※この記事には『クローザー』シーズン1第1話「偽りの素顔(Pilot)」の結末を含むネタバレがあります。
エピソード基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | クローザー |
| シーズン・話数 | シーズン1第1話 |
| 日本語タイトル | 偽りの素顔 |
| 原題 | Pilot |
| 本国放送日 | 2005年6月13日 |
| 脚本 | ジェームズ・ダフ |
| 監督 | マイケル・M・ロビン |
| 上映時間 | 約52分 |
現在どこで見られる?
2026年10月確認時点では、Huluで『クローザー』が見放題配信されています。
字幕・吹替・英語字幕に対応しています。
U-NEXTでもシーズン1が見放題配信されています。
※配信状況は変更される可能性があります。最新情報は各配信サービスでご確認ください。
ネタバレなしのあらすじ
コンピューター科学者エリオット・コリアー博士の自宅で、身元不明の女性の遺体が発見されます。
女性は後頭部を何度も殴られたうえ、髪を切られ、顔を銃で撃たれていました。
しかし、家の持ち主であるコリアー博士は休暇中のはずなのに行方が分からず、さらに調べていくと、彼自身の経歴にも不審な点が浮かび上がります。
そこへ捜査を引き継ぐことになったのが、アトランタからやってきたばかりのブレンダ・リー・ジョンソン。
CIAで尋問技術を学び、容疑者から自白を引き出して事件を終わらせることから「クローザー」と呼ばれる彼女ですが、新しい職場から歓迎されているとは言い難い状況でした。
ネタバレなしの感想
第1話から、ブレンダのキャラクターがかなり強い。
何かを頼むたびに、相手の返事を待つより先に「ありがとう」で自分から会話を締めてしまうのが面白い(笑)
お願いという形を取っているのに、実質的にはもう決定事項なんですよね。
そして新しい職場へやってきた主人公……と思ったら、早々に上司のポープとの過去まで見えてくる。
まさかの不倫関係から始まる主人公。
なかなか斬新です。
一方、殺人特捜班のメンバーたちはブレンダに対してかなりよそよそしい。
ただし、反発して何もしないわけではありません。
頼まれた捜査はする。
必要な情報も集める。
社会人として仕事はするけれど、歓迎しているわけでもない。
この微妙な距離感が、事件とは別の意味でちょっと怖い第1話でした。
ここからネタバレあり
第1話「偽りの素顔」全体のネタバレ込みあらすじ
コンピューター科学者エリオット・コリアー博士の自宅で、身元不明の女性の遺体が発見されます。
女性は後頭部を鈍器で何度も殴られて死亡しており、その後で髪を切られ、服を脱がされ、顔を銃で撃たれていました。
現場にやってきたのが、新しく殺人特捜班を率いることになったブレンダ・リー・ジョンソン。
彼女は遺体のそばに残っていた嘔吐物や、そこを洗剤で拭き取った跡などから、殺人そのものは計画的ではなかった可能性を考えます。
しかし、家の持ち主であるコリアー博士はハワイへ旅行中とされながら、現地には到着していません。
さらに不思議なのは、被害者の指紋は家や車、コリアーの職場など至るところから見つかるのに、コリアー本人の指紋がほとんど存在しないこと。
調べを進めたタオたちは、エリオット・コリアーという名前の人物が19歳ですでに死亡していることを突き止めます。
つまり、現在「エリオット・コリアー」を名乗っている人物は、他人の身分を使って生活していたことになります。
一方、コリアーの秘書エレン・パークスは、彼とはあくまで仕事上の関係であり、恋愛関係ではないと説明。
しかしメールを調べると、二人が親密な関係だったことが分かります。
さらに身元不明だった被害者の正体も判明。
彼女はアラナ・デヴォン。
過去に製薬会社前で起きた事件で警備員を射殺し、長年行方をくらませていた女性でした。
しかも、アラナを撃った銃弾と過去の事件で使われた銃が一致します。
アラナもコリアーも身元を偽り、コンピューターに詳しく、姿を消すことに徹底していた。
二人の共通点に気づいたブレンダは、アラナの遺体をもう一度調べます。
そして決定的な事実が判明。
