衡を築く物語です。
気になる要素
仕立て屋、モデル、年齢差、支配、看病、姉、二人だけの合意。
感想・考察
未視聴です。
一般的には危険な行為が、二人の間では関係を維持する儀式になる不穏さを考えたいです。
2.ピアニスト
映画情報
公開年:2001年/製作国:フランス・オーストリア/監督:ミヒャエル・ハネケ/上映時間:131分
あらすじ
ウィーン音楽院で教えるエリカは、成人後も支配的な母親と同居し、生活を細かく監視されています。
感情を抑えて厳格に振る舞う一方、彼女は人に言えない欲望と自傷的な衝動を抱えています。
若く才能のある学生ワルターはエリカへ強く惹かれ、拒まれても接近します。
彼女は自分が望む支配と服従の内容を手紙にして渡しますが、想像の中で管理していた欲望は、相手の意思と現実の暴力に触れた瞬間、別のものへ変わります。
母から受ける支配を恋愛の中で反転させようとする女性と、彼女を理解したつもりになる青年の関係を、救いのない距離から描きます。
気になる要素
母娘の共依存、教師と生徒、抑圧、性的支配、自傷、音楽院、境界の崩壊。
感想・考察
未視聴です。
本人が望む行為と、現実に相手から加えられる暴力の違いがどう描かれるか注目したいです。
3.ダメージ
映画情報
公開年:1992年/製作国:イギリス・フランス/監督:ルイ・マル/上映時間:111分
あらすじ
政治家として成功し、妻と二人の子どもに囲まれたスティーヴンは、息子マーティンが連れてきた恋人アンナと出会います。
言葉をほとんど交わさないうちから互いに強く惹かれた二人は、家族に隠れて関係を持ち始めます。
アンナは過去の喪失を抱え、自分を傷つける関係を繰り返してきました。
スティーヴンもまた、築いてきた地位と家庭を失う危険を理解しながら、彼女との時間を止められません。
アンナがマーティンとの結婚へ進もうとしても関係は続き、秘密を守るための嘘が家族の日常へ入り込みます。
恋を人生の真実と呼ぶことで、他者に与える損害を無視できるのかを問う作品です。
気になる要素
息子の恋人、不倫、政治家、家族、過去の喪失、秘密、破滅願望。
感想・考察
未視聴です。
止められない感情を運命として美化せず、具体的な損害まで描くのか見たいです。
4.ベティ・ブルー/愛と激情の日々
映画情報
公開年:1986年/製作国:フランス/監督:ジャン=ジャック・ベネックス/上映時間:121分
あらすじ
海辺のバンガローを管理しながら小説を書くゾルグのもとへ、激しい感情を持つベティが現れ、二人は一緒に暮らし始めます。
ベティは、ゾルグが書きためた原稿に才能を見いだし、出版させようと奔走します。
彼は彼女の自由さと情熱を愛し、怒りによる破壊的な行動も受け止めようとします。
しかし生活の変化や失望が重なるにつれ、ベティの精神状態は不安定になり、愛情だけでは支えきれない行動が増えていきます。
相手をありのまま受け入れることと、必要な助けへつなぐことは同じではありません。
情熱的な恋を美しく映しながら、二人だけで閉じた関係の限界を描きます。
気になる要素
同棲、作家志望、激情、精神的不調、献身、才能への信頼、共依存。
感想・考察
未視聴です。
「愛があれば救える」という考えが、かえって二人を孤立させないか見たいです。
5.ブルーバレンタイン
映画情報
公開年:2010年/製作国:アメリカ/監督:デレク・シアンフランス/上映時間:112分
あらすじ
ディーンとシンディは幼い娘を育てる夫婦ですが、二人の間から会話と親密さが失われつつあります。
看護師として働くシンディは将来を変えたいと考え、ディーンは家族と過ごせる現在の生活に満足しています。
関係を立て直そうと二人は娘を預け、テーマホテルで一夜を過ごします。
しかし善意で選んだ言葉も互いの失望を刺激し、過去の不満が噴き出します。
現在の破綻へ向かう時間と、若い二人が出会い、恋に落ち、困難の中で家族になった過去が交互に描かれます。
かつて本物だった愛が、生活の違いによって終わることはあるのかを見つめる作品です。
気になる要素
結婚生活、子育て、過去と現在、価値観の差、会話の断絶、愛の変化。
感想・考察
未視聴です。
