ハンニバル・レクター原作小説一覧|刊行順・時系列・おすすめの読む順番

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映画『羊たちの沈黙』で有名なハンニバル・レクターには、トマス・ハリスが書いた原作小説があります。
レクターが登場するのは四作。
物語内では若き日の『ハンニバル・ライジング』が最初ですが、刊行されたのは最後です。

そのため「物語の時間順に読むか」「作者が情報を明かした順に読むか」で読書体験が変わります。
この記事では、原著の刊行年、日本語文庫の出版社と訳者、映像化作品との対応、初読向けの読む順番をまとめます。

※主要な結末には触れません。

原作は全四作

刊行順原題原著刊行年日本語題主な中心人物・位置づけ
1Red Dragon1981『レッド・ドラゴン』ウィル・グレアムと一家惨殺事件
2The Silence of the Lambs1988『羊たちの沈黙』クラリス・スターリングと連続殺人捜査
3Hannibal1999『ハンニバル』『羊たちの沈黙』後のレクターとクラリス
4Hannibal Rising2006『ハンニバル・ライジング』レクターの幼少期から青年期

トマス・ハリスのデビュー作『ブラック・サンデー』は同じ作者の犯罪小説ですが、ハンニバル・レクターは登場しません。
「ハリス作品を全部読む」場合には含まれますが、レクター四部作として数えるのは上の四作です。

おすすめは刊行順

初めて読むなら、次の順番をおすすめします。

  1. 『レッド・ドラゴン』
  2. 『羊たちの沈黙』
  3. 『ハンニバル』
  4. 『ハンニバル・ライジング』

理由は、レクターの人物像が最初から完全に説明されないからです。
『レッド・ドラゴン』では、彼は強烈な存在ではあっても物語の唯一の中心ではありません。
続く『羊たちの沈黙』でクラリスとの対話が生まれ『ハンニバル』で関係がさらに変化し、最後に『ハンニバル・ライジング』で過去が提示されます。

最初から原因を知って人物を見るより「この人間は何なのか」と考えながら近づく方が、不気味さと発見を保ちやすいと思います。

時系列順に読む場合

物語内の年代順は次のとおりです。

  1. 『ハンニバル・ライジング』
  2. 『レッド・ドラゴン』
  3. 『羊たちの沈黙』
  4. 『ハンニバル』

再読には向いています。
レクターの過去を知ったうえで『レッド・ドラゴン』へ戻ると、彼が何を語り、何を語らないのか、食事、記憶、礼儀、侮辱への反応を別の角度から確認できます。

一方、初読でこの順にすると、後から作られた説明を先に受け取ることになります。
「正体の分からない知性」を楽しみたい人は刊行順「一人の人物の変化」を追いたい人は時系列順が合いそうです。

日本語版の出版社・訳者・刊行日

『レッド・ドラゴン〔新訳版〕』

項目内容
著者トマス・ハリス
訳者加賀山卓朗
出版社早川書房
レーベルハヤカワ文庫NV
巻数上・下
新訳版刊行日2015年11月6日

満月の夜に起きた一家惨殺事件を追うため、元FBI捜査官ウィル・グレアムが捜査へ戻ります。
犯人の心理へ入り込めることは彼の能力であると同時に、本人を傷つける危険でもあります。
レクターはすでに収監されており、ウィルは助言を求めて再び接触します。

二度映画化され、ドラマ版の大きな土台にもなった作品です。

『羊たちの沈黙』

項目内容
著者トマス・ハリス
訳者高見浩
出版社新潮社
レーベル新潮文庫
巻数上・下、電子合本版あり
現行文庫版刊行日2012年1月30日

FBI訓練生クラリス・スターリングは、女性を狙う連続殺人事件について助言を得るため、レクターと対面します。
捜査情報を聞き出すはずの面談は、クラリス自身の過去や恐怖を材料にした交換へ変わっていきます。

映画を見ていても、クラリスの思考、捜査機関内部の力関係、レクターが観察している細部を文章で追えるため、別の緊張があります。

『ハンニバル』

項目内容
著者トマス・ハリス
訳者高見浩
出版社新潮社
レーベル新潮文庫
巻数上・下、電子合本版あり
文庫版刊行日2000年4月12日

『羊たちの沈黙』後を描く続編です。
レクターは国外で暮らし、クラリスはFBIで厳しい立場に置かれます。
さらに、レクターへ復讐しようとするメイスン・ヴァージャーが二人を結び直します。

この作品は、映画版との違いを語る時に結末だけが注目されがちです。
しかし、クラリスの仕事、レクターの記憶の宮殿、フィレンツェでの生活、メイスンとマーゴの関係など、途中の人物配置にも大きな差があります。比較記事を作るなら、終盤だけでなく全体を追いたい作品です。

『ハンニバル・ライジング』

項目内容
著者トマス・ハリス
訳者高見浩
出版社新潮社
レーベル新潮文庫
巻数上・下
文庫版刊行日2007年3月28日

戦争によって家族と故郷を失ったハンニバルの幼少期から、フランスで暮らす青年期までを描きます。
シリーズ内の時系列では最初ですが、刊行順では最後です。

彼の行動を説明する過去として読むか、説明されてもなお残る選択の問題として読むかで、感想が分かれそうです。
映画版では時間の制約で整理された部分も、小説では記憶、教育、復讐の準備をより長く追えます。

小説と映像化作品の対応

原作小説映画NBCドラマでの扱い
『レッド・ドラゴン』『刑事グラハム』、『レッド・ドラゴン』ウィル、ジャック、ダラハイドなどを大きく使用
『羊たちの沈黙』『羊たちの沈黙』クラリスやバッファロー・ビルをそのまま扱うドラマ化ではない
『ハンニバル』『ハンニバル』フィレンツェ、メイスン、マーゴなど多くの要素を再構成
『ハンニバル・ライジング』『ハンニバル・ライジング』レクターの過去やミーシャの要素を再配置

NBCドラマは、小説一冊をシーズンごとに順番どおり映像化した作品ではありません。
複数の小説から人物、台詞、事件、象徴を取り出し、現代のウィルとハンニバルの関係へ組み直しています。

映画を見た後でも小説を読む意味

事件の犯人や結末を知っていても、小説には別の面白さがあります。

  • 犯人の視点や内面が長く描かれる
  • 捜査官が手がかりへ至る思考を追える
  • 映画で省略・統合された人物がいる
  • 同じ台詞でも、誰がどこで言うかが違う
  • 『ハンニバル』は映画と原作の違いが特に大きい
  • ドラマ版がどの文章や人物関係を借りたか探せる

伏線や人物心理を拾うのが好きなら、映像を答え合わせにせず「別媒体ではどこに重心を置いたか」を比べる読み方が向いています。

まとめ

レクター原作は、『レッド・ドラゴン』『羊たちの沈黙』『ハンニバル』『ハンニバル・ライジング』の四作です。
初めてなら刊行順、人物の人生を追う再読なら『ハンニバル・ライジング』から始める時系列順が向いています。

映画で知っている事件でも、文章では犯人、捜査官、レクターそれぞれの思考へ長く入れます。
さらにNBCドラマを見た後なら、人物名や台詞がどの原作から運ばれてきたのかを探す楽しみも増えます。

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参考情報

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