『MILGRAM -ミルグラム-』囚人番号002、ユノ/樫木優乃の第二審楽曲「Tear Drop」。
第一審「アンビリカル」では、ユノが妊娠していた可能性はかなり強く見えたものの、相手が誰なのか、どのような関係だったのか、妊娠に至るまで何があったのかはほとんど分かりませんでした。
そのため私は第一審では、ユノだけを責めるには情報が足りないと考えて「赦す」としています。
第二審「Tear Drop」は、その空白をかなり直接的に埋めてきたように見えます。
金銭を受け取るユノ、ラブホテルを思わせる空間、性的に消費される存在を思わせる衣装、そして何人もの「ユノ」。
第一審の妊娠は、恋人との関係ではなく、金銭を伴う複数の出会いの延長線上にあった可能性が高くなりました。
ただし、ユノがなぜその関係を選んだのかは、第二審でもまだ分かりません。
お金が欲しかったのか、誰かに求められることが欲しかったのか。それとも、その両方だったのでしょうか。
ユノ第二審「Tear Drop」の基本情報
囚人番号002・ユノの第二審楽曲は「Tear Drop」。
MVは2022年9月22日に公開されました。公式は第二審ユノについて「喜怒哀楽、さまざまな表情を見せるユノ」に注目し、罪の真相と理由を考察するよう案内しています。
第一審「アンビリカル」がポップで可愛らしい映像の中に妊娠を思わせる情報を隠していたのに対し、第二審はかなり露骨です。
「ユノがどんな関係を持っていたのか」を、こちらへ見せる方向へ大きく踏み込んだように感じました。
第二審Voice Trailerで聞こえた「かしわぎゆうこ」
第二審Voice Trailerでは、裏の声が「かしわぎゆうこです、初めまして」と名乗っているように聞こえました。
これはユノの本名「樫木優乃」とは違います。
そのため、初対面の相手に本名とは別の名前を使っていた可能性があります。
その後にも、相手とどこかへ移動するような会話が続いているように聞こえました。
ただし「かしわぎゆうこ」という名乗りはVoice Trailerでそう聞こえたという初見時点の聞き取りです。
第二審MVそのものではこの名前を名乗っていないため、記事では両者を分けて考えます。
MVではユノが金銭を受け取っている
第二審MVでは、ユノが相手から金銭を受け取っているように見える場面があります。
Voice Trailerの「初めまして」という名乗りらしき台詞と合わせると、ユノは初対面あるいはそれに近い男性と会い、対価を受け取る関係を持っていた可能性がかなり高く見えます。
いわゆるパパ活や援助交際に近い状況を連想しますが、MILGRAM側がその名称を明示しているわけではありません。
そのため、ここでは金銭を伴う対人的・性的な関係だった可能性として扱います。
重要なのは、ユノが単純に誰か一人の恋人と付き合っていたようには見えなくなったことです。
ラブホテルのような空間
MVには、ラブホテルを思わせる空間が登場します。
そこで描かれるのが、一人だけではないユノです。
ユノとユノが抱き合う。別のユノが別のユノを見守る。
そして、性的な関係に関わったと思われるユノを、ほかのユノたちが労わるような構図があります。
この場面から感じたのは、「本当のユノと偽物のユノ」という単純な分裂ではありませんでした。
むしろ、全部がユノ本人なのではないかと思います。
複数のユノは「相手ごとに使い分ける自分」?