誰か一人を悪者にせず、愛して結婚した二人が続けられなくなる過程を見たいです。
6.レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
映画情報
公開年:2008年/製作国:アメリカ・イギリス/監督:サム・メンデス/上映時間:119分
あらすじ
1950年代の郊外。
フランクとエイプリルは、自分たちは周囲の平凡な夫婦とは違うと信じながら、二人の子どもを育てています。
俳優の夢を諦めたエイプリルと、退屈な会社で働くフランクは、閉塞した生活から抜け出すためパリ移住を計画します。
エイプリルが働き、フランクは本当にやりたいことを探すはずでした。
しかし仕事で評価されたフランクは現在の地位を手放しにくくなり、家族の事情も変化します。
未来への約束は、互いが相手へ押しつけていた理想と失望を露わにします。
愛情があっても、相手を自分の可能性を証明する道具にした時、結婚がどう壊れるかを描きます。
気になる要素
1950年代、郊外、夫婦、移住計画、仕事、性別役割、理想と現実。
感想・考察
未視聴です。
夢を共有しているようで、実は別の未来を見ていた夫婦のすれ違いを考えたいです。
7.クローサー
映画情報
公開年:2004年/製作国:アメリカ・イギリス/監督:マイク・ニコルズ/上映時間:104分
あらすじ
ロンドン。
作家志望のダンは事故に遭ったアリスを助け、恋人になります。
その後、写真家アンナの撮影を受けたダンは彼女へ惹かれ、冗談で医師ラリーをアンナになりすましてチャットへ誘います。
偶然出会ったアンナとラリーも恋人となり、二組の関係が始まります。
しかしダンとアンナの感情、ラリーの嫉妬、アリスの秘密が絡み、四人は相手を欲しながら傷つけることをやめられません。
真実を話すことを誠実さのように主張しながら、相手を支配し、性的な詳細を聞き出して苦しめる。
愛と所有欲、正直さと残酷さの境界を会話で暴いていく作品です。
気になる要素
二組の恋人、不倫、チャット、嘘、嫉妬、性的な尋問、会話劇。
感想・考察
未視聴です。
真実を知りたいという欲求が、相手を理解するためでなく傷つけるために使われる怖さを見たいです。
8.セクレタリー
映画情報
公開年:2002年/製作国:アメリカ/監督:スティーヴン・シャインバーグ/上映時間:111分
あらすじ
自傷行為の治療を終えて実家へ戻ったリーは、弁護士グレイの事務所で秘書として働き始めます。
失敗を恐れて萎縮するリーに対し、完璧主義のグレイは誤字や態度を厳しく指摘します。
やがて二人の間には、命令と服従を伴う特別な関係が生まれます。
リーは初めて自分の欲望を肯定できるようになりますが、グレイは自分の行為を恐れ、彼女を遠ざけようとします。
家族が望む普通の結婚へ進むか、自分が選んだ関係を求めるか。
危うい題材を扱いながら、同意のない支配と、互いが望む役割を言葉と行動で確かめる関係の違いを描きます。
グレイもまた自分の欲望を恐れており、一方的に完成された支配者ではありません。
リーが彼の決めたルールを受け入れるだけでなく、自分から関係を選び取ろうとする変化が、二人の力関係を動かしていきます。
気になる要素
上司と秘書、支配と服従、自傷からの回復、同意、普通の結婚、自己肯定。
感想・考察
未視聴です。
外から奇妙に見える関係でも、本人の選択と合意があることをどう描き分けるか気になります。
9.赤いアモーレ
映画情報
公開年:2004年/製作国:イタリア/監督:セルジオ・カステリット/上映時間:125分
あらすじ
外科医ティモーテオは、事故で重傷を負った娘の手術を待つ間、誰にも明かしていなかった過去を思い返します。
裕福な妻と暮らしながら孤独を抱えていた彼は、車の故障をきっかけに、貧しい地域で暮らすイタリアと出会いました。
最初の接触は暴力的で、対等な恋とは呼べないものでした。
それでも二人は離れられない関係となり、ティモーテオは家庭とイタリアの間を行き来します。
愛を語りながら責任を引き受けず、相手の弱い立場へ依存する男性と、その関係に希望を託す女性。
現在の娘の命と過去の選択を重ね、彼が愛と呼んだものの身勝手さを問います。