アラナの左目の虹彩と、会社に登録されていたエリオット・コリアーの虹彩データが一致したのです。
行方不明のエリオット・コリアーと、殺されたアラナ・デヴォン。
二人は別人ではありませんでした。
アラナは整形などで外見を変え、男性のエリオット・コリアーとして長年生活していたのです。
そして犯人は、秘書のエレン。
エレンはコリアーに恋愛感情を抱いていました。
国外へ逃亡する可能性も考え、銀行口座まで一度閉じていた彼女でしたが、逃亡する予定だった夜、コリアーからその正体を明かされます。
激しく動揺したエレンは、机にあった文鎮でアラナの頭部を何度も殴りつけて殺害。
さらに遺体を見た人間がエリオット・コリアーだと気づかないよう、髪を切り、服を脱がせ、過去の事件で使われた銃で顔を撃っていました。
最後にブレンダはエレンから一連の出来事を自白させ、最初の事件を解決します。
親切そうなのに逃げ道がない――ブレンダの尋問が怖い
第1話で一番「これがクローザーか」と感じたのは、やっぱり最後のエレンへの尋問でした。
ブレンダは最初から怒鳴りつけたり、犯人扱いして追い詰めたりするわけではありません。
むしろ逆。
自分はエレンを助けたい。
本当のことを話してくれれば、できる限り力になりたい。
そんな形で話を進めます。
特に怖いのが、「故意ではなかった」という方向へエレンを誘導していくところ。
確かに親切ではあるんですよね。
最初から殺そうとしていたわけではないなら、それをきちんと説明した方がいい。
ただし、そのためにはエレン自身が「自分が殺した」と認めなければならない。
つまり「わざとではなかったことを説明しましょう」という救いのような言葉が「では、あなたが殺したことを自分の口で認めてください」につながっている。
相手からしたら、ものすごく怖かっただろうなと思います。
大声で威圧しているわけでもない。
脅しているようにも見えない。
むしろ親切そう。
なのに気づいた時には、ほかの選択肢が全部なくなっている。
ブレンダの「クローザー」としての怖さが、第1話からしっかり出ていました。
「ありがとう」で勝手に会話を終わらせるブレンダ(笑)
そして事件とは別に、やたら気になるのがブレンダの「ありがとう」。
誰かに何かを頼む。
相手が答える。
……より先に、自分から「ありがとう」で締める(笑)
お願いしているように見えて、実際にはかなり強引です。
相手が了承したかどうかより、「はい、お願いしました。ありがとう」で話を進めてしまう。
仕事ができる人なのは間違いない。
でも、一緒に働く側からすると、なかなか大変そうでもあります。
この独特の押しの強さが、尋問だけではなく普段の会話にもすでに出ているんですよね。
新任上司VS既存メンバー――仕事はする。でも空気が怖い
新しい部署へ外部からいきなり上司がやってきた。
しかも、自分たちより高い立場。
そう考えると、既存メンバーが面白くないのも分からなくはありません。
実際、第1話の殺人特捜班はかなりよそよそしい。
でも面白いのは、だからといって全員が仕事を放棄しているわけではないこと。
タオはコリアーについて調査し、重要な情報を見つける。
サンチェスやダニエルズも指示を受けて捜査を続けます。
サンチェスはエレンへの最初の聴取にも付き合っています。
無言に近いし、愛想よくブレンダを歓迎しているわけではない。
でも仕事はする。
「あなたのことはまだ認めていません。でも刑事として必要な仕事はします」という距離感に見えて、この空気が妙にリアルです。
露骨に喧嘩を売られるより、こっちの方が職場としては怖いかもしれない(笑)
ブレンダ本人も、周囲と仲良くするために下手に出るタイプではないので、まあこうなるよね……とも思います。
ガブリエルは良心――でも完全なブレンダ派ではない
そんな中、比較的早い段階からブレンダと行動を共にしているのがガブリエル。
最初の印象としては、かなり良心です。
新しく来た上司に対して必要なサポートをしてくれるし、ほかのメンバーよりも明らかに会話が成立している。
ただ、改めて見ると、最初から完全な「ブレンダ派」というわけでもありません。
ガブリエルはテイラーに恩があり、ブレンダに対しても「この部署への入り方では反発されても仕方がない」とかなり率直に話しています。