第二審では、写真のような形でも複数のユノが登場します。
衣装や雰囲気もそれぞれ違い、相手に見せる顔を使い分けているようにも見えます。
清楚な自分。可愛い自分。制服姿の自分。性的な魅力を前に出す自分。相手に求められる形へ変化する自分。
ただ、それらを「嘘の人格」とは言い切れません。
ユノ自身にとっては、
どれも私
どれも自分で選んだ顔
だからどれか一つだけを本物と決めないで
という感覚なのかもしれません。
第一審では「本当のユノはどこにいるのか」と考えたくなりましたが、第二審ではむしろ、「全部私なんだけど?」と返されているように感じました。
パパ活をするユノを、ほかのユノが褒める
特に印象に残ったのが、金銭を伴う関係にいると思われるユノを、ほかのユノたちが褒めたり労ったりしているように見えることです。
そして制服姿のユノは、別のユノへ上着をかけるような行動を取ります。
これは、他人から褒めてもらっている場面ではありません。
ユノがユノ自身を慰めている。
ユノが自分で自分に「よくやった」と言っている。
傷ついた自分を、自分自身で保護している。
そんな場面にも見えます。
もしそうなら、ユノはかなり自立しているようでいて、逆に言えば、誰かに本当に労ってもらえる場所がなかった可能性もあります。
最後に身体を隠すユノ
MV終盤では、ユノが羽織ったものを身体へ強く寄せ、自分を包み込むように隠しています。
ここは重要に見えました。
性的な魅力を前面に出す衣装を着て、相手から求められる自分を演じている。その一方、すべてが終わった後には身体を隠す。
だからユノは、何も感じていないわけではないのかもしれません。
外では身体を見せることができる。
それを自分の商品価値として利用することもできる。
でも一人になれば、自分を守るように身体を包む。
この対比を見ると「本人が自分で選んでいるのだから傷ついていない」と単純に考えることもできません。
ラブドールのような衣装
第二審のユノの衣装も、一審以上に性的なイメージを前面に出しているように見えます。
こういう衣装って、ラブドールって言うんでしたっけ……?
これは単にセクシーな衣装というより、他人の欲望に合わせて作られたユノを視覚化している可能性があります。
ただし、その姿をユノ自身が完全に拒絶しているようにも見えません。
相手から求められる自分を理解し、それを利用する。
つまりユノは「一方的に商品にされた人物」というより、自分が商品として持つ価値まで理解したうえで、その関係へ入っていたようにも見えます。
第一審の妊娠相手も、この関係の中にいた?
ここまで第二審で情報が出ると、第一審「アンビリカル」の妊娠とのつながりを考えざるを得ません。
第一審では、ユノが妊娠していた可能性は見えても、相手についてはほとんど分かりませんでした。
第二審では、金銭を伴う関係を持っていた可能性がかなり強くなります。
だとすれば、第一審の妊娠も、恋人との交際中に妊娠したのではなく、こうした関係を持った相手の誰かとの間で妊娠した可能性が出てきます。
特定の一人と継続的な関係だったのか、複数の相手のうちの一人だったのかは分かりません。そこは第二審時点でも断定できません。
だから「赦さない」なのか?
ここは慎重に分けたいところです。
私が第二審でユノを「赦さない」と考える理由は、パパ活や援助交際のようなことをしていたからではありません。
金銭を伴う性的な関係そのものを、MILGRAMで裁くべき「罪」と考えているわけでもありません。
問題は、第一審で描かれた妊娠と、その先にある「誰かの死」です。
第二審によって、ユノが何も知らずに流されていた人物ではなく、自分の魅力や関係性を理解し、かなり主体的に選択していた可能性が高く見えてきました。
それなら、妊娠とその後についても「事情が分からないから本人だけを責められない」と考えていた第一審より、ユノ本人の選択を重く見る必要があるように感じます。
ユノはなぜこの関係を選んだのか
ただし、第二審でも一番知りたいところは残りました。
なぜユノは、このような関係を求めたのでしょうか。
お金が必要だったのか。
誰かから欲しがられることが嬉しかったのか。
自分の価値を確認したかったのか。
愛情を求めていたのか。
あるいは全部だったのでしょうか。
「求められること」が自分の価値?
歌詞には、自分を欲しい人間を招くような内容があります。
ここから感じるのは、ユノ自身が「自分は求められる側の人間だ」と理解していることです。
自分は可愛い。自分には価値がある。自分を欲しがる人がいる。そして、そのことがユノにとって自己評価の一部になっていた可能性があります。
お金を受け取ることも、単なる収入ではなく、
自分にこれだけの価値がある
誰かが自分を欲しいと思っている
という確認になっていたのかもしれません。
お金ではなく愛情を求めていた可能性
「相手から欲しがられる」ことを愛情として受け取っていた可能性もあります。
性的に求められる。
会いたいと言われる。
お金を払ってでも自分と過ごしたいと思われる。
それを、
私は必要とされている
私は愛される価値がある
という感覚へ置き換えていたのかもしれません。
そう考えると、複数のユノが互いを褒め、慰め、抱きしめる場面も少し違って見えます。
外から得られるのは「欲しい」という欲望。
でも、その後に本当に自分を労るのは自分自身。
ユノが欲しかったのは、性的な需要ではなく、その先にある本当の愛情だった可能性も残ります。
ユノの家庭がほとんど見えない
ここで気になるのが、ユノの家族です。
ハルカ第二審では母親との関係が強く描かれました。
一方、ユノは家庭がほとんど見えてきません。
親は何をしていたのか。
ユノがこうした関係を持っていたことを知っていたのか。
家に居場所がなかったのか。
金銭的に困っていたのか。
それとも、家庭環境とは関係なく本人が選んだのか。
この部分が分からないため「ユノがなぜその関係へ入ったのか」については第二審でもまだ結論を出せません。
ユノにとっての「赦す」
第二審の歌詞では、ユノも「赦す/赦される」ことを意識しているような表現をしています。
ハルカ第二審にも「赦されたこと」を意識するような内容があったため、今後ほかの囚人についても確認したいところです。
第一審でユノは51.30%という僅差で「赦す」とされました。
第二審では、その判決を受けた本人が「赦し」をどう考えているのかまで歌詞に入り込んでいる可能性があります。
MILGRAMの「赦す」は、視聴者から本人へ一方的に与えられるだけのものではないのかもしれません。
第一審から印象はどう変わった?