気になる要素
既婚者、不倫、暴力から始まる関係、階級差、妊娠、回想、罪悪感。
感想・考察
未視聴です。
加害を含む関係を「激しい愛」で包まず、男性の自己正当化まで見せるのか確認したいです。
10.危険な情事
映画情報
公開年:1987年/製作国:アメリカ/監督:エイドリアン・ライン/上映時間:119分
あらすじ
弁護士ダンは、妻と娘が留守にした週末、仕事で知り合った編集者アレックスと関係を持ちます。
ダンにとっては短い出来事でしたが、アレックスは関係の継続を求め、電話や訪問を繰り返します。
ダンが家庭へ戻ろうとするほど彼女の行動は激しくなり、家族の日常にも入り込みます。
既婚男性の不倫を発端としながら、物語は拒絶された女性の執着と恐怖を描きます。
一方で、ダンが自分の選択を一度の過ちとして処理しようとする身勝手さも残ります。
関係の終わりを一方だけが決めた時、同意や責任がどこまで続くのかを考えさせる作品です。
アレックスの行為が危険さを増す一方で、ダンは妻へ真実を明かせず、家族を守るためにさらに嘘を重ねます。
二人だけの秘密だったはずの関係が、何も知らない妻子の安全まで脅かしていく過程が描かれます。
気になる要素
不倫、ストーカー、家庭への侵入、妊娠、拒絶、責任、1980年代。
感想・考察
未視聴です。
アレックスだけを怪物にする語りと、ダンの責任がどの程度描かれるのか見たいです。
11.愛の嵐
映画情報
公開年:1974年/製作国:イタリア/監督:リリアーナ・カヴァーニ/上映時間:118分
あらすじ
1957年のウィーン。
ホテルで夜間勤務をするマックスは、宿泊客として現れたルチアと再会します。
二人はナチスの強制収容所で、看守と被収容者という立場にあり、支配と暴力を伴う関係を持っていました。
戦後、マックスは過去を隠して生き、元親衛隊員の仲間たちは証拠や証人を消そうとしています。
ルチアも指揮者の妻として暮らしていましたが、再会をきっかけに二人は再び閉じた関係へ戻っていきます。
被害と欲望、記憶と反復を分けられない関係は、外部からの危険だけでなく、二人自身を追い詰めます。
歴史的加害を恋愛へ置き換える危うさも含む作品です。
気になる要素
戦後、元看守と被害者、再会、支配の再演、秘密、孤立、歴史的加害。
感想・考察
未視聴です。
トラウマによる結びつきを愛と呼ぶことの危険性を、作品がどう扱うのか慎重に見たいです。
12.ポゼッション40周年HDリマスター版
映画情報
公開年:1981年/製作国:フランス・西ドイツ/監督:アンジェイ・ズラウスキー/上映時間:124分
あらすじ
長い出張から西ベルリンの家へ戻ったマルクは、妻アンナから離婚を求められます。
幼い息子を残して外出を繰り返す彼女に別の男性がいると考えたマルクは、行動を監視し、私立探偵まで雇います。
しかしアンナの秘密は通常の不倫では説明できず、夫婦の争いは現実と異常の境界を越えていきます。
互いを憎みながら離れられない二人、理想化された別の相手、分裂していく自己が重なります。
怪異を描きながらも中心にあるのは、結婚の崩壊によって相手を理解不能な存在と感じ、所有し直そうとする恐怖です。
愛と嫌悪が同時に極限まで高まる作品です。
気になる要素
離婚、監視、冷戦下のベルリン、分身、夫婦喧嘩、怪異、愛と嫌悪。
感想・考察
未視聴です。
怪物を夫婦関係の比喩として読む余地と、現実の暴力の描写を分けて考えたいです。
13.愛の亡霊
映画情報
公開年:1978年/製作国:日本・フランス/監督:大島渚/上映時間:105分
あらすじ
明治時代の農村。
人力車夫の儀三郎と暮らすせきは、若い豊次から執拗に関係を迫られます。
やがて二人は逢瀬を重ね、夫の存在を邪魔だと考えるようになります。
欲望を守るため、二人は儀三郎を殺し、遺体を井戸へ捨てます。
その後も人目を避けて関係を続けますが、村では儀三郎の姿を見たという噂が広がり、せき自身も亡霊に苦しめられます。
秘密を共有したことによって結ばれた二人は、愛よりも罪と恐怖によって離れられなくなります。
閉ざされた村の視線と怪談の形を借り、欲望が共犯関係へ変わる過程を描きます。
