『CSI:科学捜査班』シーズン1第5話「血しぶきの謎」感想・考察|血痕を糸でたどる科学捜査と3つの事件【ネタバレ】

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※この記事には『CSI:科学捜査班』シーズン1第5話「血しぶきの謎(Friends & Lovers)」の結末を含むネタバレがあります。

エピソード基本情報

項目内容
作品名CSI:科学捜査班
シーズン・話数シーズン1第5話
日本語タイトル血しぶきの謎
原題Friends & Lovers
本国放送日2000年11月3日
脚本アンドリュー・リプシッツ
監督ルー・アントニオ

現在どこで見られる?

2026年9月確認時点では、Huluで『CSI:科学捜査班』が見放題配信されています。
字幕・吹替・英語字幕に対応しています。
※配信状況は変更される可能性があります。最新情報は各配信サービスでご確認ください。

ネタバレなしのあらすじ

砂漠で、全裸の若い男性の遺体が発見される。
外傷らしい外傷がなく、死因もすぐには分からない中、グリッソムとウォリックは遺体に残されたわずかな痕跡から、死亡するまでの行動を追っていく。

一方、キャサリンとニックは、私立学校の校長が撲殺された事件を担当。
学校の創設者ケイトは自ら通報し、「襲われたため正当防衛で殴った」と証言するが、壁に残された血しぶきはその説明とは違う状況を示していた。

さらにサラは、ゴミ捨て場から発見された女性の遺体を担当。
ところが身元を調べると、その女性は一週間前にすでに埋葬されているはずだった。

ネタバレなしの感想

今回は3事件が並行して進みますが、個人的に一番覚えていたのは血しぶきに糸を張って位置関係を調べる場面。

今見るとかなりアナログです。でも、そこがいい。

壁に残された血痕の角度や位置から、どこで何が起きたのかを逆算していく。
「お、科学捜査!」となる場面でした。

ほかにも、若者の不可解な死、学校内での殺人、そして墓から遺体を掘り返していた葬儀会社と、方向性のまったく違う事件が3本。

特に葬儀会社の事件は、死後の話だから被害者本人は何も言えないだけで、かなりひどい話です。


ここからネタバレあり

第5話「血しぶきの謎」全体のネタバレ込みあらすじ

砂漠で全裸の若者エリック・バークリーの遺体が発見され、グリッソムとウォリックが捜査を担当します。

遺体には大きな外傷が見当たらない一方、異常な脱水状態。
さらに遺体にいた虫などを調べることで、エリックが死亡前にジムソンウィードという幻覚作用を持つ植物を摂取していたことが分かります。

そこへ友人のボビー・テイラーが、行方不明になったエリックを捜していると現れます。
二人は砂漠の野外パーティーへ行き、そこで飲んだものによって激しい幻覚状態に陥っていました。

エリックは何かに追われていると思い込み、全裸で砂漠を走る。
ボビーも薬物の影響で混乱しており、その後の記憶は曖昧でした。

しかしグリッソムは、ボビーの腕に残された噛み跡を発見。
エリックの歯型と比較した結果、二人が死亡直前に接触していたことが判明します。

実際には、錯乱して叫び続けるエリックを止めようとしたボビーが、彼の口と鼻を塞いでしまっていた。
エリックはその際にボビーを噛み、最終的に窒息死していました。

一方、キャサリンとニックが担当するのは、私立学校の校長ヴァーノン・ウッズの殺害事件。

学校創設者のケイト・アームストロングは、ウッズから性的に迫られたため、正当防衛で殴ったと証言します。
しかし、ウッズは一度だけではなく複数回殴られていました。

ニックは現場の血しぶきに糸を張り、血液が飛んだ方向と位置を再現。
すると壁の血痕には、何かが血しぶきを遮った空白=ボイドが存在することが分かります。

さらにウッズのシャツにも、血が付着していない手の形をした空白が残っていました。

現場にはもう一人、教師のジュリア・イーストマンがいた。

ジュリアの負傷した指に付けた固定具の形とシャツの空白が一致し、ジュリアが倒れたウッズを押さえつけ、その間にケイトが何度も殴っていたことが判明します。

そして二人がそこまでして秘密を守ろうとした理由も明らかになります。

ケイトとジュリアは恋人同士。
その関係を知ったウッズは、暴露すると脅してケイトから金を取っていました。

二人が関係を隠すのをやめようとすると、今度は学校内で性的な行為をしていたという嘘まで広めると脅迫。
その結果、二人はウッズを殺害してしまったのでした。

三つ目の事件を担当するのはサラ。

ゴミ捨て場から女性の遺体が見つかりますが、遺体には防腐処理に使われる薬剤が残っていました。
身元はステファニー・レイエス。
ところが彼女は、一週間前に正式に葬儀を終えて埋葬されているはずでした。