さらに、ブレンダが被害者の身元を特定したことをテイラーへ伝えたのもガブリエル。
だから、単純にブレンダへ忠誠を誓っているのではなく、これまで築いてきた人間関係も大事にしながら、新しい上司ともちゃんと仕事をしようとしている。
その意味でも真っ当な人です。
そしてブレンダも、そんなガブリエルに対して「誰とどう付き合うかは自分で決める」という姿勢。
この二人がここからどういう関係になるのかも、第1話時点で気になるところでした。
サンチェスも地味にちゃんと付き合ってくれている
最初に見た時はガブリエルが一番協力的に見えましたが、改めて見るとサンチェスも結構付き合ってくれています。
タオ、ダニエルズと一緒にコリアーの人物像を調べるよう指示され、そのまま仕事を続ける。
さらにエレンの最初の聴取にも同席。
特別ブレンダに愛想がいいわけではありません。
味方だと宣言するわけでもない。
でも、言われたことは普通にやる。
こういう人物がいるから、部署全体が「新任上司を排除するために全員が嫌がらせしている」という単純な構図にはならないんですよね。
人それぞれ距離感が違う。
そこが面白いです。
主人公、初回から上司との不倫が発覚する(笑)
そしてブレンダ本人。
第1話からいきなり過去が濃い。
殺人特捜班を新しく率いる有能な女性捜査官がロサンゼルスへやってきた。
普通なら、それだけでも十分主人公の導入になるはず。
なのに、ポープとの会話を聞いていると「あれ?」となる。
以前一緒に仕事をしていた時、ブレンダはポープが妻のところへ帰るのを待っていた。
つまり、この二人、不倫関係だったんかい。
不倫で始まる主人公、なかなか斬新です(笑)
しかも現在は上司と部下。
ポープがブレンダをロサンゼルスへ呼び寄せた側でもある。
仕事だけでも十分ややこしいのに、すでに私生活までややこしい。
ブレンダが優秀なだけの完璧な主人公ではなく、かなり面倒くさい部分まで最初から見せてくるのが面白かったです。
「被害者と行方不明者が同一人物」という真相
事件そのものも、第1話からかなりひねっています。
殺された身元不明の女性。
消えたエリオット・コリアー。
当然、最初は「コリアーが女性を殺して逃げた」と考えます。
ところが、被害者の指紋は大量にあるのに、コリアーの指紋がない。
調べてもコリアーという人物の過去が存在しない。
そして最終的に分かるのが「殺された女性こそが、探していたエリオット・コリアー本人だった」という事実。
別々だと思っていた二人を一人に重ねることで、それまで不自然だった証拠が一気につながります。
特に虹彩認証。
顔を撃たれていても左目は残っている。
会社へ入るために登録されていたコリアーの虹彩データと比較すれば、同一人物だと証明できる。
現代なら生体認証はかなり身近になりましたが、2005年放送のドラマでこの仕掛けを持ってくるのも面白いところでした。
まとめ
『クローザー』シーズン1第1話「偽りの素顔」は、アトランタからやってきたブレンダ・リー・ジョンソンの初事件。
殺された身元不明の女性と、行方不明になった男性科学者。
二人を追っているはずが、実は同一人物だったという真相も面白い回でした。
ただ、それ以上に印象に残ったのはブレンダ本人。
頼み事をしては自分で「ありがとう」と締める。
新しい職場では全然歓迎されていない。
さらに上司とは過去に不倫関係。
主人公の初回として情報量が多い(笑)
そして最後には、親切そうにエレンへ寄り添いながら、一つずつ逃げ道を塞いで自白まで持っていく。
怒鳴らない。脅さない。でも、気づいた時にはもう逃げられない。
「クローザー」というタイトルがどういう意味なのかを、最初の1話できっちり見せてくれる導入でした。
チームについても、全員が単純に敵対しているわけではありません。
ガブリエルは比較的協力的。
サンチェスも無言ながら普通に仕事をする。
ほかのメンバーも、それぞれ距離を取りながら必要な捜査は進めています。
このよそよそしいチームが、ここからブレンダとどういう関係になっていくのかも楽しみです。
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