第一審のユノは、妊娠していた可能性こそ高いものの、それ以外がかなり曖昧でした。
そのため、
相手にも責任があるのではないか
ユノ自身はどこまで選べたのか
恋人との間に起きたことかもしれない
と、多くの可能性を残したまま見ていました。
第二審では、その曖昧さの一部が消えます。
ユノは、自分の魅力を理解していた。相手と会う。金銭を受け取る。性的な関係を持っていた可能性が高い。
そして、その複数の自分を「全部自分」として抱えているように見える。
第一審より、本人の主体性がかなり強く見えるようになりました。
ただ、それでも「なぜその選択をしたのか」はまだ分かりません。
第二審の投票結果
ユノの第二審投票結果は、
| 判定 | 得票率 |
|---|---|
| 赦す | 78.55% |
| 赦さない | 21.45% |
となり、第二審でも「赦す」となりました。
第一審は51.30%対48.70%というかなりの僅差でしたが、第二審では「赦す」が78.55%まで大きく伸びています。
第二審ではユノ自身の選択や生活が第一審より直接的に見えるようになったにもかかわらず、投票は逆に大きく「赦す」へ動きました。
ユノが自分の行動を自分の意思で選んでいることや、自分自身を被害者として扱っていない姿勢を、視聴者が「本人の人生の選択」として受け止めた可能性もありそうです。
ただし、これは投票結果から考えた一つの見方であり、実際の投票理由は人によって異なります。
私の第二審判断は「赦さない」
私は第二審では、「赦さない」を選びます。
第一審では「妊娠していた」という情報に対して、相手との関係も、その後の事情も分からなさすぎました。
そのため、ユノ一人へ責任を負わせることはできないと考えて「赦す」としました。
第二審を見ると、ユノは一方的に状況へ流された人物ではなく、自分の魅力や関係性を理解したうえで、自分からその環境へ入っていた可能性がかなり高くなりました。
もちろん、そのような関係を持っていたこと自体を責めたいわけではありません。
ただ、第一審で描かれた妊娠と「誰かの死」がその延長線上にあるのなら、第二審で見えてきたユノ本人の主体性まで含めて考えたい。
その結果、私は第一審とは判定を変えて「赦さない」とします。
ただし、家庭環境や、なぜユノがそこまで「求められる自分」を必要としたのかが分かれば、この判断が変わる可能性は残っています。
第二審時点で残った疑問
ユノについては、第二審で「何をしていたのか」はかなり見えました。それでも「なぜ」はまだ残っています。
なぜ金銭を伴う関係へ入ったのか。
お金が必要だったのか。
求められることで自分の価値を確認していたのか。
愛情が欲しかったのか。
親や家庭はどうしていたのか。
第一審で描かれた妊娠相手は、この関係で出会った相手なのか。
複数のユノは「演じ分ける顔」なのか、それともすべて等しく本人なのか。
そして、性的な自分を肯定しているように見える一方で、最後に身体を強く隠したのはなぜなのか。
第二審「Tear Drop」は、第一審よりずっと露骨にユノの生活を見せてくれました。
だからこそ、今度は「何をしていたか」ではなく、なぜユノはそれを必要としていたのかが気になります。
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2026年9月:第二審「Tear Drop」初見・再視聴時点の感想と考察を作成。
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