捜査が村へ近づくほど、二人は夫を奪った事実だけでなく、互いへの疑いにも追い詰められます。
現れる亡霊が本物の怪異なのか、罪悪感が見せるものなのかという曖昧さも、せきと豊次の関係を揺さぶります。
気になる要素
明治の農村、不倫、共犯、夫殺し、井戸、亡霊、罪悪感。
感想・考察
未視聴です。
恋愛が殺人の動機なのか、罪を共有した後に愛だと思い込むのか考えたいです。
14.愛のコリーダ
映画情報
公開年:1976年/製作国:日本・フランス/監督:大島渚/上映時間:108分
あらすじ
1930年代の東京。
元芸妓の阿部定は、奉公先の主人・吉蔵と関係を持ちます。
二人は仕事や家庭から離れて旅館の一室にこもり、互いの身体だけを求める生活へ沈んでいきます。
吉蔵には妻がいますが、定は彼を完全に自分だけのものにしたいという思いを強めます。
二人の行為は、快楽と苦痛、生と死の境界を越え、日常へ戻る道を失っていきます。
実際の事件を基に、社会から切り離された二人だけの世界がどこまで成立するのか、相手を所有したいという欲望が愛をどのように変えるのかを描く作品です。
外の生活を捨てるほど二人の結びつきは強く見えますが、定の嫉妬と所有欲は、吉蔵の身体も意思も自分だけのものにしようとする方向へ進みます。
実際の事件へ至る過程を、恋愛と破滅の境界から見つめます。
気になる要素
実際の事件、既婚者、密室、性愛、所有欲、共依存、生と死。
感想・考察
未視聴です。
互いに合意した関係であっても、世界を二人だけに閉じることで破滅へ向かう過程を見たいです。
15.苦役列車
映画情報
公開年:2012年/製作国:日本/監督:山下敦弘/上映時間:113分
あらすじ
1980年代。
日雇い労働で得た金を酒と風俗に使い、家賃も滞納する十九歳の北町貫多は、父親の犯罪による偏見と自分への諦めを抱えています。
職場で同年代の日下部と知り合い、初めて友人らしい関係を得た貫多は、古本屋で働く康子へ恋をします。
彼女と話せるようになったことで生活が変わるかに見えますが、貫多は相手の意思より、自分が好かれることを求めます。
劣等感や嫉妬から友人を傷つけ、女性の拒絶を受け入れられません。
恋愛が人を救うという期待と、本人が他者を尊重しなければ関係は成立しない現実を描きます。
康子への好意も、彼女の生活や気持ちを知ろうとするより、自分を肯定してくれる存在を求める方向へ傾きます。
友人の日下部が前へ進む姿への妬みも重なり、貫多は得かけた人間関係を自分から壊していきます。
気になる要素
片思い、劣等感、嫉妬、日雇い労働、友人関係、拒絶、自己破壊。
感想・考察
未視聴です。
恋を更生の道具にせず、相手を一人の人間として見られない主人公の問題を追いたいです。
16.溺れるナイフ
映画情報
公開年:2016年/製作国:日本/監督:山戸結希/上映時間:111分
あらすじ
東京でモデルとして活動していた夏芽は、家族の都合で海辺の町へ移り、土地の有力者一族の跡取りであるコウと出会います。
傲慢で自由なコウに反発しながら惹かれた夏芽は、彼といることで田舎に閉じ込められた自分を取り戻せると感じます。
しかし祭りの夜に起きた事件によって二人の関係は壊れ、夏芽は恐怖と喪失を抱えます。
互いを特別な存在として求めながらも、傷を癒やすことと、相手へ依存することは同じではありません。
若さゆえの全能感、土地の神話、創作や表現への渇望が、激しい恋と結びつく物語です。
事件後、コウは夏芽を守れなかった自分と向き合えず、二人は互いを求めながら距離を取ります。
夏芽が再び表現する力を取り戻せるか、コウとの関係だけに自分の価値を預けずにいられるかも物語の軸になります。
気になる要素
十代、田舎町、モデル、祭り、事件後の傷、特別でありたい欲望、共依存。
感想・考察
未視聴です。
苦しみを理解できる唯一の相手という関係が、救いにも束縛にもなる点を見たいです。
17.彼女がその名を知らない鳥たち
映画情報
公開年:2017年/製作国:日本/監督:白石和彌/上映時間:123分
あらすじ
仕事をせず、年上の陣治と暮らす十和子は、彼の不潔さや下品さを嫌悪しながら生活を頼っています。