墓を掘り返してみると、そこには遺体どころか棺そのものがありません。
葬儀会社を調べたサラは、展示されている棺から複数人の毛髪を発見。
葬儀会社は埋葬後に棺を掘り返し、遺体だけを捨て、高価な棺を再び別の客へ販売して使い回していたのです。

サラは葬儀会社側に、棺の代金を返し、ステファニーを別の墓地へきちんと埋葬し直すよう求めます。

エリックの死――歯型から親友へたどり着く

エリックの事件は、最初だけ見るとかなり不可解です。

全裸で砂漠を走っていた若者が死亡。
しかも、誰かから逃げていたような足跡まで残っている。
事件に誰かが関わっているのでは、と考えたくなります。

ところが、エリックが恐れていたもの自体が、ジムソンウィードによる幻覚だった。

さらに調べると、ボビーも同じ薬物の影響を受けていたことが分かります。

そしてグリッソムが見つけるのが、ボビーの腕の噛み跡。
歯型を取って照合し、エリック本人に噛まれたものだと分かる。
身体に残った跡から、「この二人は死亡直前に一緒にいた」という事実を引き出すのがCSIらしいところです。

ただ、この事件は単純に「友人が嘘をついて殺した」で片付けるには、少し違うようにも感じました。

ボビー自身も薬物の影響を受けている。
最初はエリックとの間に何が起きたのか、はっきり覚えていないようにも見えます。

だから最初に知らないような態度を取っていたことについても、どこまで意図的に知らないふりをしていたのかは一概に言えない。
最終的に、自分が親友を死なせてしまったと分かったボビーはかなり動揺します。

最初から殺意を持っていたわけではない。
二人で遊びに行き、薬物でおかしくなり、その混乱の中で親友を死なせてしまった。

そう考えると、かなり悲しい事件でした。

糸を張って血しぶきの位置を読む――これぞ科学捜査

今回、一番覚えていたのがここ。

校長ウッズの事件現場に残った大量の血痕を、ニックたちは糸を使って再現します。
壁の血しぶきに一本一本糸を張り、どの方向から血が飛び、どこで攻撃が行われたのかを逆算する。

ものすごくアナログ。でも、ものすごく科学捜査。
今ならコンピューター上で再現する場面を想像しがちですが、実際の現場に糸を張って立体的に位置関係を可視化していくのが面白い。

そして重要なのは、血が「ある場所」だけではありません。

血が付いていない場所も証拠になる。

壁に生じた空白から、「ここに誰か立っていた」と分かる。
ウッズのシャツにできた空白から、「誰かが身体を押さえていた」と分かる。

事件のタイトルが「血しぶきの謎」なのも納得です。

二つのボイドから、もう一人の存在が浮かび上がる

ケイトは最初、「ウッズに襲われたから正当防衛で殴った」と説明していました。

ところが、血痕から見える状況は違う。

ウッズは何度も殴られている。
しかも床に倒れた後も攻撃されていました。

さらに血しぶきの中には、人が立っていたことで生じたボイドがあります。

そこからジュリアの存在が浮かび上がる。
決定的なのが、ウッズのシャツに残った手形状のボイド。
ジュリアは指を負傷していて固定具を使っており、その形まで空白と一致します。

派手な最新機器ではなく、血が飛ばなかった場所と固定具の形から共犯を暴く。

今回かなり好きな科学捜査パートでした。

「脅迫するなよ……」と思う校長殺害事件

もちろん、ケイトとジュリアがウッズを殺したこと自体は正当化できません。

でも、動機を知ると、脅迫するなよ……と思います。

二人が女性同士で付き合っていると知り、それを外へ漏らすことを材料に金を要求する。
さらに二人が隠すことをやめようとすると、今度は学校で性的な行為をしていたという話を広めると脅す。
二人にとって学校は人生そのものだった。
その立場を利用して追い詰め続けた結果が殺人につながっています。

だからといって殺していいわけではないけれど、ウッズ自身もかなり悪質。
「殺された被害者だから可哀想」で終われない事件でした。

原題がFriends & Loversなのも、この回を見るとかなり意味深です。

友人だったエリックとボビー。
恋人だったケイトとジュリア。

人と人との関係が、それぞれ違う形で事件につながっています。

埋めたはずの遺体がゴミ捨て場に――葬儀会社、ひどすぎる

サラの事件もかなりひどい。
ゴミ捨て場にあった遺体を調べたら「この人、一週間前にもう埋葬されてます」となる。

墓荒らしかと思ったら、墓の中には棺すらない。

そこで分かったのが、葬儀会社による高級棺の使い回しでした。
遺族は故人のために高いお金を払って棺を購入している。
それなのに埋葬が終わったら掘り返され、遺体だけ別の場所へ捨てられて、その棺が別の誰かにまた売られる。

ひどい話です。
せっかく高い棺を買ったのに、死んだ後に自分だけ出されて、自分の棺が知らない誰かに使い回されている。
そんなことを知ったら、化けて出てくるかもしれないぞ。

サラがかなり怒るのも当然。

人が亡くなった後だから何をしても分からない、ではなく、遺体や遺族への尊厳を商売のために踏みにじっているのが嫌な事件でした。

デヴィッド初登場――いきなりサラを口説く(笑)

この回では、後におなじみになるデヴィッド・フィリップスも初登場します。

まだシリーズ序盤なので、現在知っているデヴィッドとは少し雰囲気も違う。
そして初登場からサラを口説いている(笑)

サラも普通に「私を口説いてる?」と気づく。
さらに、もっと積極的にいけ、などなどとサラから恋愛指南までされてしまいます。

事件自体は遺体の不正処理というかなり嫌な内容なのに、こういう会話が挟まるのがCSIらしいところ。

後に長く登場するキャラクターの、かなり初期の姿としても面白い場面です。

グリッソムにも刺さる事件――そしてジェットコースターへ

普段のグリッソムは、遺体を感情から切り離して証拠として見るのがかなり得意な人物です。

でも今回は、若いエリックの死に少なからず影響を受けています。
ボビーの腕に歯型を見つけたあとも、事件がどんどん悪い方向へ進んでいることを漏らす。
特に若い人間が絡むと、いつものように完全な「標本」として割り切ることができない。

第4話ではキャサリンから、まるで感情がない人のような言われ方までしていたグリッソムですが、もちろん実際にはそんなことはないんですよね。

そして事件を終えたあと。
ウォリックにどこへ行くのかと聞かれたグリッソムは、そのままジェットコースターへ。
グリッソム、ジェットコースター好きなんですよね(笑)

ただ今回の場合は、単なる趣味の紹介だけではなく、重い事件を終えたあとに一人で頭を切り替えるための行動にも見えます。

普段あまり感情を表に出さないグリッソムだからこそ、こういう小さな場面から人間らしさが見えるのが面白いです。

ゲスト俳優メモ|ボビー役はマイロ・ヴィンティミリア

ちなみに、エリックの友人ボビーを演じているのはマイロ・ヴィンティミリア(Milo Ventimiglia)。

後に『HEROES/ヒーローズ』のピーター・ペトレリ、『THIS IS US/ディス・イズ・アス』のジャック・ピアソンなどを演じる俳優です。

CSIは長期シリーズだけあって、後から有名になる俳優がゲストで出ていることも多いので、こういう出演を探すのも見直しの楽しみの一つです。

まとめ

『CSI:科学捜査班』シーズン1第5話「血しぶきの謎」は、砂漠で死亡した若者、学校長の撲殺、墓から消えた遺体という3つの事件が並行して描かれました。

個人的に一番印象に残っていたのは、やっぱり血しぶきに糸を張って位置関係を再現する科学捜査。
アナログなのに、ものすごくCSIらしい。
血が付着した場所だけではなく「血が付かなかった空白」まで証拠にするところも面白いです。

エリックとボビーの事件は、単純な殺意による殺人ではないだけに少し悲しい。
薬物による混乱の末、親友を自分の手で死なせてしまったという結末でした。

そしてサラが担当した葬儀会社。
高い棺を買ったのに、埋葬後に掘り返されて使い回されるなんて、ひどすぎる。

事件の方向は三者三様ですが、友人、恋人、死者と遺族という人間関係や信頼がそれぞれ壊れていく回でもありました。

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