かつて自分を傷つけて別の女性と結婚した黒崎を忘れられず、似た雰囲気を持つ既婚者の水島とも関係を持ち始めます。
陣治は十和子の行動を監視するように付きまとい、彼女のためなら何でもすると言います。
そんな中、黒崎が行方不明になっていると知らされ、十和子は陣治への疑いを強めます。
愛されることを当然のように消費する十和子と、自己犠牲によって相手を縛る陣治。
嫌悪、依存、献身の正体が反転していく恋愛映画です。
十和子が記憶している過去と、周囲の人々が知る出来事にはずれがあります。
黒崎や水島に惹かれる理由、陣治を拒みながら離れない理由が明らかになるにつれ、誰が誰を傷つけ、守っていたのかという印象も変化します。
気になる要素
同棲、元恋人、既婚者との関係、監視、自己犠牲、嫌悪と依存、記憶。
感想・考察
未視聴です。
献身を純愛として受け取ってよいのか、それも相手を縛る形ではないか考えたいです。
18.リリーのすべて
映画情報
公開年:2015年/製作国:イギリス・アメリカ・ドイツ/監督:トム・フーパー/上映時間:120分
あらすじ
1920年代のデンマーク。
画家のゲルダとアイナーは、互いの創作を支える夫婦です。
女性モデルの代役を頼まれたことをきっかけに、アイナーは自分の内にいるリリーという存在を隠せなくなります。
当初は夫婦の遊びとして始まった装いが、本人にとって生きるために必要な自己表現だと分かっていきます。
ゲルダは夫を失うような痛みを抱えながら、リリーの肖像を描き、治療を探す旅を支えます。
愛する相手を自分が知っていた姿のまま引き留めることと、その人が望む人生を支えることの間で、結婚の形が変化していく物語です。
ゲルダはリリーを題材にすることで画家として評価されていきますが、創作上の成功と私生活の喪失を同時に経験します。
リリーの自己実現だけでなく、配偶者だったゲルダが変化をどう受け止め、自分の人生を続けるかも描かれます。
気になる要素
夫婦、画家、性別移行、自己認識、献身、1920年代、関係の変化。
感想・考察
未視聴です。
相手を支える愛が、ゲルダ自身の喪失や人生を見えなくしていないかも含めて見たいです。
19.ナインハーフ
映画情報
公開年:1986年/製作国:アメリカ/監督:エイドリアン・ライン/上映時間:117分
あらすじ
ニューヨークの画廊で働くエリザベスは、離婚後の生活の中で、謎めいた投資家ジョンと出会います。
彼は高価な贈り物や大胆な遊びによって彼女を日常から連れ出し、二人は強く惹かれ合います。
しかしジョンは自分の仕事や生活をほとんど明かさず、関係の進め方を常に決めようとします。
最初は刺激として受け入れていた行為も、エリザベスの意思や限界を試すものへ変化します。
相手にすべてを委ねる高揚と、自分の感覚を失っていく恐怖。
恋愛と性的な冒険の名のもとで、一方だけがルールを決める関係から、彼女が何を取り戻せるかを描きます。
気になる要素
離婚後、年上の男性、秘密、性的支配、贈り物、境界、ニューヨーク。
感想・考察
未視聴です。
刺激を選ぶ自由と、断る権利が奪われる支配の境目をどう見せるのか注目したいです。
20.ビター・ムーン
映画情報
公開年:1992年/製作国:フランス・イギリス/監督:ロマン・ポランスキー/上映時間:139分
あらすじ
結婚七年目のイギリス人夫婦ナイジェルとフィオナは、船旅の途中で、車椅子のアメリカ人作家オスカーと若い妻ミミに出会います。
オスカーはミミに惹かれたナイジェルを部屋へ招き、二人の関係を語り始めます。
パリで激しく恋に落ちたオスカーとミミは、互いを満たす遊びを尽くした後、退屈と嫌悪から相手を傷つけることへ快楽を見いだすようになりました。
語りを聞くほどナイジェルはミミへの欲望を刺激され、自分の結婚への不満も露わになります。
愛し合った記憶を武器に変え、別れずに復讐し続ける夫婦と、それを覗く夫婦の危うさを描きます。
気になる要素
船旅、二組の夫婦、回想、性的支配、倦怠、復讐、覗き見る欲望。
感想・考察
未視聴です。
憎しみで結ばれた関係が、無関心より強固になってしまう仕組みを考えたいです。
20作品早見表
| No. | 作品名 | 公開年 | 製作国 | 主なテーマ |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ファントム・スレッド | 2017年 | アメリカ | 支配、看病、二人だけの合意 |
| 2 | ピアニスト | 2001年 | フランス・オーストリア | 抑圧、支配、自傷 |
| 3 | ダメージ | 1992年 | イギリス・フランス | 不倫、家族、破滅願望 |
| 4 | ベティ・ブルー/愛と激情の日々 | 1986年 | フランス | 激情、精神的不調、共依存 |
| 5 | ブルーバレンタイン | 2010年 | アメリカ | 結婚生活、価値観、断絶 |
| 6 | レボリューショナリー・ロード | 2008年 | アメリカ・イギリス | 郊外生活、夫婦、理想 |
| 7 | クローサー | 2004年 | アメリカ・イギリス | 不倫、嘘、嫉妬 |
| 8 | セクレタリー | 2002年 | アメリカ | 支配と服従、同意、自己肯定 |
| 9 | 赤いアモーレ | 2004年 | イタリア | 不倫、暴力、罪悪感 |
| 10 | 危険な情事 | 1987年 | アメリカ | 不倫、執着、家庭への侵入 |
| 11 | 愛の嵐 | 1974年 | イタリア | 加害関係、再会、支配の再演 |
| 12 | ポゼッション | 1981年 | フランス・西ドイツ | 離婚、監視、分身 |
| 13 | 愛の亡霊 | 1978年 | 日本・フランス | 不倫、共犯、亡霊 |
| 14 | 愛のコリーダ | 1976年 | 日本・フランス | 所有欲、密室、共依存 |
| 15 | 苦役列車 | 2012年 | 日本 | 片思い、劣等感、拒絶 |
| 16 | 溺れるナイフ | 2016年 | 日本 | 十代、事件後、共依存 |
| 17 | 彼女がその名を知らない鳥たち | 2017年 | 日本 | 監視、自己犠牲、嫌悪と依存 |
| 18 | リリーのすべて | 2015年 | イギリスほか | 夫婦、自己認識、献身 |
| 19 | ナインハーフ | 1986年 | アメリカ | 性的支配、秘密、境界 |
| 20 | ビター・ムーン | 1992年 | フランス・イギリス | 倦怠、復讐、二組の夫婦 |
目的別に探す
支配と服従の境界を考えたい
- ファントム・スレッド
- ピアニスト
- セクレタリー
- ナインハーフ
結婚が壊れていく過程を見たい
- ブルーバレンタイン
- レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
- クローサー
- ポゼッション
共依存と自己犠牲を見たい
- ベティ・ブルー/愛と激情の日々
- 彼女がその名を知らない鳥たち
- 溺れるナイフ
- リリーのすべて
欲望が犯罪や破滅へ変わる作品を見たい
- ダメージ
- 危険な情事
- 愛の亡霊
- 愛のコリーダ
- ビター・ムーン
視聴時に気をつけたいこと
この一覧には、交際相手による暴力、自傷、性的な支配、家族への加害、歴史的な加害関係を扱う作品があります。
「激しい愛」と紹介される作品でも、現実の関係なら危険な行為を含みます。
鑑賞時は、作品が何を美しく見せているかと、登場人物の同意や安全が守られているかを分けて考えます。
視聴済み作品・感想記事
現時点では、この20選に対応する個別感想記事はありません。
鑑賞後は視聴済み欄へ移し、感想・考察記事を公開した場合はここからリンクします。
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まとめ
狂愛を描く映画には、相手を好きすぎるという言葉だけでは説明できない、所有欲、拒絶への怒り、孤立、自己犠牲、同意の欠如があります。
私は鑑賞後、「愛だったか」だけでなく、相手の意思を尊重していたか、二人の外に助けを求められたか、作品が暴力を美化していないかまで考察したいです。
幸福な恋愛映画と並べることで、関係を続けるために本当に必要なものも見えやすくなりそうです。
